相鉄線横浜駅の改札です! なんと、23台の改札機が並んでいます

『週刊プレイボーイ』本誌で連載中の「ライクの森」――。

人気モデルの市川紗椰(さや)が、自身の特殊なマニアライフを綴るコラムだ。

今回は、鉄道オタクの彼女の中で今キテいる鉄道について語ってくれた。

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今回は、久々に鉄道の話をしたいと思います!

最近、私の中でキテるのが「相鉄線」。神奈川県の私鉄・相模鉄道が運営する相鉄本線と、いずみ野線の2路線を指します。このうち、相鉄本線は、横浜から海老名(えびな)を結ぶ重要な路線ですね。

相鉄線は現役車両の種類が多く、カラーリングのバリエーションも豊富なことから、もともと好きな鉄道ではありました。さらに、2016年にリニューアルされた「相鉄9000系電車」は、YOKOHAMA NAVYBLUE(ヨコハマネイビーブルー)という濃紺一色のカラーリングになりました。この色は、相鉄のデザインブランドアップの一環として新たに開発されたものなんです。横浜の海をイメージした鮮やかさと深みのある独特の色合いが、とてもカッコいいですね!

そして、今年2月、新型車両「相鉄20000系電車」がデビュー予定です。これまで、相鉄線は都心の鉄道と乗り入れをしていなかったんですが、ついにJR東日本および東急電鉄との相互直通運も現実化します。といっても、開通するのはまだ先の話なのですが、この20000系こそ、相鉄・東急の直通線専用に開発された車両なんです!

9000系でグッドデザイン賞を受賞したカッコいい相鉄デザインと、最新の技術が詰め込まれた新しい車両に乗るのが、今から楽しみです。

なんといっても、新宿や渋谷から相鉄線に乗って横浜まで行けてしまう日が来るなんて、胸が熱くなりますよね。

そんな相鉄線ですが、いくつか面白いスポットがあるんです。まず、相鉄線横浜駅の改札。なんと、23台の改札機がひと続きで並んでいるんです! 日本一、乗降者数が多いJR新宿駅にも、こんなに長い改札機の列はありません。

沿線に点在する、きなくさい場所の数々……

実は、この23台という数字は関東1位。全国で一番長い改札機の列は、大阪・阪急電鉄梅田駅の24台になります。惜しくも1台差で負けていますが、23台の改札が並ぶさまは壮観ですよ。

そして、相鉄線の沿線に点在する、きなくさい場所の数々……。実は戦前・戦後に、相鉄線は厚木まで旅客運行していたことがありました。厚木といえば、かつて大日本帝国の海軍基地があり、現在は在日米軍と自衛隊の飛行場がある土地ですね。戦前・戦後に限らず、相鉄では1998年まで厚木線という貨物専用線も走らせていました。この厚木線の線跡は今でも残っていて、歩いて散策できます。

そして、さがみ野駅の近くにある芹沢公園の地下には、なんと海軍の工場の跡が残っているんです。さすがに機械や兵器が放置されているわけではないですが、巨大な地下工場がそっくりそのまま存在しているという事実だけで、トリップ感を覚えます。

ほかにも、瀬谷(せや)駅前の立派な直線道路には、「海軍道路」という名称がついていたりします。

そんなきなくささ満点の相鉄線ですが、「ゆめが丘」「希望ヶ丘」という駅もあります(笑)。受験シーズンになると、「ゆめきぼ切符キャンペーン」として特別乗車券が販売されるんです。今年も絶賛販売中ですので、受験生ではなくても、夢と希望を胸に抱いている方は、ぜひこの切符で相鉄線にご乗車ください(笑)。

●市川紗椰(いちかわ・さや)1987年2月14日生まれ。アメリカ人と日本人のハーフで、4歳から14歳までアメリカで育つ。現在、モデルとして活動するほか、毎週土曜21時からオンエア中のJ-WAVE『TRUME TIME AND TIDE』でナビゲーターを務めている。相鉄、小田急、JR東の3社の駅がある海老名は、地価も上昇中の注目スポット