血まみれになりながらも演じきった秋山ゆずき異例の大ヒットを飛ばす映画『カメラを止めるな!』。そのストーリーと構造が絶賛されるなか、週プレではヒロインを演じた秋山ゆずきに撮影裏話を聞いた。

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37分のワンカットは、想像以上に大変でした。私たちは代々木公園で自主練していて、何時間も叫んで走り回っていたんですよ。隣で優雅にワイン会をやっている人たちは、怪しんでいましたね......。

本番は計6回撮影したんですけど、4回目は完璧だったんです! でも終わって監督が「あっカメラのランプがついてない」って。途中から撮れてないとわかった瞬間、心が折れそうでした(笑)。

上映されている映像も本当のトラブルばかりで、上田監督が焦ってしていた動きを、監督役の濱津隆之さんがそのまま再現していたり。

ただ、現場の緊張感がすごかった分、皆が一致団結していました。ワンカットのシーンには出ない役者さんたちも現場に来て、準備をしてくれたり、スタッフも演者も関係なく動いていました。

撮影が終わって、誰もブームになるとは思ってもなかったし、最近も皆と「実感ないよね」って話してました。一番忙しかったのは、公開前のビラ配りだったので(笑)。

私にとって上田監督は"映像のお父さん"なんです。7年前に出会ったときから何事も全力投球で、「一生青春」というポリシーでした。『カメ止め』はそれが伝染して、私たちにとっても青春が詰まった作品になりました。

●週刊プレイボーイ31号『監督、プロデューサー、出演者が証言 だから、『カメラを止めるな!』はヒットした!!』より

■秋山ゆずき(あきやま・ゆずき)
1993年4月14日生まれ 埼玉県出身
2010年に女優デビュー。今年、17LiveとASOBISYSTEMがプロデュースするアイドルユニット「EVERYDAYS」のメンバーに