劇団4ドル50セントの福島雪菜(左)と安倍乙(右)
秋元 康がトータルプロデュースを手がけ、約5000人の応募者から選ばれた男女30名弱で構成される劇団4ドル50セント。2月に旗揚げ本公演『新しき国』を行ない、いよいよ本格始動した2018年は、演劇のみならず、ドラマ出演や音楽活動、グラビアを飾るメンバーも続出するなど、早くも舞台から飛び出して注目を集めている。

動画配信サービス「dTV」では、既に配信中の旗揚げ本公演『新しき国』に続き、12月28日から第2回本公演『ピエロになりたい』の配信がスタート。グラビアでも人気急上昇中の福島雪菜安倍乙に、各公演の見どころを中心に、これまでの活動について語ってもらった。

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――オーディションから2年、旗揚げ本公演から10カ月経ちました。ここまでを振り返っていかがですか?

福島 先日もFNS歌謡祭に出演させていただいたり、普通なら1年や2年ではできない経験をさせてもらいました。舞台も本公演を2回と、1カ月半の週末定期公演もやって、たくさんの挑戦をした濃い時間でした。

安倍 最初はテレビに出させていただいても、一般ピーポーみたいな感じで舞い上がっていたんです。でも、最近はこの環境に感謝しなきゃいけないなと思うようになりました。

――劇団4ドル50セントは9割のメンバーが演技未経験でスタートして、苦労も多かったと思うんですけど、どうやって乗り越えてきたんですか?

福島 みんなで一緒に手を取り合って、がむしゃらに進んでいくことしかできなかったので、ひとりが泣いたらみんなで泣いて、一緒に「大丈夫だよ! がんばろう!」と言って円陣を組んでました。そういう仲の良さでやってきたところはありますね。

安倍 特に『ピエロになりたい』で披露しているジャグリングは、「100回できるまで舞台に出るな!」ってスタッフから怒られて。私、あんまり泣かないタイプなんですけど、あのときはめちゃめちゃぶちゃいくな顔で泣きながら練習して、やっと本番ギリギリにできるようになったんです。本当にジャグリングは苦労しました。

――いまdTVで旗揚げ公演の『新しき国』が配信されていて、12月28日からは第2回本公演『ピエロになりたい』の配信もスタートしますが、見どころを教えていただけますか?

福島 『新しき国』では、東京から挫折しかけた女のコがやってきて、夢沢銀座(物語の舞台になっている商店街)のみんなで一緒に立ち上がって、夢に向かってがんばっていくんです。丸尾さん(劇団4ドル50セントの脚本・演出を手がける劇団鹿殺し代表の丸尾丸一郎)は当時の劇団員の気持ちになって、プレッシャーも感じながら脚本を書いてくださってたらしくて。

――みなさんの「これから劇団やっていくぞ」という心境と重なる部分も多かったんじゃないかなと思いました。

福島 そうですね。あのときの私たちは、ここで結果を残さなきゃいけない、見てくれたお客さんに私たちの可能性を感じてもらいたいっていう一心だったんです。そういう部分は当時の気持ちと重なるものがありました。

安倍 見どころと言われれば、最後に1トンの水を使って雨を降らせているので、そこは注目していただきたいです。あと、みんなで大縄跳びをするシーンがあるんですけど、30回跳べるまで次に進めないんですよ。やり直しができない舞台ならではの臨場感が味わえると思うので、そこはぜひ見ていただきたいです。

福島 それと、私たちの武器のひとつが、秋元 康さんが書いてくださる歌だと思っているんです。『新しき国』でも所々に歌が入っていたと思うんですけど、歌があって、次のシーンに進んで、また歌があって。それはミュージカルとも音楽劇とも違う、私たちの舞台ならではの特徴だと思います。

――『ピエロになりたい』のほうは、ピエロになりたい人たちのお話ですよね?

福島 そうですね。でも、最初からピエロになりたかったわけではなくて。何かに必死になりたいけど、その何かが見つからない若者たちが集まって、仲間と出会って、ピエロについて知って、ピエロになって人を笑わせたいっていう夢ができるんです。

それで仲間と一緒に夢を追い求めていく青春群像劇になっているんですけど、ちょっとコメディチックなところもあって。私たちにとっては初めてのチャレンジだったので、すっごい難しかったんです。丸尾さんにめっちゃ怒られて......。

――どういう部分がダメだったんですか?

福島 「悲しくしたらダメなんだよ!」みたいな。けっこう悲しいシーンや暗いシーンも多いし、『新しき国』も暗い要素があったから、みんな暗いほうにいきがちになっちゃって。それで「そっちじゃないんだよ!」「もっとキャラをコメディチックにデフォルメしなきゃいけないんだよ!」と言われたんです。本番が始まってからも手直しされて、だいぶしごかれました(笑)

――『ピエロになりたい』での、おふたりの役どころは?

