昨年、3代目J Soul Brothersの山下健二郎が初主演を務めて話題になった配信ドラマ『Love or Not』の続編『Love or Not 2』が本日、10月5日からdTVとFODで同時配信された。
この作品は不器用で鈍感、そして仕事も出来ないダメ男の宇佐美幸助(山下健二郎)が、彼女に振られたところから、彼女を取り戻すべく奮闘する姿を描いた「逆転ラブコメディ」だ。
このドラマで、彼女であるヒロイン「広澤真子」をキュートに演じるのが、本仮屋ユイカさん。10歳でデビューし芸歴はついに20年を迎えた本仮屋さんに、笑いあり涙ありの作品への思い入れから、プライベートで大事にしたいことまで、いろいろ語ってもらった!
■「真子」はツンツンだけど私はデレデレ
――『Love or Not 2』の制作が決まったときの心境は?
本仮屋 ものすごくうれしかったです! パート1を撮っているときからすごくイイものができたねっていう手応えがあったし、主演の(山下)健二郎さんはじめキャストもスタッフも強い思い入れを持っていて「2もやりたいね」って言っていたので。それがちゃんとみなさんに届いて愛してもらえて、パート2に繋がったことが、すごく幸せだなって思いました。
――パート1のときからキャストやスタッフは仲が良かったんですか?
本仮屋 はい、すごくいいチームワークで、とくに健二郎さんが率先してみんなのムードづくりをしてくれていたんです。「みんなでご飯に行こうよ」って、それもノリだけじゃなくて本当にみんなのスケジュールを合わせて予約まで取ってくれて。そんなチームだったので。
――パート2で久しぶりに「広澤真子」を演じてみていかがですか?
本仮屋 時間は空いていますけど、真子というキャラクターは自分の中にずっと生き続けていて。その時間の積み重ねって大きくて、撮影に入ってもすぐに戻れたし、台本を読んでいたときは想像しなかった気持ちが現場では湧いてきたりしたんです。わざわざ気持ちを呼び起こさなくても、自然にそうなったところが大きかったかな。
――役柄には入り込むタイプですか?
本仮屋 そうだと思いますね。本仮屋ユイカという器を全部、役に空け渡すっていう感じ。それをしないと演技がしづらいタイプだと思います。今回も、台本に書いてあることを理解するだけでなく、自分のすべてを真子に塗り替える作業でした。
■本仮屋ユイカの「ダメ男」の定義とは?
――主人公の宇佐美幸助は「不器用で鈍感で何をやってもダメ」という設定のダメ男ですが、そこに惹かれる真子の気持ちは理解できますか?
本仮屋 そもそもダメ男だとは思ってないんですよ。だって家事ができて友達もいて、ちゃんと働いて一人暮らしをしていて「どこがダメ男?」って感じです。ちょっと寝坊や遅刻が多いとか、ちょっと鈍感だとかはありますけど、私の中で「ダメ」には入ってないです。
――許容範囲内だと。では「こういう人はダメ」っていうダメ男の定義はありますか?
本仮屋 働いてない人!
――即答ですね(笑)。
本仮屋 はい(笑)。ただ、「働く」って言うのが分かりやすい定義ではありますけど、働いてなくても、家事をしているとか畑仕事を手伝っているとか、何か貢献している気概がある人は素敵だと思います。あとは家族を大事にしている人です。
――ほかにもNGってありますか?
本仮屋 そうですね...、「お前」って言われるとビックリしちゃいます。男兄弟がいないので、たとえ愛情表現でもそういう言葉遣いはちょっと怖いです。
――あと、たとえばですけどLINEの返信が遅い人はイヤだとかは?
本仮屋 うーん......やだけど、まあ生きてればいいかな。既読が付いたら生きてるってことだから(笑)。
――寛容ですね! では、逆にキュンとくるシチュエーションやしぐさとかはありますか?
本仮屋 スーツです(キッパリ)。
――スーツさえ着ていたらいい!?
本仮屋 はい、スーツ着てたらいいんです(笑)! ドラマの現場はみなさんラフな格好でいらっしゃるので、あまりスーツ姿の方はいないんです。でも制作発表などでみなさんがビシッとスーツでいらっしゃると「おお~、カッコイイ!」って。スーツ自体も好きですし、男性の襟付きのシャツも好きですね。
――ちょっとフォーマルな格好がお好きなんですね。
本仮屋 だからドラマの最初のシーンで、幸助が花束と思い出のウサギのぬいぐるみを用意していて、しかもスーツ姿っていうのは、最高のシチュエーションですね。オール100点です!
