元SKE48の矢方美紀が若年性乳がんを告白し、左乳房全摘出とリンパ節切除の手術を受けたことをブログで報告した。
現在は退院しているが、公式ブログには多くのファンから応援コメントが届いている。
タレントでエッセイストの小島慶子が、世間の気になる話題に思うあんなこと、こんなこと。
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若くてかわいい女のコががんになるなんて...そう同情しているあなたは、身近な人にも起こりうることだと知ってほしいです。
元SKE48のメンバーでタレントの矢方(やかた)美紀さんが、左乳房の全摘出とリンパ節切除の手術を受けたことをブログで明らかにしました。現在25歳。1月に乳がんであることが判明し、3月から活動を休止、治療に専念。すでに退院しており、4月半ばのラジオ番組の収録で仕事復帰されました。ファンへのメッセージでは「やりたいことがたくさんあります! 今までのように前向きに進んでいきます」と述べています。
20代や30代でがんになる人は少ないものの、誰も「自分だけは平気」とは言えないですよね。男性でも乳がんになる人はいますし。
専門家は、「女性は若いときから乳房の状態をチェックする習慣を」と言います。おかしいな?と思ったらすぐ受診して、早期発見につなげてほしいと。
乳がんの早期発見にはマンモグラフィ(乳房超音波検査)という検査がいいと聞いたことがあるかも。乳房を板で挟んで薄く伸ばし、放射線を当てて乳腺の撮影をする検査ですが、若い人は乳腺が密で写りにくいといわれています。それよりも、乳房に異常がないか自分でチェックする習慣をつけることが大事なのだとか。
私は20代で受けた人間ドックで、セルフチェックの方法を教えてもらいました。入浴中やお風呂上がりに腕を上げて、乳首からスタートしてぐるぐると円を描くように乳房を撫(な)でていきます。脇の下にもしこりがないか確かめて、腕を上げたときに引きつれたりへこんだりする部分がないかも確認。
女性は生理の前や生理中は女性ホルモンの影響で乳房の組織が張ったような感じになることがあります。生理が終わってから1週間ぐらいまでの間が、胸が柔らかくなっていてチェックしやすい時期。
私はセルフチェックの方法を説明された際、「いろいろなしこりの手触りを比べてみてください」と、模型に触れるように言われました。樹脂でできた上半身の模型に柔らかな乳房がついていて、中心から円を描きながら外に向かって指先を移動していくと、グリグリとしたしこりや、根を張ったように硬いしこりに触れました。そのときの生々しい手触りは今もはっきりと覚えています。
おっぱい=男のエロアイテムじゃなくて、女性にとっては命に関わる大切な体の一部。親しい女性にはぜひ、セルフチェックや検診を勧めてください。気になることがあればお医者さんに相談を。女性にとって体のことを一緒に考えてくれるパートナーほど、心強いものはありません!
●小島慶子(こじま・けいこ) タレント、エッセイスト。テレビ・ラジオ出演や執筆、講演とマルチに活動中。現在、日豪往復生活を送る。近著に『絶対☆女子』『るるらいらい 日豪往復出稼ぎ日記』(共に講談社)など。