"ホリエモン"こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏による『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」。

今回のテーマは動画配信サービス「ネットフリックス」の値上げ。前編では、便利な動画配信サービスが人気となる昨今、「世の中にはいまだにレンタルDVDで見ている人がいる」ことに首をかしげる両氏。「ネットフリックスじゃないと見られない作品も増えてる。莫大(ばくだい)な予算をかけているから世界中で大人気」と利点を語った。

* * *

ひろ んで、あんまり知られてないんですけど、ネットフリックスって世界中どこの国でアカウントを作っても世界共通で使えるんですよ。例えばフランスで加入しても、日本で見ると日本向けのコンテンツが並んでいたりします。

ホリ ネットフリックスの月額料金って、国や地域によって違うよね?

ひろ ええ。ってことで、そのへんをよくわかっているネットフリックスユーザーは、世界で一番安い国で加入して、自国で見るってことをやったりするんです。まあ、日本って世界でもけっこう安い国だったんですけどね、今回値上げするまでは。

ホリ 確かベーシックプランは650円から800円、スタンダードプランは950円から1200円、プレミアムプランは1450円から1800円(すべて税別)に変更するらしい。

ひろ 日本のネットフリックスは弱気の値段設定でユーザーを広げる戦略を取ってきましたけど、ある程度、手堅いことがわかって値上げしたんでしょうね。

ホリ それだけユーザーが増えているってことだよね。

ひろ 800円でも先進国の中ではまだ安いほうなので、いずれは900円台までいくんじゃないかなぁと思っていたりします。現状、ヨーロッパが950円ぐらいで、アメリカは880円ぐらいですね。

ホリ 多くの人は認めたがらないけど、日本ってデフレが進んでいて、すでにアジアの中でも物価が安い国になっているよね。

ひろ それでモノを買うときも海外じゃなくて日本で買うようになっちゃいましたよ。昔は安いからって海外で買ってたんですけど。

ホリ だから、インバウンドでアジアから日本にたくさん来るわけ。彼らは、安くて品質やサービスがいいと思って来ている。日本人は「おもてなし」とか「メイドインジャパン」とかいうけど、実は認識がちょっと違う。

ひろ 電化製品から服、食べ物まで、日本って安いですよね。東南アジアで150円でラーメンが食えるといっても安かろう悪かろうの屋台ですけど、日本だと「はなまるうどん」に行けば、かけうどんが130円とかで提供されている。空調の効いた店内で、キレイなテーブルに座れておいしいうどんが130円ですよ。

ホリ だから、値上げに対して過剰に反応する。今回のネットフリックスの値上げも大ブーイングだって話じゃん。

ひろ 人気が出れば値上げするのは当然で、例えば、香港で庶民派としてやっていたレストランがミシュランの星を獲ったりするとガンガン値段を上げてきたりしますよね。

ホリ うん。そういうエゲツなさが日本から消えてしまった。

ひろ んで、安いままでやっているから、続かなくて潰れるみたいな話も聞きますし。......ってことで、『カメラを止めるな!』やネットフリックスの話だったのが、いつものようにずいぶん暗い話題になってしまいましたね(笑)。

ホリ だね(笑)。

●堀江貴文(ほりえ・たかふみ)
1972年10月29日生まれ、福岡県出身。SNS株式会社オーナー兼従業員。『これからを稼ごう 仮想通貨と未来のお金の話』(徳間書店)が発売中

●西村博之(にしむら・ひろゆき)
1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。近著は『働き方 完全無双』(大和書房)