相澤瑠香(あいざわ・るか) 1999年5月22日生まれ、宮城県出身。ラストアイドル初期暫定メンバー。昨年まで宮城の「sendai☆syrup」で活動。ラストアイドル初の2ndユニット「Good Tears」で活動する

究極のアイドルグループのメンバーを決めるオーディション番組『ラストアイドル』。挑戦者が暫定メンバー7人からひとりを指名し、1対1のパフォーマンスバトルで挑戦者が勝てば、新たな暫定メンバーとして加入するーー。斬新かつ残酷なシステムによって去年12月ついに正式メンバー7人は決定した。

光があれば影もある。その7人を強いまなざしで見つめるのは、挑戦者に敗れステージを降りることとなった、4人の暫定初期メンバーだ。彼女たちはセカンドユニットに所属し「ラストアイドルファミリー」の一員としてアイドル活動を継続している。言葉だけでは伝え切れない部分をインタビューの最中、ある人はじんわりと、ある人はとめどなく、涙を流して伝えた…。

■ラストアイドルになれなかった4人

ひとり目は、相澤瑠香。第3回放送で古賀哉子の挑戦を受け、4人いる審査員のうち3人は相澤を支持したが……『ラストアイドル』は多数決ではなく、「天の声」に指名された、たったひとりの独断によるジャッジで勝敗が決まる。そのひとりが古賀を勝者に選び、初の暫定メンバー入れ替わりとなった。

「メンバーとは1週間しか一緒にいられなかったんですけど、絆も生まれていたんです。初収録に臨む前に“この7人でデビューできたらいいね”って話をしていたので、みんなとの約束を守れなかったことが悔しくて。

しかも収録日が偶然、初期メンバーの情報が解禁されるタイミングだったんですね。ツイッターで“おめでとう!”ってコメントがその後も届き続けるんですけど、私はすでに負けている。その状況が一番つらかったかもしれない。

あの頃は毎日、古賀さんが夢に出てきました。ようやく最近、Good Tearsのみんなとステージで歌っている夢を見るようになって。自分たちのグループはラストアイドルに負けていないって、自信が持てるようになったからだと思うんですよ」

ふたり目は、山田まひろ。8歳からダンススクールで鍛えた表現力で、一度は挑戦者を撃退。しかし、第8回放送で鈴木遥夏に敗北した。

「アイドルが好きというよりは、歌とダンスでみんなを笑顔にする人が好きだったんです。それを仕事にしたいなと思っていた頃に、ラストアイドルのオーディションを知って。まさか合格するとは思っていなかったので、ずっとパニックでした。

少し冷静になれたのは、一番仲の良かった相澤瑠香ちゃんが抜けてしまったとき。“そっか、今はまだオーディションの途中なんだ”ってわかって、落ち着くのと同時に恐怖が湧いてきました。だから自分が負けてしまったときは、やっと恐怖から解放されるっていう、不思議な気持ちもありましたね。

でも、心にぽっかり穴があくってこういうことを言うんだなって思って…。Someday Somewhereで活動することが決まってからは、新しい目標ができました。私たちだからこそできる歌とパフォーマンスで、皆さんを笑顔にしたいです」

山田まひろ(やまだ・まひろ) 1998年10 月15日生まれ、愛知県出身。抜群のダンスパフォーマンスを武器に注目を集める。同じ暫定メンバーの間島和奏とともに「SomedaySomewhere」に所属する

 

ラストアイドルになれなかったからこそ

3人目は、間島和奏。絶対的センターとしてグループを引っ張ってきたが、第10回で阿部菜々実に敗北した。

「センターに選ばれたときは“AKB48グループのドラフト候補生”ってレッテルのおかげだなって思ったし、プレッシャーはそれほどなかったんです。でも、センターが代わったら、グループの色も大きく変わってしまう。ほかのメンバーのためにも私は絶対負けちゃいけないんだって、収録が進むにつれてプレッシャーが重くなってくるのを感じました。

ラストアイドルになれないって結果が出た瞬間ももちろん悲しかったんですが、楽屋から帰るときにはもう次の収録が始まっていて、私のいない7人で歌っている『バンドワゴン』が聞こえた瞬間、言い表し難い絶望がありました。アイドルになる夢を諦めようかとも思ったんです。周囲の支えもあって、今はSomeday Somewhereのセンターとして、新たな活動を始めることができています。

センターとしてのプレッシャーはないです。間島和奏として、自分らしくいられることが一番大事なんじゃないかなって、ラストアイドルでの活動を通して学ばせてもらったんです」

間島和奏(まじま・わかな) 2000年4月26日生まれ、北海道出身。「第1回AKB48 グループ ドラフト会議」の最終候補生で、初期暫定センター。「Someday Somewhere」でもセンターを務める

4人目は、暫定初期メンバーでは最年少14歳の小澤愛実。当時13歳の大石夏摘に第12回放送で敗北した。

「今までアイドルのオーディションをたくさん受けて、書類すら受かったことがなかったんです。衣装を着てステージに立って、初期メンバーの7人と初めて『バンドワゴン』を歌ったときは、夢が叶ったみたいで本当に幸せでした。

ラストアイドルになれなかったことは悔しいんですけど、アイドルになるチャンスをもらえたのはこの番組のおかげです。負けてしまったからこそ悔しさを乗り越える強さとか、得たものもたくさんあると思っています。今は新しいグループ・シュークリームロケッツのことが大好きです。

もしもラストアイドルだったらできないような、ものすごくかわいい曲を今、歌えているんです。皆さんから認めてもらえるアイドルになれるよう、グループとしても私個人としても、一生懸命頑張ります!」

小澤愛実(おざわ・あいみ) 2003年4月9日生まれ、神奈川県出身。初期暫定メンバーの最年少メンバーとして。ラストアイドルファミリー最少人数の3人組「シュークリームロケッツ」としての活動を開始

■ラストアイドルになれなかったからこそ

番組は1月13日よりセカンドシーズンが開幕した。秋元康、小室哲哉、つんく♂、指原莉乃、織田哲郎という5人のプロデューサーが参戦し、ファーストシーズンで誕生した5つのユニットとタッグを組んで総当たり戦を実施。第1位を獲得したグループが、セカンドシングルの表題曲を歌うという。

4人は、ラストアイドルにはなれなかった。だが、正式メンバーとなった7人を押しのけ、ど真ん中のスポットライトを浴びるチャンスは今、彼女たちの手の中にある。

最後にもうひとつだけ、インタビュー中に4人全員が口にしていたある思いを、お伝えします。「ラストアイドルになれなかったから、今のメンバーと出会えた」。さぁ、本当の戦いはこれからだ!

(取材・文/吉田大助 撮影/武田敏将 細居幸次郎)

■ラストアイドル7人のインタビューは明日公開予定!