『牛乳を注ぐ女』の実物を初めて目にした石原さとみ

女優の石原さとみが4日、東京・上野の森美術館で、自身がナビゲーターを務める「フェルメール展」のオープニング記者発表会に出席した。

"光の魔術師"と称される、オランダの画家、ヨハネス・フェルメール(1632~1675)。現存するフェルメール作品はわずか35点前後と言われるなか、この展示会では日本初公開の3点を含む9点が公開(『赤い帽子の女』は12月20日まで、『取り持ち女』は来年1月9日から)。日本美術展史上最大とあって「こんな機会はめったにない、二度とないかもしれない」規模だ。

実物の『牛乳を注ぐ女』を前に石原は、「一番初めはこういう大きさなんだ、とビックリしました」と、思っていたよりも小さかったサイズに驚き。

じっくり眺め「フェルメールって青とか黄色が特徴的だと思っていて、好きなんですけど、白色が特徴的なんだって本物を見て気がつきました。少しグレーが入ると、こんなにも浮き出て立体的に見える。フェルメールが描くと白色ってこうなるんだって」と、"光の魔術師"フェルメールの色彩描写に感激した。

今回、石原は音声ガイドも担当。書籍などでフェルメールについて学び、音声ガイドもセリフなどの制作から携わったが、実際の収録では「自分でも驚くくらい緊張」したことを告白。

「緊張感や硬さとか正確さとか、声から伝わる誠実さを伝えたいと思っていたんですけど、休憩時間に『自分らしさを出してもらえたら、それがいい』って言ってくださって、『フェルメールに感じる暖かさや優しさを大事にしたらよかったんだな』と思って、最初からやり直しました」

さらに音声ガイドのボーナストラックには「フェルメールに対して自分がどう思うのか、自分の言葉を入れさせてもらった」そう。

溢(あふ)れるほどの思い入れからか、作品が展示された『フェルメールルーム』に入る前など「途中でボーナストラックを聞いて、気持ちを高揚してもらえたら」と聞くタイミングも伝授した。

風俗画の巨匠として、一般市民の日常生活を描いてきたフェルメール。石原は、もしモデルになれるならどんな場面を描いてほしいか聞かれると、

「このあいだドラマ収録で台本を覚えるときの集中力がすごいねって言われたので、家の中で台本を覚えている集中力が極限の自分を描いてほしいです。どんな顔しているんだろうとか(笑)。どうなんでしょうね、そんな自分は見たことないので見てみたいですね」

と笑いながら回答した。

暖かさや柔らかさだけでなく「強さを感じられる」というフェルメール作品。上野の森美術館で開催される東京展は10月5日(金)から来年2月3日(日)まで。大阪市立美術館での大阪展は、来年2月16日(土)から5月12日(日)に開催予定。