お披露目されたAudi e-tron Vision Gran Turisumo

8日、東京・秋葉原で、アウディジャパンがファンら1200人を招待し「Audi e-tron Vision Gran Turismo NIGHT IN TOKYO」を開催した。

イベントでは、レーシングゲーム『グランツーリスモSPORT』に登場する「Audi e-tron Vision Gran Turisumo」の実車を披露。

同車は、2013年から始まったプロジェクト「Vision Gran Turisumo」の一環で作られた世界で一台のクルマだ。ゲームの世界で生まれた架空のクルマが現実になったわけだ。

Audi e-tron Vision Gran Turisumoの内部。右写真はシートからの視界

これまでも同プロジェクトで実車は作られてきたが、走行可能なコンセプトカーとして製作されたのは今回が初。200kWを発揮する3基の電動モーターを搭載し、今月4日に行なわれた富士スピードウェイでのデモ走行では、観客らにその走りを見せつけた。

そんな同車が電気自動車特有の静かな駆動で登場するや、会場から大きな拍手。ゲームやアウディのファンたちは目を輝かせて、その希少な一台に見惚れていた。

会場にはAudi R8 Spyder V10 5.2 FSI quattroも

イベントには「グランツーリスモ」シリーズのプロデューサー・山内一典が登壇。挨拶ではプロジェクトのきっかけを話した。

「Vision Gran Turisumoを始めたのは、素敵なクルマが作られるきっかけを作れないかと考えたこと。もうひとつが『今でもクルマ作りを楽しんでいらっしゃいますか?』とメーカーの皆さまに向けたメッセージでもあります。

いざ始めてみると、単なるパートナーシップやコラボレーションという枠を越えて、プロジェクトそのものを楽しんでいただけて、『いやいや、まだ楽しんでいるよ』というメッセージが返ってきたと思っています」

ただ、その開発には「ゲームと実車のデザインを変えない」という"縛り"があるため、「Vision Gran Turisumo」ならではの苦労も。

「形が決まっているなかで、レースで走れるような技術をうまく組み合わせていくという、普通のクルマ作りとは全く逆のプロセスでとても苦心しました。

それでも、エンジニアたちの豊富な経験とカッコいいデザインがうまく融合して、そこに『何が何でも実現したい』という気持ちが組み合わさって、いいクルマができたと自負しております」(アウディ AG ドライビングエクスペリエンス/モータースポーツマーケティング統括のクラウス・デメル)

Audi e-tron Vision Gran Turisumoに乗った篠田。超高速走行に驚く様子が流されたまた、この日は富士スピードウェイで、日本人女性として初めて「Audi e-tron Vision Gran Turisumo」に同乗した篠田麻里子もトークショーに登壇。

スポーツカーの走りを体験し不安を感じながらも

「あの速度は今まで体感したことがない感覚。(運転したドライバ―の)ブノワ(・トレルイエ)選手が運転する真剣な姿にドキドキした。スピードをちょっと落としてくれて、しかもたまに『OK? OK?』って聞いてくださるんですよ。優しくてコロッといきそうでした(笑)」

と振り返った。

アウディの走りに魅了されたと語る篠田さらにイベント後の会見では、月の半分は自ら運転し、最近も山梨までドライブに出かけたことを告白。クルマのある生活を楽しんでいるそう。

「友人やメンバーも乗せたことあります。まだ(免許をとって)2年目なのでスピード出すのは怖い。でも免許取るときに褒められたくらい駐車は得意で、特にバックが得意です。今回スポーツカーに乗って『こんなにも楽しいんだ』とワクワクしました」

『グランツーリスモSPORT』の大会で入賞経験のある冨林勇佑、高橋拓也、マツキュー、おのくんが、現役ドライバー・富田竜一郎と対戦。白熱したバトルは冨林が優勝を飾った会場では山内や篠田のトークショー後も、Audi Team HitotsuyamaでSUPER GTに参戦する富田竜一郎選手とグランツーリスモの実力者・冨林勇佑らによるレースなども行なわれた。