明日、7月14日(土)発売の週刊プレイボーイ31号は、"吉岡里帆祭り"! カラーページ以外でも、全16Pのボリュームで彼女のキャリアを振り返ります!!
今回、その中から本誌掲載インタビューの一部を先行してお届け。7月20日発売に発売する写真集『so long』の製作秘話を明かしてくれた。
■そのままの私が写っているはず
―9日間、総走行距離2603㎞という壮大な旅を記録した写真集『so long』。あらためて振り返っていかがですか?
吉岡 もう、どこを切り取っても楽しかったという思い出しかないです。心から信頼できる大好きなスタッフさんたちと、朝から晩までずっと一緒にいられて。こんなに幸せでいいのかな、って思った瞬間が何度もありました。
―一台のバスに乗って、約2600km。これはざっと北海道から沖縄本島まで、日本縦断に匹敵する距離です。その字面だけ見ると、率直にキツそうだなーって思ったのですが。
吉岡 確かに、普通に考えたら気温差が激しいとか、車中で12時間過ごしたりとか、体力的には大変に思えるんですけど、毎日全然違う景色で、すてきなことが次々起こって、本当に行けてよかったなって思います。
写真集をご覧になっていただけるとわかるんですけど、成田空港を出発したときの私の顔色が薄くて(笑)。
―直前まで連ドラ、映画の収録でかなり忙しい生活が続いていたんですよね。
吉岡 そうでしたね。仕事は楽しいけれど、この日は特にバタバタしていて血色がなくなっていました(笑)。でも現地に行ってどんどん顔色がよくなっていって、それがとてもリアルで。本当にオーストラリアという国に元気にしてもらったという感じがしました。
―それにしても、写真集の撮影って普通は1ヵ所に腰を落ち着けて、それこそハワイですとかヨーロッパですとか、リゾートみたいな所でのんびり撮ることも多いじゃないですか。そもそもどういう経緯でこのようなテーマになったのか教えてください。
吉岡 写真集は自分の名前で出すものなので、自分自身が一番そのままの自分でいられて、なおかつ見てくださった人にそばにいるように感じていただけるような、一緒に過ごしているような気持ちになってもらいたいという、そういう思いが前提としてありました。
―吉岡さん自身、企画段階から主体的に参加されたと伺っています。オーストラリアという国を選んだのは?
吉岡 まずは「自然がいっぱいで、景色がきれいな場所がいいな」って、漠然(ばくぜん)と思っていました。でも私にとってはどこに行くかより、誰と行くかが重要で。そこでカメラマンの蓮井さんが提案してくださったのがオーストラリアの縦断だったんです。国土の広さや街の温かな雰囲気、野生の動物が生息する未開拓の砂漠地帯が魅力的で、話を伺ううちにこの遠い国を旅してみたいと思いました。
―「吉岡里帆の旅」というテーマも、蓮井さんとの打ち合わせのなかで固まっていったんですか?
吉岡 はい。写真集を撮りに行くのではなくて、旅をしているありのままの姿を一冊にまとめる。それなら一番そのままの私が写っているはずだという結論になったんです。
―結果、「旅行」ではなく本当に「旅」という風情の道中になりました。
吉岡 2600kmって、ものすごい距離だと思うんですよね。普通なら躊躇(ちゅうちょ)してもおかしくないくらい。でも蓮井さんは「絶対に普通なら体験できない楽しい旅になる!」って背中を押してくださって。
―蓮井さんとは『吉岡里帆2017年カレンダー』(ハゴロモ)でタッグを組んだとき以来のお仕事でした。
吉岡 その初めての撮影で、この人の感覚がすごく好きだなと思えて。「自然体でいられる、無理してないな」って感じたんです。その人自身の持つ本質を切り抜いて、飾らないことを受け止めてくれる優しい方だと思っていたので。今回一緒に旅したいと思いました。
初めは、写真集だからしっかり作り込んだエンターテインメントな写真が入っていることが大事かなと思っていたんですけど、打ち合わせをしているうちにそのままの自分でいることが大事だって、より強く思えるようになって。衣装も等身大の、身につけて一番フィットするものを選んで、スタイリストのちばさんや皆さんと一緒に考えました。みんなのイメージがピタッと合う瞬間がたくさんあって、すごくうれしかった。
―今回は、メイクもかなりナチュラル寄りですよね。
吉岡 事前の打ち合わせのときからヘアメイクもこのテーマに合わせてナチュラルにしようと決めていたんです。実はスッピンで撮った日もありました。メイクをしない勇気を持つことはヘアメイクさんにとってすごく大変なことだと思うんですけど、今回のヘアメイクの渡邊さんは旅の中で試行錯誤してくださって。衣装もですが、みんなで話し合いながら、工夫しながら、まさに「もの作り」をしているような感覚でとても楽しかったです。
●週刊プレイボーイ31号『吉岡里帆と週刊プレイボーイの1501日間 Special Document』より