ドラマ・映画・舞台と、飛ぶ鳥を落とす勢いで活躍する女優・吉岡里帆。現在、カンテレ・フジテレビ系で火曜21時から放送中のドラマ『健康で文化的な最低限度の生活』では主演を務めている。
今回は、そんな彼女の出演してきた作品を完全解説。出世作から知られざる傑作まで、作品情報と本人コメントでお送りします!! 2回にわたり配信してきた「ドラマ編(1・2)」に引き続き、今回は映画編です!
【映画】
◯2014年7月5日公開
『イルカ少女ダ、私ハ。』
主演・ルカ 役
エレクトロニカバンド「やまのいゆずる」の楽曲を背景に、イルカの脳を移植された少女の友情と戦いを幻想的に描いた作品。監督:タイム涼介
「私にとって初の『撮影のために東京へ行った』作品。商店街でのゲリラ撮影など、たった2日間の撮影でしたが刺激的で。東京ではマンガ喫茶に泊まり、深夜バスで京都に帰って、そのままアルバイトに行く日々でした」
◯2012年9月15日公開
『天地明察』
エキストラ(町娘 役)
本屋大賞を受賞した冲方丁の同名小説を実写化。日本独自の太陰暦を作り上げていく天文暦学者・渋川春海の半生を描く。監督:滝田洋二郎
「この作品のエキストラ出演がきっかけで、滝田洋二郎監督が私を見つけてくれました。たった数秒のシーンのために、たくさんの人と時間とエネルギーが注がれている事実に衝撃を受けたのを覚えています。そんなまるで夢のような空間にずっと身を置きたいと"役者への夢"が芽生えた作品」
◯2015年2月7日公開
『マンゴーと赤い車椅子』
外崎千尋 役
事故による脊髄損傷で歩けなくなった女性の奮闘と再生を描く。実在の女性看護師のリハビリ記録をもとに映画化。監督:仲倉重郎
「オーディションを受けていた時期はまだ今の事務所に入る前。いろんなオーディションを受けてみて、その結果を見て事務所に所属するかを決めるという大事なタイミングでした。この作品がきっかけで事務所に所属しました」
◯2015年2月28日公開
『幕が上がる』
村上 舞 役
劇作家・平田オリザが2012年に発表した初の小説を、人気アイドルグループ「ももいろクローバーZ」の主演で映画化。監督:本広克行 脚本:喜安浩平
「平田オリザさんのワークショップ自体がオーディションになっている面白い形式でした。難しいオーディションを勝ち抜いてもセリフはふたつ。その現実に打ちのめされて、共演のムロツヨシさんに『どうしたら皆さんのようになれるのでしょうか?』と相談したら、『吉岡はまだなんにもやってないんじゃない?』と。それが悔しかったし、やっているつもりになっていただけなのかもしれないと省みるきっかけに。自分ができることを探って、全力でやるというのを考えるようになりました」
◯2015年5月16日公開
『明烏 アケガラス』
ヒロイン・明子 役
『明烏』『品川心中』などの古典落語をベースに、借金まみれのホストと頼りにならない仲間たちの12時間を描いたコメディ。監督:福田雄一
「偶然、東京に来ているときに、当時のマネジャーさんが『福田雄一という面白い監督がいるから会ってみよう』という話に。オーディションに滑り込んで、即興でお芝居をして......もうガッツで乗り切った感覚。振り返れば初のヒロイン役でしたが、内容はギャグの応酬で成り立っている作品。やればやるほどおもしろくなくなっていくとダメ出しの連続で、ふがいなくて涙がこぼれました。『おまえはスタイルも顔も中途半端。だから気持ちでぶつかっていくしかない。がむしゃらに、むき出しで自分らしく行け!』と教えをいただきました」
◯2016年3月19日公開
『つむぐもの』
沢井涼香 役
要介護となった頑固な和紙職人と、勘違いで来日した韓国人ヘルパーが衝突を繰り返しながらも心を通わせていくヒューマンドラマ。監督:犬童一利 公式サイト【http://www.tsumugumono.com】
「共演した石倉三郎さんとは、今でもおじいちゃんと孫のような関係。『元気にやってるじゃねぇか!』だったり、時にはビシッと叱咤してくれたり変わらない愛情をぶつけてくださいます。同じようにキム・コッピちゃんからは『里帆は現場で何も言わなすぎる。もっと参加したほうがいい』と教えられました。発言することはその作品に責任を持つことでもあるからと。それまでは作品は監督だけのものと思っていて、たとえ意見があったとしても口にすることがなかったのですが、受け身なだけじゃなくて能動的に仕事をしていいんだと目からウロコが落ちたんです」
◆この続き「ドラマ編2」は、明日公開予定!!
●週刊プレイボーイ31号『吉岡里帆と週刊プレイボーイの1501日間 Special Document』より