■自分のいいところも悪いところもOKになった
――昨年30歳を迎え、オトナの女性として心境の変化があったのでは?
本仮屋 ありましたね。直前の20代後半で、空前の自分探しを始めたんです......。
――「自分探し」とは?
本仮屋 ひたすらネガティブだったし、いろんな人に会いに行きました。その中では占いとか催眠術も行ったし、ちょっとスピリチュアルな方向にも行ってましたね(笑)。漠然と「私はこのままでいいんだろうか?」ってぐるぐる悩んでいた時期でした。でも今はその時期を終えて「ああ、やっぱりこのままでいいんだな」って、自分のいいところも悪いところもOKって思えるようになったので、すごく自由になりました。
――自分を受け入れられたと。
本仮屋 やっぱり30というオトナだからこそ、周りの方もより尊重してくださるようになったし、今はすごく生きやすいです。仕事もとっても楽しいし、「30歳って楽しいよ」っていろんな先輩が言っていた意味が分かりましたね。あとは、1個ずつの仕事が後押ししてくれた感じです。
――このドラマもそのひとつ?
本仮屋 そうですね。このドラマは自分の中ですごく自信になりました。自分とも役とも言い切れない感じで、「どうしてこの感情が生まれたんだろう?」って説明ができないような、真子しか言えないんじゃないかっていう気持ちに動かされたりする瞬間とかがあったんです。
女優として演じるにあたって、すごく濃い時間を過ごさせてもらいましたし、それを撮り切れて素晴らしい作品に仕上がっているということもまた、自信に繋がりました。
■10歳でデビューして芸歴は20歳に!
――10歳でデビューされ、芸歴としては20歳を迎えました! 芸歴20歳の心境は?
本仮屋 よく続いたなって(笑)! 続けられる環境を与えてもらえたことってホントにラッキーだと思いますし、今やっと「演じる」というスタートラインに立った感じです。小さいときも若いときも、ぜんぜん力は足りてないのにありがたい環境ばかりもらっちゃって、自分がそこまでできてないっていう葛藤がすごく強かったんですよ。もっとこうしたい、もっとこうなりたいのに、そこに追いつけない時間が長かったんです。
――自分に厳しい!
本仮屋 そんなことはないんですけど(笑)。でもそうしてきたからこそ、できることも増えていった時間だったかもしれない。一通りやれること、やれないことが分かった20年。今は、やれないことに対してはもう「ごめんなさい、できません」だし、やれることは楽しんでいこうっていう、そんな「第二幕」って感じです。
――少し前までは悩んでいたとは思えない前向きなオーラが伝わります!
本仮屋 ニュートラルが本当になくて、すっごいポジティブか、すっごいネガティブかしかないんですよ(笑)。でもそれもタチなんだなって諦められるようになりました......。
――それも含めて受け入れられるようになったと。ちなみに芸歴20年でも緊張はします?
本仮屋 めっちゃしますよ! 今でも初日の前日は「台詞言えるかな......」「仲良くできるかな......」って思いますし、バラエティの前も「失敗して変なこと言っちゃったらどうしよう」ってすごく心配になります。
だから、テーマを決めてるんですよ。「今日はこれだけは言おう」とか「とことん笑って帰ろう」とか「自分の作品を愛を持って伝えよう」とか、1個だけテーマを決めてやるようにしてます。
――芸歴20年でも緊張されるとは意外です! さて、今後めざしている女優像はありますか?
本仮屋 「この人が出てくると、何か楽しいことあるよね」って、見る人に信頼してもらえる女優。たとえば樹木希林さんが出ていると「絶対この映画、面白そう!」って思うし、それって信頼じゃないですか。そういうふうになっていけたらなって思います。
――今後もずっと女優として?
本仮屋 女優としても何でもチャレンジしていきたいって思いますし、私は「自分」として喋っている時間も欲しくて、情報番組とかバラエティとかナレーターとか、本仮屋ユイカとしてもずっと表現をしていたいんです。その2本の柱を両立してやっていきたいと思います。
●本仮屋ユイカ(もとかりや・ゆいか)
1987年9月8日生まれ。東京都出身。10歳で芸能界デビューし、2005年、NHK朝の連続テレビ小説『ファイト』でヒロインを演じ、お茶の間の人気者に。TBSの情報番組『王様のブランチ』は3年半メインキャスターを務めるなど、ドラマからバラエティまで幅広く活躍する実力派女優。