ヒロインを務めた映画『純平、考え直せ』で、髪をバッサリと切り、過激なシーンも演じるなど、女優魂を見せつけた柳ゆり菜

そんな彼女が週刊プレイボーイ41号(9月22日[土]発売)に表紙&巻頭グラビアで登場。インタビューでは、"清純派脱却宣言"の真意を語ってくれた。

■最初は丸坊主の予定だった?

――公開中の映画『純平、考え直せ』では、野村周平さん演じるチンピラの純平と偶然出会い、一夜を共にするヒロイン・加奈を熱演。これまでにはない柳ゆり菜を表現する作品になったね。

 私のイメージなのか、今まではかわいらしいコとか、ちょっと気の強いお嬢さまみたいな役をいただくことが多かったです。だから今回の加奈のような女性の役をいただくのは新鮮だったし「こんな役を私にくれるんだ」って、すごくうれしかったですね。最初に本を読んだとき、迷わず「やらせてもらいたい!」って思って。

――劇中では髪をバッサリとショートにしたり、かなり過激なシーンもあるけど、出演を躊躇(ちゅうちょ)することはなかった?

 ほかの作品だったら悩んでいたかもしれないけど、この作品ではすべてが必要な要素だし、私としては全然悩みませんでした。髪なんて最初は丸坊主の予定だったんですよ(笑)。

――そういうのって例えばご両親に相談したりするの?

 相談という感じじゃないですけど、お母さんに「私、今度坊主にするかも」って話はしました。そしたら「えー、似合うかなー? あ、パパみたいになるの(笑)」みたいな感じで。「東京に送り出した時点で、ゆり菜にすべて任せてる。こっちはゆり菜がやることを全力で応援するだけだから」って言ってくれて、ありがたいなって思いました。言うときはちょっと緊張したんですけどね。

――いいお母さんだね。髪の毛のこともそうだけど、肌を見せるシーンもけっこうな覚悟が必要だったと思うんだけど。

 周りからは「がんばったね」ってよく言われるんですが、私としては普段のお仕事の延長線上というか......何かすごく特別なことをやったという感覚はないです。もちろん、がんばってないってことじゃないですよ(笑)。でも、このお仕事をやらせてもらっている以上、普通のことというか。最初から生半可な覚悟ではやっていないですし。

――さすが男前! その話題のシーンの撮影はどんな雰囲気だったの?

 ホテルの一室で、スタッフも最少人数だったんですけど、最初はすごく緊張しました。

――演技は細かいところまで決まっているの? それとも流れのなかである程度役者に委ねられているの?

 もちろん、リハーサル的なものはありますし、ある程度の大きな流れは決まっています。

――あれは男性が見ても女性が見てもグッとくるシーンだと思ったよ。

 3日間でやっと純平と加奈の心が通じ合う、ふたりにとっては思い出のシーンなので「とにかくきれいに撮ってもらいたいね」ということを野村さんとはずっと話していました。

■キラキラヒロインより人間くさい女優になりたい

――おそらく今作では「柳ゆり菜が脱いだぞ!」という騒がれ方も一部ではあると思うのだけど、それに関しては率直にどう思う?

 そうですね......日本だと脱ぐということに関してネガティブなイメージがあるというか、いろいろと言われるじゃないですか。それってすごくもったいないなって思うんです。本物の作品を作るためには必要なことだし、何より普通の生活の中にあるシーンだと思っているので。不自然に隠してしまうと、演出として違和感が出ると思うんです。

――海外の作品では何も騒がれないのにね。

 そうですよね。でも、仮にそういうのが目当てでもいいから、映画を見に来てほしいなって思います。きっかけはなんでもいいんです。この映画を見てもらえたら、きっと純平と加奈のことを好きになってもらえると思うので。

――今回の映画でゆり菜ちゃんが一番伝えたいことは?

 誰でも時間には限りがあって、だから今を大切に生きないと......っていう感覚って、ちょっと薄くなってきている感じがするんです。映画の中で加奈はその瞬間瞬間を生きている純平に、生きることとは何かを教わっていく。たぶん彼女はその後、すごくいい人生を歩んでいけると思うんです。この映画を見てくれた人には、加奈と同じような気持ちになってもらえるとうれしいです。

――今作は女優・柳ゆり菜が清純派から脱皮した作品にも思えるのだけど、自分的にはどう感じてる?

 今までは映画でもきれいなものを求められることが多かったんですが、自分としてはそういうのじゃなくて、もっと人間くさい女優になりたいって思ってたんです。だから今作で監督さんから「すごくきれいじゃないほうがいい」って言われたのはすごくうれしかったですね。

――キラキラヒロインでなく、個性派女優ってこと?

 キラキラヒロインはできないので、もう諦めてます(笑)。私としてはきれいなものより、転がった石とかのほうが魅力を感じるんですよね。花壇で美しく咲いている花よりも、なんでこの石はここに転がっているんだろう?ってほうが楽しいじゃないですか(笑)。だから、そういう感じの女優さんになりたいですね。

――最後に読者にメッセージをお願いします。

 ちょうどこの週プレ(の発売日)と同じ日に映画も公開なので、皆さまの時間を柳ゆり菜にいただけるとうれしいです!

●柳ゆり菜(やなぎ・ゆりな)
1994年4月19日生まれ大阪府出身 血液型=A型 身長165㎝ B83 W59 H87 山本漢方製薬「大麦若葉」のCMに出演中。公開中の出演映画『純平、考え直せ』が第42回モントリオール世界映画祭に出品。出演映画『ここは退屈迎えに来て』が10月19日(金)より公開予定。公式Twitter【@Yngyrn0419】公式Instagram【@yurinayanagi_】