4回目の開催となった「週プレ怪談」。今回もチケットソールドアウト!

2017年6月に期間限定でオープンし、今月末の2019年5月31日に閉店することが決まっている東京・新宿の「週プレ酒場」。クローズ直前の5月19日、これまで数々のイベントが開催されてきたこの空間で、人気イベント『週プレ怪談・霊話(れいわ)』が開催された。

昨年8月にスタートしたこの『週プレ怪談』シリーズ。チケットが5分足らずで完売した第4回は、怪談師・村上ロック、怪談プロデューサー・住倉カオス、怪談に造詣が深い演出家&声優・浅沼晋太郎というレギュラーメンバー3名に加え、週プレ本誌でもおなじみのグラビアアイドル・"まりちゅう"こと長澤茉里奈が参戦。

今回は、多くの怪談ファンの"令和の怪談始め"となったこのイベントの模様をリポートする!

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まずはロック氏によるオープニング怪談からスタート。体験者の母親が、引っ越し先の天井裏である物を見つけてしまう、という内容だ。

怪談BAR「スリラーナイト」(新宿・歌舞伎町)で毎日のように怪談を行なうロック氏ですら、「できることなら話したくない」といういわくつきの怪談によって、会場はいきなり恐怖のどん底に。残念ながらここで内容を明らかにすることはできないが、天井裏で何かを見つけたら、スルーすることをオススメする。

オープニング怪談で盛り下がった(!)ところで、残りのメンバーである浅沼氏、カオス氏、まりちゅうも入場。

怪談にぞっと背筋を凍らされるだけでなく、出演者たちが酒を飲みながら織りなす軽快なトークも楽しめるのがこの『週プレ怪談』の醍醐味だ。出演者がそろい、乾杯を行なうや否や、浅沼氏が「(長澤さんは)ビールを飲んじゃいけない感じの見た目ですよね」と言えば、すかさずロック氏が「ビジュアルでいえば(学生服を着た)僕も完全にアウトですよ!!」と叫び、笑いを誘う。

イベントはその後、浅沼氏による、知人の元整体師が体験した実話怪談『マッサージ』へ。「死んだ常連客を霊とは気づかずに施術する整体師の話」を聞いた出演者たち。"触れることができる霊"の話題から転じて、「どうして霊は人を殺すときに凶器を使わないのか」「なぜ霊は皆"貞子"のような格好をしているのか」などの議論へ。

そろそろヤマンバギャルみたいな霊が出てきてもおかしくない」と浅沼氏が語るとおり、平成ファッションを身にまとった霊が現れる日も近いのかもしれない。ちなみに、「週プレ怪談」メンバーは"パレオをまとった霊を見たことがある人"を募集しているそうだ。

続いて、「週プレ怪談」の"写真&映像担当"であるカオス氏が、怪談ユニット「怪談図書館」全面協力のもと、ガチな心霊写真10枚を披露。「児童虐待を受けていた坊主頭の霊」や「その後の大怪我を暗示する大量の指」などの奇奇怪怪なものが写り込んだ写真が次々とスクリーンに映される。

しかし、写真のあまりのガチっぷりに下を向く観客が続出!「(心霊写真って)なんでこんなに脅かしてくるんですか!?」と、怒りながら悲鳴を上げるまりちゅう。カオス氏は「写真を提供してくれた怪談図書館さんもこの会場に来てるんですが、皆さんがここまで怖がってくれて、うれしくてたまらないと思います」とニンマリ。

小休憩を挟んで行なわれたのは、「ランダムに選ばれたお題に沿った"即興怪談"を披露する」という好評企画「フリースタイル怪談ジョン」。

この企画では、それまで聞き手にまわっていたまりちゅうも参戦。彼女は「お菓子」というお題にちなんで、沖縄で泥酔したときにホテルで体験した奇妙な出来事について語る。

私はその日、酔っ払って友達に電話したみたいで。友達に『部屋でみんなで飲みながらお菓子パーティーしてるの』って言うらしいんですけど、友達からすると"明らかにひとり"で。(私はそのあと)急に『あれ? みんな消えちゃったんだけど......』と言って寝ちゃったらしいんですけど、朝起きたらお菓子が大量に散らばっていて。私、酒飲みだから普段からお菓子買わないし、まったく記憶がないんですよね......」(長澤)

そう語るまりちゅうに対し、カオス氏は「さすが"あるちゅう"さん」とひと言。まりちゅうも即座に「あるちゅうじゃねーわ!(笑)」と、ハリセンボン・近藤春菜さながらの返しで笑いを取る。

その後も出演陣は「人形」や「テレビ」、「UFO」などの"ありそう"なお題だけでなく、「サーフボード」「就活」「合コン」といった難題もなんなく料理。また、MCを務めたライター・篠本634氏も出演者陣に混ざり、「おじいさん」というお題に沿って"いわくつき物件にひそむ身長2メートル超の老人"の怪談を披露。観客から悲鳴が上がった。

そして、迎えたラストの怪談は、オープニングを務めたロック氏による、東北の廃墟で見つけた"とある日本人形"の話。昔から「人形には霊が宿る」といわれているが、その魂が善きものではなく、悪しきものだったとしたら......。幾多の怪談コンテンツを手がけてきたカオス氏に「(今の怪談界で)1、2位クラス」とまで言わしめるロック氏の語りは、怪談イベントのクライマックスにふさわしい絶望の雰囲気を生み出した。

屈指の怪談好きたちが行なってきた『週プレ怪談』も、週プレ酒場のクローズにともない残念ながら最終回......と思いきや、イベントのフィナーレにはMC・篠本氏が「どこかで復活したら、来てくれるかな!?」と、次回公演の開催を示唆。

その後、浅沼氏は「幽霊も、サンタやネッシー、UFOのような枠に入れて、『いたら面白いよね』ってスタンスでいれば楽しめますよ」と、怖がりな人でも怪談を楽しむ方法を紹介。『週プレ怪談』が復活した際には、ぜひ、浅沼氏のアドバイスを胸に足を運んでみてほしい。

そして、この『週プレ怪談』がきっかけとなり親交を深めたロック氏&カオス氏は、なんと今年の「M−1グランプリ」出場に向けた漫才コンビ結成を発表(!)。おそらく披露するであろう"恐怖漫才(?)"も楽しみにしていよう。

長澤茉里奈ながさわ・まりな
1995年10月8日生まれ 埼玉県出身 身長152cm B82 W52 H83
6月22日公開の映画『スリーアウト!−プレイボール編−』に出演が決定している。また、5月20日より、麻雀スリアロチャンネル『まりちゅうの麻雀にはまりちゅう』にレギュラー出演中!

浅沼晋太郎あさぬま・しんたろう
作家、演出家、声優、コピーライターとして活躍中。怪談に造詣が深く、ホラー劇『ILL』を作・演出。声優としての代表作は『ZEGAPAIN』のソゴル・キョウや、『東京喰種』の西尾錦など

村上ロックむらかみ・ろっく
怪談師。新宿・歌舞伎町にある怪談BAR「スリラーナイト」にて日々、怪談ライブを行なう。最新DVD『怪奇蒐集者 黄泉がたり 国沢一誠&村上ロック』が好評発売中

住倉カオスすみくら・かおす
超常現象研究家であり猥談家、怪談プロデューサー。多くの怪談イベントを企画、運営する。男の墓場プロダクションの撮影監督。『住倉カオスの怪談 語ルシス』(Amazonプライムビデオ)が好評配信中