他人の自慢げな投稿を読み続けると、うつにつながりやすいという研究もあるようです

女優の石田ゆり子が"SNS疲れ"を示唆するようなコメントを自身のインスタグラムに投稿し、話題に。彼女のインスタは一昨年開設されるや否や瞬く間にフォロワー数を増やし、現在は160万を超えている――。

タレントでエッセイストの小島慶子が、世間の気になる話題に思うあんなこと、こんなこと。

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石田ゆり子さんがインスタグラムに「SNSというものの良さも悪さもひしひしと感じます」と投稿。寄せられる心ないコメントに疲れてしまったようです。

インスタといえば、彼氏とのラブラブ投稿に批判が集まった剛力彩芽さんが過去の投稿を削除して話題になったばかり。すでに宮沢りえさん、華原朋美さん、真木よう子さんらが、SNSを離れています。

芸能人に限らず、みんなそろそろSNSにお疲れなんじゃないでしょうか。他人の自慢げな投稿を読み続けると、うつにつながりやすいという研究もあるようです。私も時々、ポジティブすぎる会食報告なんかを読んでいてげんなりすることがありますもん。疲れているときにその手の投稿を読むと、エネルギーを吸い取られる気がします。

熱心な人は複数のアカウントを持って、LINEにTwitterにFacebookにとパトロールしては、いいねを押したり即レスしたり。友達が加工しまくってアップした写真に「また人脈自慢かよ!」って言ってやりたいのをのみ込んでハートマークをつけたりしなくちゃなりません。

石川啄木の「友がみなわれよりえらく見ゆる日よ」という句があるけど、疲れたら花でも買ってきて、家族とのんびり過ごしてくださいね。

たぶん芸能人の投稿へのコメントは、そうやって普段SNSでため込んだストレスの発散に使われているんじゃないかと思います。職場の同僚の投稿を見て胸に湧き上がった黒い気持ちを有名人にぶつければ、日常生活に支障を来すことなく毒が吐けますもんね。身近な人にやったらいじめになっちゃうけど、芸能人はそういう仕事なんだから慣れてるでしょ、なんて。

もちろん自宅のテレビの前では、タレントの噂話や悪口の言いたい放題で構わない。それで家族と盛り上がることもあるし、憂さ晴らしができるなら何よりです。だけど、今はそれがネットで本人に届いちゃう。単なるストレス発散ではなく、攻撃になっちゃうんです。

芸能人も人間ですからね。石田さんはまじめにコメントを読んで、疲れてしまったんでしょう。相手をちゃんと人間だと思って読んでいるから、傷つくんだと思います。

今や逆手に取って"炎上上等"でうまく商売につなげているタレントもたくさんいるなか、コメントに疲れてSNSを閉じてしまうのは芸能人として不器用に見えるかもしれないけれど、人と丁寧に向き合っている証拠とも言えるんじゃないかな。

それにしてもこの"エブリデイSNS祭り"はいつまで続くんでしょうか。もうそろそろみんな落ち着こうよ。10年後ぐらいには、昔はやたらいろんなSNSやってたよねえ、どうかしてたね、なんて笑えるようになっていてほしいものです。

●小島慶子(こじま・けいこ)
タレント、エッセイスト。テレビ・ラジオ出演や執筆、講演とマルチに活動中。現在、日豪往復生活を送る。近著に『絶対☆女子』『るるらいらい 日豪往復出稼ぎ日記』(共に講談社)など

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