今年2月に施行されたパチンコ台規制(出玉能力が約3分の2に落ちた)で、青息吐息のパチンコ業界が、売り上げアップの起爆剤にと熱い視線を注ぐ新台がある。『CRジューシーハニー2』(サンセイアールアンドディ、7月23日からホール導入予定)だ。
この新台がターゲットにするのは、今や年間約3000万人、インバウンド消費は4兆4100億円(平成29年度)に迫りつつある外国人訪日客だ。パチンコ業界誌の編集長が説明する。
「訪日インバウンド客の半分以上は中国、台湾、香港など、中華圏からの来訪者。その中華圏で絶大な人気を誇っているのが日本のAVコンテンツです。『CRジューシーハニー2』には紗倉まな、明日花キララ、波多野結衣など、中華圏で人気の女優が26人も登場するとあって、爆買いならぬ"爆打ち"に大きな期待がかけられています」
パチンコ業界がインバウンド客の取り込みに動くのは、今に始まったことではない。店内に英語や中国語を話せるスタッフを常駐させたり、ゲーム方法を説明する多言語のパンフレットを置くなどは当然のこと、九州の一部ホールなどではフェリーで入港した外国人観光客相手に格安のパチンコ体験ツアーを売り込むケースもあった。
しかし、結果を見ればこれまではインバウンド客による"爆打ち"は起きていない。前出の業界誌編集長もこう証言する。
「たいていの外国人客は、物珍しそうに店内を見学するだけ。すぐに次の目的地へと移動してしまうことがほとんどでした」
こうした過去の挫折にもかかわらず、パチンコ業界が『CRジューシーハニー2』に注目するのは、これまでの台にはなかった強力な"インバウンド対応機能"が備わっているためだという。メーカー担当者がこう胸を張る。
「できるだけ多くの方に『CRジューシーハニー2』を楽しんでもらいたいと、ボタンを押すだけで液晶上に遊技方法や演出のセリフが中国語で表示される『中国語選択機能』を盛り込みました」
ちなみに、『CRジューシーハニー2』の中国語訳は『蜜汁女子2』。妙にナマナマしい!
また、訪日前のPR戦略も抜かりない。メーカー担当者が続ける。
「月10万部発行の訪日中国人向け情報誌『東方網 City Guide JAPAN』に『CRジューシーハニー2』の宣伝広告を大々的に打ち、上海浦東(シャンハイプードン)国際空港の日本便搭乗口で乗客に手配りすることになっています」
さらに、中国版YouTubeの「YOUKU(ヨウク)」で『蜜汁女子2』の遊技説明動画をアップ、中国版ツイッターの「微博(ウェイボー)」でも26人のセクシー女優陣による悩殺つぶやきを展開するなど、中華圏のファンに来場を力強く呼びかける手はずなのだという。
この夏、『蜜汁女子2』目当ての中国人客で日本のパチンコ店は"爆打ち御礼"となるだろうか?