ドラマ・映画・舞台と、飛ぶ鳥を落とす勢いで活躍する女優・吉岡里帆。現在、カンテレ・フジテレビ系で火曜21時から放送中のドラマ『健康で文化的な最低限度の生活』では主演を務めている。
今回は、そんな彼女の出演してきた作品を完全解説。出世作から知られざる傑作まで、作品情報と本人コメントでお送りします!! 最後は、「映画・舞台編」です!
【映画】
○2016年公開
『星を継ぐ者〈ディレクターズカット版〉/ Inherit The Stars: The Director's Cut』
主演・梨沙 役
極秘任務中の自衛官と特殊能力を持つために悲劇に巻き込まれる少女を描いたSF作品。神戸・六甲山で撮影された自主製作映画。監督:末長敬司
「18歳のときから2年間かけて、六甲山にこもって撮影した作品。季節が変わっていくさまをリアルに撮りたいとのことで、季節の変わり目を迎えると六甲に集合。必死に泥くさく撮ったインディーズらしい作品です。『もう、付き合いきれない』と撮影途中で去っていく人もいるなか、それでも信じて世界観を表現し続けた監督と出会い、インディーズの世界にこんなに熱を持った人がいると知った上で今の世界に入っていけたのは大きい出来事。海外の映画祭では賞を獲るなど、努力が実ったり、頑張っていれば報われる日が来るんだって思えた作品」
◯2016年11月5日公開
『ハッピーウエディング』
主演・相川愛子 役
熱血だけどドジばかりの新米ウエディングプランナーの奮闘を通して、ブライダル業界の舞台裏を描くハートフルコメディ。監督:片島章三
「当時は映画館での上映に至らなかったんですが、デビューして仕事が増えてきたタイミングで上映されることになった奇跡的な作品。『頑張ったらこうしてちゃんと日の目を見るんだ......』と満席の劇場を見たときは涙がこみ上げました。片島監督はずっと助監督としてやってきて、これは満を持しての長編初監督作品というのも思い出深いです」
◯2017年4月15日公開
『劇場版名探偵コナン から紅(くれない)の恋歌(ラブレター)』
枚本未来子 役(声優)
青山剛昌の人気コミック『名探偵コナン』の劇場版21作目。百人一首をキーワードに、大阪と京都を舞台とした物語が展開。監督:静野孔文 Blu-rayとDVD共に好評発売中!
「『なんで私に!?』といまだにわからないくらい、思いがけずご褒美をいただいたような作品。子供の頃からずっとマンガを愛読していて、オファーをいただいたときは夢みたいで。服部くんに『未来子ー!』と呼ばれるシーンがあって、鳥肌立ちました。服部くんが私を呼んでいる!!と(笑)。声優の皆さまが本当にすてきでしたし、コナンファミリーと共演できたことは一生の思い出です」
◯2017年8月4日公開
『STAR SAND-星砂物語-』
保坂志保 役
太平洋戦争下の沖縄のとある離島を舞台にした『星砂物語』を原作に、反戦への思いと未来への希望を力強く描く。『戦場のメリークリスマス』で助監督を務めたロジャー・パルバースが、自身の小説をもとに初監督した日豪合作映画。坂本龍一による主題曲も印象的。セル/レンタルDVDリリース中。発売・販売元:中央映画貿易
「監督のロジャー・パルバースさんは、日本が平和であるための活動を続けている方。ご本人はアメリカ生まれですが、ベトナム戦争への反発からオーストラリア国籍を取得されました。私は現代パートに出演して、過去と現代を結ぶ役割をいただきました。この作品は映画の見方やあり方を変えてくれた作品です。史実を残したり、主張したり......と、映画にはもっと広い役割があるんだって」
【舞台】
◯2013年9月20日~23日、伝舞企画
『Desperado Partyザ・ラストオーダー』
姫 役
京都大学西部講堂で公演された演劇。「伝舞企画」の第1回公演で、RPGの世界観の物語だった
「私がまだプロデビューする前、小劇場時代の舞台です。舞台装置を作ることに情熱を注いでいた同世代の学生たちと旗揚げ公演した小劇場作品。内容は『ドラゴンクエスト』をモチーフにしていて、私は怪物のお姫様の役をしていました。人間に触れると嘔吐してしまう特性があり、恋した相手(勇者)に触れると吐いてしまうので、当時ゲロインと言われていました(笑)。京都大学の西部講堂で公演ができたことがとても貴重な体験でうれしかったです。学生らしいユニークな設定と、面白い仲間たちと稽古して舞台装置を作って地元の人たちに見に来てもらう、まさに青春の1ページという感じがしました」
◯2016年12月2日~4日、大阪・サンケイホールブリーゼ/12月7日~27日、東京・シアタークリエ
『ナイスガイin ニューヨーク』
プレイボーイの兄と、まじめで内気な弟という正反対のふたりが騒動を巻き起こすニール・サイモン原作のコメディ。演出は福田雄一が担当
「福田雄一さんの演出で、『さぁどうだ、吉岡はちゃんと成長してるか!?』と呼んでくださった作品です。海外の戯曲で少しだけミュージカルっぽさもあり、私は歌がへたなミュージカル歌手希望の役でした。大きな舞台に立つことが初めてで、当初は怖さもあったけれど『明烏』から1年半ぶりの福田組で充実した時間が過ごせました。座組のみんながいい方ばかりで、笑いの多い2ヵ月でした。面白いことを届け続ける福田組がやっぱり好きだなあと思いました」
●週刊プレイボーイ31号『吉岡里帆と週刊プレイボーイの1501日間 Special Document』より