『週刊プレイボーイ』本誌で連載中の「ライクの森」――。
人気モデルの市川紗椰(さや)が、自身の特殊なマニアライフを綴るコラムだ。
今回は、鉄道ファンの彼女が以前から乗りたかったという「津山線」の魅力について語ってくれた。
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先日、岡山県内を走る路線「津山線」を乗りに行きました。前々からずっと乗りたかった路線なんですが、ちょうどそっち方面での仕事があったので、気合いを入れて朝6時半に岡山に着く「寝台特急サンライズ」に乗り、現地入りしました。
現在、津山線では観光列車「ノスタルジー」も運行されているんですが、今回私が乗ったのはキハ120形300番台という車両。ディーゼルエンジンを使用しており、ドアも折り戸式なので、かなりバスっぽい雰囲気でした。2両編成の小さい列車なんですが、朝から割と混んでいて、沿線の方々の生活の足になっていることがよくわかりました。
さて、今回の訪問の目的のひとつが、「亀甲(かめのこう)駅」。当地にある亀の甲羅のような岩「亀甲岩」にちなんで、駅舎の屋根にも亀の頭がついてるんです(笑)。珍駅として有名だったんですが、実際に行くと写真では気づかなかったものも見つけました。なんと、その亀の頭の目の部分が、時計になってるんです…!
周囲には亀の置物があちこちに置かれているし、駅舎の中では亀も飼われています。といっても、透明なボックスの中にその辺で捕ってきたような亀が入れられているだけで、ぞんざいな感じだったんですけど(笑)。
と、ここは話の種にするくらいの気持ちで行ったんですが、本当のお目当ては津山駅のすぐ近くにある「津山まなびの鉄道館」。なんと、17本もの列車を収めることのできる扇形機関車庫があるんです。扇の中心に立って、ずらっと並ぶ列車の顔を見るのが楽しみだったんですが…。
なんと、私が行った日は臨時休業日。とても残念だったんですが、今でも現役で使われている車庫だけあって、ちゃんとここも記載された路線図を発見したりと、有意義な時間になりました。
津山駅前にも昭和10年製の蒸気機関車「C11-80号」が展示されていたりと、町自体がなかなか“鉄分”の濃い場所でした。扇形機関車庫を見下ろせそうな、“鉄道ビュー”のいいビジネスホテルも発見したので、今度来たときはぜひ泊まりたいと思います。
道の駅にあるZガンダムに“搭乗”できる
そして、もうひとつのお目当てが「久米(くめ)の里」という道の駅にあるZ(ゼータ)ガンダム(!)。これ、高さ7mの巨大な模型なんですが、なんと一般の方がたったひとりで作ったそうなんです。
サンライズの公認を受けているのかはわかりませんが、「あなたは道の駅久米の里を基地として地球と地域を衛(まも)る…」うんぬんと書かれた旧久米町長の謝辞も飾ってあったりして、町も応援していることがわかります。こんなカッコいいものが近所の広場にあるなんて、津山の子供たちがうらやましいです。
さらにすごいのが、このガンダム、胸のコックピットの部分に“搭乗”できるんです。年に1回、「仙人まつり」という地元のお祭りの日に合わせて試乗会が行なわれるそうです。次はぜひ、試乗会に合わせて訪れたいです。
ほかにも、B級グルメとしてそこそこ有名な「津山ホルモンうどん」も食べることができました。鉄道とガンダムと亀とB級グルメ……。私の好きなものが詰まっている津山線。GWの旅行先としていかがでしょうか?
●市川紗椰(いちかわ・さや) 1987年2月14日生まれ。アメリカ人と日本人のハーフで、4歳から14歳までアメリカで育つ。現在、モデルとして活動するほか、J‐WAVE『TRUME TIME AND TIDE』(毎週土曜21:00~)、MBSラジオ『市川紗椰のKYOTO NOTE』(毎週日曜17:10~)などにレギュラー出演中。津山駅に掲示されていた「食べ過ぎ、禁モツ。」というポスターに、自分と近いセンスを感じる