好きな京都の純喫茶にて

『週刊プレイボーイ』本誌で連載中の「ライクの森」――。

人気モデルの市川紗椰(さや)が、自身の特殊なマニアライフを綴るコラムだ。

今回は、京都をテーマにしたラジオの新番組をスタートした市川紗椰が、京都のオススメ情報を教えてくれた。

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いきなり告知で恐縮ですが、私の新しいラジオ番組が始まります! タイトルは『市川紗椰のKYOTO NOTE』。名前のとおり、私が京都の情報を発信していく番組です。ラジオのお仕事が好きなので、とてもうれしいです。頑張らないと。

制作は大阪のMBSラジオ。3月中に初回の収録をしてきたんですが、その時期に大阪に行けてよかったと思いました。というのも、大阪市の内外を走る府民の足だった大阪市営地下鉄が、4月1日をもって民営化され、「大阪市高速電気軌道」という会社に業務移譲されたからです。その直前に最後の市営の空気を味わうことができました。

ちなみに、新しくなった地下鉄の愛称は「大阪メトロ」。ロゴにも「Osaka Metro」という名前が使われていますし、一般的にはこの名前で呼ばれることになります。ただ、「東京メトロ」との違いをはっきりさせるためにも、この際「大(おお)トロ」と略してみませんか? こういうのは先に言ったもの勝ちなので、今のうちから大トロ、大トロと言っておいて、この呼び方をはやらせたいと思っています(笑)。

さて、民営化されたといっても、すぐに路線が廃止されるとか車両が置き換わるということはありません。だから、乗る分にはほとんど違いがないんですが、民営化されることによって今後は“駅ナカ”のお店の充実や、運賃値下げなどのうれしい改革があるかもしれません。

私が一番気になっていたのは、電車の発車や車両接近をお知らせするメロディ。路線や時間帯によって違うんですが、なかでも長堀鶴見緑地線は、「タタタ タタタ タタタ ああぁぁー」という人の声みたいなホラーな発車メロディと、大阪弁のイントネーションを意識した接近メロディが特徴的です。4月からも同じメロディが使われているようですが、ブランド力向上のために全線統一のものに置き換えられないかが心配です。

「市電カフェ」には、なんと電車のつり革の形をしたパンも

ここで、京都にまつわるラジオが始まるということで、私が知っている京都のオススメ情報をお話しします。

まず、京都は鉄道が充実しています。なんといっても、日本最大の鉄道博物館である「京都鉄道博物館」がありますし、世界文化遺産の天龍寺など多くの観光地を巡れる「嵐電(らんでん)」(京福電気鉄道嵐山本線および北野線)が走っています。

そして私が一番好きなのが「京津(けいしん)線」(京阪京津線)。この路線は、普通の地上の線路だけじゃなく、途中で地下や路面も走るんです。さらには、61パーミルという急勾配を上り下りするポイントもあり、乗り鉄するにはたまらない路線です。

また、なぜか鉄道を売りにしているパン屋さんも複数あります。「ぶんぶん」というお店では、いろいろな車両の“顔”(先頭部分)を模したパンが売られています。京都鉄博の程近くにある「市電カフェ」には、なんと電車のつり革の形をしたパンも。いずれも「なぜそんなものをパンに?」と疑問を持たざるをえませんが、深い鉄道愛を感じます。

他にも、京都のいろんな情報を発信していきたいので、京都が好きな方や京都に興味がある方は、ぜひメールを送ってください。

●市川紗椰(いちかわ・さや)1987年2月14日生まれ。アメリカ人と日本人のハーフで、4歳から14歳までアメリカで育つ。現在、モデルとして活動するほか、J-WAVE『TRUME TIME AND TIDE』(毎週土曜21時~)、MBS『市川紗椰のKYOTO NOTE』(毎週日曜17時10分~)などにレギュラー出演中。radikoのアプリを使うと全国で聴けます