高校を卒業して山形から上京したばかりの少女が、週プレの表紙グラビアデビューを飾ったのは昨年の8月だった。

その後、地上波の連ドラヒロインで女優デビュー。年末から放送される新CMも決まって、誰の目にも順調に映るキャリアを歩んでいる華村あすかが再び、12月17日発売の週刊プレイボーイ53号の表紙&グラビアに登場。

そんな彼女が、この一年を振り返って口にした言葉は意外なものだった。

■この感覚は絶対に忘れたくない

――氷点下の軽井沢~白馬を、深夜入りの前泊含めて2泊3日で駆け抜けました。

華村 週プレさんの撮影は寒い場所がほとんどなので、さすがに慣れましたね(笑)。でも、スケートリンクに寝そべっての撮影は人生で一番過酷でした。もう寒いという感覚を通り越して痛かったです。

――カメラマンの丸谷嘉長(まるたに・よしひさ)さんとは3度目の撮影になります。

華村 誌面とは別で、ネットの『グラジャパ!』でも継続して撮影を重ねています。インスタにもその写真をアップしていて、いつものグラビアとはテイストの違う、作品撮りのような自由さがあります。この前は夜の新宿で撮りました。

――メイクはセルフで、衣装も当日買いに行きました。

華村 あのときの撮影が本当に悔しかったんです。仕上がった写真を見ると、丸谷さんの狙いや思いを表現しきれない自分が写っていました。だから今回の撮影に際して、体のコンディションを整えることはもちろん、気持ちの面でも挑めるように気合いを入れて臨みました。

今までいろいろなカメラマンさんにお世話になってきましたが、丸谷さんは誰よりも難しい。ぶつけられた気持ちを受け止めて、はね返すにはどうしたらいいのか。やっぱり偽りのない自分で向き合わないと負けてしまう気がします。

――今回の撮影中、お互いの火花が散っているような、声をかけるのを躊躇(ちゅうちょ)してしまうシーンが何度かありました。

華村 特に印象に残っているのが、古い旅館の部屋で撮ったカットです。花柄のワンピースを着て、白い紐(ひも)を足先で触って撮っている流れで、グッと気持ちが入っていきました。丸谷さんから「もっと来い!」と心をノックされているようで、気づいたら涙が流れていて......。あのとき、周りの音がすべて消えて自分がどこにいるのかわからない不思議な感覚に包まれました。

――これまで同様の経験は?

華村 ないです。お芝居でも未知の経験です。この感覚は絶対に忘れたくない。表現を続けていく上できっと大きな力になるはずですから。

■新成人の誓いはもっと欲を出す

――以前より、感情的な言葉が増えましたね。デビューから華村さんを追いかける週プレだからなおさらそう思わずにはいられません。

華村 2018年を振り返ると、大げさじゃなく"秒で終わった"一年でした。元日から生放送に出させてもらって、名古屋に住み込んで連ドラの撮影をしたり、ほかでもグラビアの現場が増えたり。反省する間もなく、悩んでも答えを見つけられないまま日々が過ぎていきました。

正直、悔しい気持ちでいっぱいです。はっきり言って、今のままじゃダメなんです。周りの環境に恵まれているだけで、私自身としてはまだまだ。反省と学びの時間をもっと増やしていかないと。

――具体的には?

華村 まず人を見る観察力を磨きたいです。今日もこのインタビューで集英社さんへ向かう途中に、電車で少し疲れていそうなOLさんを見かけて、彼女の気持ちを想像してみました。電車から降りて改札を通り、階段を上がって町を歩くとどんな景色が見えるのかなって。実際、そのOLさんになりきって駅の周りを歩いてみました。

――神保町はどう見えました? 疲れたOLさん的には?

華村 季節は冬になったなぁとか、建物がちょっとだけ灰色っぽく見えるとか。まだまだ想像力が足りないですね。最近、あらためて感じることあります。それは、誰かを演じるためには自分自身としっかり向き合って、自分が何者かを知ることが大切で、そのためにはまず素直になること。周りを意識して"華村あすか"をつくらないで、どれだけ私らしくいられるかが問われてくると思います。

――なるほど。では、華村あすからしさとは?

華村 笑いのツボが浅くて、友達といると「え! ここで?」というタイミングでゲラゲラ笑っちゃうようです。実はこう見えてかなりの大食い。高校の頃はお弁当だけじゃ足りないから、休み時間におにぎりをひとつずつ、一日に5個は食べていました。

――よく笑い、よく食べる。確かにグラビアでの印象とは違うのかもしれません。

華村 素直な私でいることは役を演じたり、グラビアを撮ったりする上でより魅力的な表現につながるはずです。そういった意味で、"華村あすか"の殻を破らないとこの先が見えてこないと思いませんか?

――ここまで「悔しい」や「このままじゃダメ」など、割とマイナスな言葉が多めのインタビューになりました。さながら反省会のような。

華村 私、迷子になりがちな人ですから(笑)。一方で、やってやるぞという強い気持ちもしっかりあります。今回の撮影でもこの先につながる新しい学びがありましたし、日々の生活の中にも仕事につながるヒントがきっとあるはずです。焦りはない、と言うと嘘になりますが、今年いっぱい悩んだ分、来年はマイナスも楽しんで乗り越えるくらい前向きな気持ちで仕事に取り組んでいきたいです。

――来年早々には成人式を迎えます。飛躍を期待していいですよね?

華村 生まれ育った山形県米沢市の成人式は5月にあります。入学式の頃までまだ雪が積もっているような豪雪地帯ですから。仕事の調整がつくならもちろん式には出席したいです。個人的な目標としてはもっと欲を出すこと。青春モノの映画に出たいし、ゆくゆくは写真集も出せたら幸せです。

――そういえば、山形訛(なま)りがほとんど出なくなりましたね。

華村 本当ですか? うれしいような、寂しいような微妙な気持ちです。上京してもう2年か......うん、まだこれからです。

●華村あすか
1999年3月18日生まれ 山形県出身 身長168㎝ B86 W60 H83
○㈱クリエイトの新イメージキャラクターに就任。出演するCMが今月末より放送開始予定です。Instagram【@hanamura_asuka_colors】