秋に怪談? それって変?? いやいや、江戸時代は秋の夜長に怪談を語るのが当たり前だった説もある! ってことで、この夏の猛暑を吹き飛ばした伝説のイベント『週プレ怪談』が、怪談フリークたちの期待に応えるべく戻ってきた。

出演者は夏に引き続き、怪談師・村上ロック(メイン写真右からふたり目)、作家・演出家・声優とマルチに活躍する浅沼晋太郎(同右)と、不思議な出来事に見舞われることが多いグラドル・和地つかさ(同左からふたり目)だ。リピーター多数、チケットは満員御礼完売で熱気と霊気(!?)が交差する『週プレ怪談・晩秋』をレポート!

***

11月23日、勤労感謝の日の昼下がりにも関わらず、新宿・歌舞伎町の「週プレ酒場」は満員御礼! MCのライター・篠本634氏の朴訥(ぼくとつ)なトークではじまった『週プレ怪談・晩秋』。

全員が自分、もしくは他人から収集した"実話"の怪談を語るイベントの口火を切ったのは、怪談師・村上ロック氏だ。都内某所にある"某重大事件の跡地"に建ったマンションで起きた怪奇現象を皮切りに、次々と怪談話が語られる。

浅沼晋太郎氏は、「たいして怖くない」と前置きしながらも、高校時代に着ぐるみショーのバイトで地方巡業をしていたときに宿泊したホテルで起きた、謎の時計の音の怪談話を披露した。続けて、「中2で週5日金縛りになったことから、2年周期で奇妙なことが起こる」という怪談体質(?)もカミングアウト。

金縛りには一家言ある村上ロック氏と和地つかさちゃんもエピソードを語る。村上氏のエピソードが金縛りから"幽体離脱"へ展開したところで、MC・篠本634がぶっこんできたのは、元カノのひとりが「けっこう抜けちゃう」タイプということ。

幽体離脱が意外と身近なこともわかったところで、怪談に造詣が深い出演者らしいこんなナルホド話も。

「怪談は怪談を呼ぶんですよね」(篠本氏)

「怖い話をすると霊が寄ってくるっていいますもんね。隣で自分に関わる話をされたら寄っていっちゃうようなもので」(浅沼氏)

「霊は結局、元は人間ですから、人間と行動は同じです」(篠本氏)

そして、後半戦は前回好評だった"ランダムに出されたお題をテーマに怪談を披露する"という「フリースタイル"怪談"ジョン」タイムに突入。

「交差点」や「タクシー」、「舞台」というお題から、「グーグル」や「タバコ」という、どうやって怪談話になるのかという難しそうなものまでお題は9つ。

エキセントリックな女性が絡んでいた浅沼氏の「グーグル」と、合鍵とか気をつけようねと言いたくなるつかさちゃんの「引っ越し」は、生きている人間のほうが怖い......。

「舞台」のお題では、浅沼氏が作・演出したホラー劇『ILL』で実際に起きた怪奇現象を披露。主演の下垣真香さんが終演後に泣いたほどと聞いた、下垣さんと共演経験のあるつかさちゃんが「気が強いほうなのに泣くなんて!」と言ったことで、エピソードにウソ偽りないことが補完されるなどの一幕も。

お客様からのシャンパンの差し入れもあり、出演陣の語りはさらになめらかになり怪談話は続き、さらに浅沼氏が出演するラジオ『思春期が終わりません』でかつて収録された女性の笑い声が入った音源も流れて......。

出演陣の熱量の高さから繰り広げられた怪談話は、長編も含めて15話オーバー! 背筋がゾクゾクっとし続けた時間も予定を大幅にオーバーして3時間45分!! しかし、レギュラー出演陣の村上ロック氏、浅沼晋太郎氏、篠本634氏の熱量はおさまらず、次回は2月中旬開催予定と発表。夜の長い季節、真冬の怪談もたまんない!

村上ロックMURAKAMI ROCK
怪談師。新宿・歌舞伎町にある怪談BAR「スリラーナイト」にて、怪談ライブを行なっている。学生服に学生帽というルックスから繰り出される怪談話は、怖くもあり時に笑いも誘うオチもあるなど、軽快さが絶妙だ。

浅沼晋太郎ASANUMA SHINTARO
作家・演出家・声優・コピーライターとして活躍中。怪談に造形が深く、スマホのAR機能を駆使したホラー劇『ILL』を作・演出するなども。声優の代表作は『ZEGAPAIN』主人公のソゴル・キョウ、『東京喰種』の西尾錦など。

和地つかさWACHI TSUKASA
グラビアアイドル。今年は11月にミュージカル『まいっちんぐマチコ先生』のマチコ先生を演じるなど、舞台でも数多く活躍中。12月には舞台『RoseGunsDays~last season~』も控えている。

篠本634SHINOMOTO MUSASHI
『週刊プレイボーイ』などで活躍するライター。怪談が大好きで、様々な怪談話を収集している。浅沼晋太郎とは思春期をともに過ごし、若さゆえにぶつかり合い20年間断絶していたが、怪談を縁に再び交流がはじまったそうだ。

★12/4~2019年1/29まで限定オープン!!