「第3回AKB48グループドラフト会議」が1月21日、東京・TDCホールで行なわれ、事前のオーディションに合格した68名の候補者から55名がAKB48、SKE48、NMB48などの各チームに指名された。
過去2回、様々なドラマを生んだドラフト会議。今回も日本ハム・清宮級の注目を集めた元地下アイドル・矢作萌夏(やはぎ・もえか、15歳)が3チームから重複指名(抽選でAKB48・チームK入り)、STU48キャプテンの岡田奈々が2回連続で当たりくじを引くなどの話題はあったが、どこかスリルに欠ける印象だった。
理由は、前回までと違って指名するのがメンバーではなくファン(投票)だったこと。そして、事前に候補者が希望チームを発表する、いわゆる逆指名制度を採用したことだ。
ファンはチームの詳しい内情まではわからない。そして候補者を悲しませたくない。そのため戦力アップになるかどうかより、候補者を希望するチームに入れるだけのマッチングイベントになってしまったのだ。候補者の実に81%が指名され(前回は51%)、そのほとんどが希望チームに入るという無風ぶりだった。
逆指名制度でドラフトがおかしくなったといえば、過去に“本家”のプロ野球でも起きたことだ。というわけで、ドラフト制度に詳しいスポーツジャーナリストの玉木正之氏に話を聞いた。
誰がどこへ行ってもいいんじゃない?
「そもそもドラフトの意義とは戦力の均衡化です。メジャーリーグではくじ引きはなく、弱いチームから独占交渉権を得られる完全ウエーバー制を採用しています」
なるほど! 人気メンバーの少ないチームに次世代エースが入れば面白くなりますね。
「指名されたのが希望球団ではない場合も、7、8年頑張れば他球団へ行けるFA制度があります」
でも、アイドルはそんなに待ったら旬を過ぎてしまう気が…。逆指名については?
「一番の問題は裏金です! 逆指名を条件に球団から億単位のお金が…」(玉木氏)
おっと! さすがにAKBドラフトでそれはないかと!!
「でも、これって全部AKBグループ内のイベントでしょ? 誰がどこへ行っても、全体が良ければいいんじゃないですか?」(玉木氏)
確かにそうなんですが…、せっかくドラフトをやるなら、メジャーばりの完全ウエーバー制、もしくは希望しないチームからの強行指名、それを拒否して浪人…みたいな人間ドラマも見たい。さあ、次はどうなる?