安倍 私はインフィニティという名前の役なんですけど、自分に自信あるみたいなタイプで、私とは真逆なんですよ。普段から「ごきげんよう」とか言うようなキャラだったので、役になりきるために日常生活でも実践してました。みんなからイラつかれましたけど(笑)。

福島 私はキルミーっていう名前の役で、最初に台本を見たときは、しっかり自分を持って、ドンと構えたキャラだと思っていたんです。だけど、キルミーは「自分を殺して」っていう意味じゃないですか。実は自分の顔も体も性格も嫌いっていう裏側があって。それが仲間を通して、思いやりとかを学んでいって、かわいらしい女のコに成長していくので、その過程も見ていただけたらうれしいです。

――ところで、おふたりはグラビアでも活躍されてますが、やっぱり演技とは別物ですか?

福島安倍 全然違います!

――福島さんはもともと、モデルをやられてましたが、モデルとも違いますか?

福島 違いますね。モデルは服や物を見せなきゃいけないけど、グラビアは自分を見せるじゃないですか。シチュエーションが用意されて、自分に求められるものがあって、それをいかに自然に表現するか。そういう意味では演技に近いのかなと思う部分はあって。

安倍 私も演技に活かせるんじゃないかと撮影しながら気づきました。カメラマンさんによって、表情にこだわる方もいれば、どれだけくびれのラインをきれいに見せられるかを重視される方もいるんですけど、目や口の開け方だけでも全然違うものになるから、本当に勉強になります。

――グラビアでは自分のどこを見てほしいですか?

安倍 えー、なんだろう......。カメラマンさんから横顔がきれいと言われたので、横から撮っている写真を見ていただけたらうれしいです。

福島 特に体に自信があるとか、そういうわけではないんですけど......。でも私、昔から小嶋陽菜さんに憧れてて、いつか写真集を出したいと言ってるんです。だから、グラビアの経験を通して、自分の見せ方を模索していけたらいいなと思っていて。

グラビアのときは、見た目はふわふわしてるよねとか、アニメチックな顔つきだよねとか言っていただけることが多いんです。しゃべらなければ(笑)。そういうところを武器にできたらいいなと思います。

――お互いのグラビアを見ることもあるんですか?

福島 見ます見ます。稽古場に置いてあるので(笑)。

安倍 福島さんはかわいらしい感じが多いのかなと思っていて。私はわりと大人っぽいものが多くて。真逆な感じだなって。

福島 私は乙ちゃんの透明感がうらやましい。私は『ピエロになりたい』のメインキャストオーディションで、丸尾さんから「雪菜は透明感がなくなった」と言われたんですけど(笑)、乙ちゃんは舞台の隅にいても、その透明感につい目が行っちゃうんです。

安倍 ありがとうございます(照)。

――この先やってみたい役柄はありますか?

安倍 私はサイコパスとかやってみたいです。前に受けたオーディションで、そういう役柄の台本を渡されたんですよ。悪いヤツとグルで、みんなを騙すような。それを演じてみたら「なんか爽快感!」みたいな(笑)。だから、ちゃんとやってみたら楽しいんじゃないかなって。

福島 私は、(テレビドラマの)『トドメの接吻』で門脇麦さんが演じていたキスで人を殺していく女の役があるんですけど、「不気味かわいい」って話題になってて、そういう役に挑戦してみたいです。

あと、大好きな神田沙也加さんが、『キューティ・ブロンド』というミュージカルで(主役の)エルを演じていて、それがおもしろくて、キラキラしてて、私も演じてみたいと思ったんです。だから、いつかエルをやりたいです。

――ちなみに演技以外の目標もありますか?

福島 私は写真集を出したいです。自分の引き出しをたくさん持った女性になれたらいいなと思うんです。

安倍 演技以外の目標かぁ......。まずは舞台で輝けるようにがんばります!

安倍 乙(あべ・おと)
2000年1月18日生まれ 大阪府出身 身長156㎝ B77 W57 H90 血液型=A型
○最新情報は、劇団公式サイト【https://www.4dollars50cents.com/】をチェック!
公式Twitter【@abe_oto0118】
公式Instagram【@abeoto0118】

福島雪菜(ふくしま・ゆきな)
1998年11月11日生まれ 大阪府出身 身長156㎝ B74 W60 H81 血液型=O型
○最新情報は、劇団公式サイト【https://www.4dollars50cents.com/】をチェック!
公式Twitter【@yukina_fukusima】
公式Instagram【@yukina_fukusima】

●劇団4ドル50セント第2回本公演「ピエロになりたい」、dTV特集ページ。