来年も名古屋への遠征が楽しみです!

『週刊プレイボーイ』で連載中の「ライクの森」。人気モデルの市川紗椰(さや)が、自身の特殊なマニアライフを綴るコラムだ。今回は"スー女"である彼女が、7月の名古屋場所でNHKの相撲中継に出演した体験を語る

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少し時間がたってしまいましたが、7月に行なわれた名古屋場所を振り返りたいと思います。

今回、私はNHKの相撲中継に出演する機会をいただきました。三段目から十両までの取組のゲストをさせていただいたんですが......いつも「中はどうなってるんだろう?」と気になっていた中継室に足を踏み入れ、気分は潜入取材のようでした(笑)。

中継室はもちろん、花道のインタビュースペースやアナウンサーさんと制作スタッフたちの控室など、いろんな所を見られました。いつもは中継、インタビュー、ラジオと別々の場所で活躍されているNHKのアナウンサー陣が勢ぞろいしている様子には、「実況アベンジャーズだ!」と興奮させられました。

私がずっと気になっていた疑問の答えも出ました。テレビで中継を見ていると、珍しい決まり手などがあったときにアナウンサーが「今のは◯年◯月場所以来の決まり手です」と瞬時に話しますよね。もしかして、手元にデータが出る仕組みがあるのかな、などと不思議に思っていたんです。でも違いました。

アナウンサーの方々は、ひとりひとり自分のノートを持っていて、そこに記事や資料を貼っていたりするんです。そして取組が終わった瞬間、そのノートの情報を元に話すんです。なんていうスゴワザ! 私はそんなアナウンサー陣の姿を見ながら、控室でお弁当を渡され、ひとり居残り給食のような気分で食べていました(笑)。

さて、名古屋場所の内容ですが、初日から休場した稀勢の里をはじめ、白鵬、鶴竜、栃ノ心らが次々と途中休場していきましたね。これだけ上位陣がいなくなると、盛り上がりに欠けるのかと思いきや......連日ものすごく面白い取組が続く場所でした。

三役に昇進してから2桁勝利がなかった御嶽海(みたけうみ)も、今場所は連日力強い相撲で魅せてくれました。なかでも、千秋楽の豊山(ゆたかやま)との対戦は見応えがありましたね。

立ち合いでは御嶽海が一気に攻めたんですが、土俵際で豊山がなんとか残して逆転勝利。すでに御嶽海の優勝は決まっていましたが、意地と意地がぶつかり合ういい取組でした。

一方、結びの一番の豪栄道と髙安の大関対決は、激しいぶつかり合いもなくあっけなく終わってしまい......豊山らの取組とは対照的でした。

今場所に関しては、上位陣がいなかったことから、御嶽海の優勝も大して価値がないという人もいます。ただ、若手の台頭が著しいといわれてきたここ1年半ほどの角界で、形として結果が出た重要な場所だったんじゃないかなと思います。

今回、三賞を獲(と)った御嶽海、豊山、朝乃山という伸び盛りの力士たちは、来場所に真価を問われることになると思うので、頑張ってほしいですね。

ちなみに、今場所の大相撲中継を見ていて思わずハッとした瞬間は、千秋楽の最後に流れる振り返りVTR。その場所の印象的なシーンをまとめた1分半ほどの映像で、いつも楽しみにしているんですが、今回は稀勢の里から始まって休場していった上位陣が次々とモノクロに変わるという斬新な演出が......。VTRを作っている人も、世代交代しているんでしょうか(笑)。

●市川紗椰(いちかわ・さや)
1987年2月14日生まれ。アメリカ人と日本人のハーフで、4歳から14歳までアメリカで育つ。現在、モデルとして活動するほか、J-WAVE『TRUME TIME AND TIDE』(毎週土曜21:00~)、MBSラジオ『市川紗椰のKYOTO NOTE』(毎週日曜17:10~)などにレギュラー出演中。行事の式守伊之助さんも番付から消え、結果的にこちらも世代交代......?

『市川紗椰のライクの森』は毎週金曜日更新!

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