『キン肉マン』連載スタート時からのファンから、小さなお子さんまで、老若男女を巻き込みJR東日本で現在、絶賛開催中の冬のスペシャルイベント「キン肉マンスタンプラリー めざせ全駅制覇!編」!
1月10日から2月27日までの約2ヵ月間にわたって、東京都区内を中心に千葉、茨城までのJR、及び東京モノレールの各駅構内に設置された全63種のスタンプを集めていくことで様々なオリジナル賞品が手に入るというこの企画が大きな盛り上がりを見せている。
前回ご紹介した記事では『キン肉マン』作者であるゆでたまご・嶋田隆司先生がなんと自ら全駅制覇にチャレンジ中とのことで、今回のスタンプラリーについて胸に秘めていた熱い思いを語っていただいたが、今回ご紹介する記事後編では、嶋田先生も知りたがっていた全駅制覇のための攻略法を、実際の達成者を探してその実体験を元に徹底調査!
そこでお集まりいただいたのは『キン肉マン』が好きすぎて昨年7月、とうとうコンビ名まで嶋田先生から授かり改名したというお笑いコンビ"ビッグボンバーズ"西淳之介さんと平田寛弥(ひろや)さんのおふたり! 特に、平田さんは2016年のサンケイスポーツ主催「キン肉マン検定」で偏差値70(総合順位第5位)を獲得したという文句のつけようのない『キン肉マン』マニア。今回のスタンプラリーももちろんコンビ揃って既に全駅制覇達成済みとのことで、これは心強いアドバイスをいただけそう! ということでさっそく話を聞いてみた!
――全駅制覇達成にはどのくらいの時間がかかったんですか?
ビッグボンバーズ・平田(以下、平田) 僕は2日で行けましたね。
――え、2日!? わずか2日で達成できるものなんですか?
平田 はい、実は2日どころか、63駅に関してはほぼ1日で回り終えてたんですけど、最後の東京駅の全駅制覇達成スタンプをもらえるお店にたどり着いたのが、その日の深夜だったんです。
そこの営業時間が終了していて間に合わなくて......翌日、改めてそこで全駅制覇の証明スタンプと賞品をいただいて、それで合計2日ということですね。
――とんでもないハイペースですね。西さんの方は?
ビッグボンバーズ・西(以下、西) はい、コンビ一緒ではなくほぼ別々に回ったんですけど、僕も2日でしたね。僕の方はほぼ丸2日かけてでしたけど、それでも2日で回りきりました。終日使うつもりでやれば、たぶんそれくらいでいけるんじゃないかと思います。
――本気でかかれば2日で達成可能なわけですね。それだけでもすごい情報です。頑張ってももう少しかかるものかと。
平田 たぶんノープランで行くと、もっとかかるかもしれません。なるべく短い時間で効率よく回るということを重視するなら、大事なのは下準備だと思います。
――それは最短ルートを取るための順路ということでしょうか?
平田 他にも色々ありますけど、まず大きいのは見当を先につけておくところからですね。でも大前提となるその方針が僕と相方の西では違ってて、それで別々に回ることになって。
西 最大のポイントは取手のシルバーマンをどう考えるかなんですよね。
――銀のマスク......天上界ではなく取手駅で待ち構えているわけですね?
平田 難関駅にふさわしい大物が配置されてて、スタンプ台の周りの飾りつけもまた、僕らのそんな気持ちを汲んでくれるような歓待ぶりなんですよ。あれ見て少し救われましたよね。
西 取手の何が難しいかというと、全63駅の9割方は東京都区内なので、750円の「都区内パス」というのを買うとそれでほぼカバーできるんです。でもそのきっぷでカバーできないのが、東京モノレールの2駅(天王洲アイル駅【モンゴルマン】、羽田空港第2ビル駅【スカイマン】)と、あとは松戸から先の常磐線エリア(新松戸駅【ブロッケンJr.】、柏駅【ビッグ・ザ・武道】、我孫子駅【キン肉真弓】、取手駅【シルバーマン】)なんですよね。そのエリアを先に攻めるか後回しにするかの選択で、回り方と時間が全然違ってくる」
平田 問題なのはどのタイミングで取手に行くかですよね。それで僕は朝イチで真っ先に取手まで行って、そこから戻ってくる方式にしたんですよ。でも西は逆で、近場から攻めて行って取手を最後に残したんです。
――どっちが正解だったんですか?
西 完全に先に行くほうが正解でしたね。僕の場合、最初はサクサク集まったんですけど、時間とともに体力もなくなっていくじゃないですか。それで50駅ほど乗り降りしてかなりスタミナ消耗してきてる頃に、さぁ今から取手に行こうというのは気持ち的にかなり厳しい。
平田 逆に、僕は後半が近場ばかりだったので、気力や体力が尽きかけてても行けるんですよ。あともう少しっていうのが見えますから。
西 でも取手を残すと先が見えないですからね。それでまるまる翌日に回すハメに......。
――ルート以外で大事な下準備はありますか?
平田 各駅のスタンプ台の位置がわかってるとかなり短縮できますね。各駅でこれを探すのに実は一番、時間がかかったんじゃないかと思います。
西 特に東京駅や新宿駅、渋谷駅などの広い駅は要注意ですね。スタンプ台にたどり着くまでの労力だけでかなり使います。僕もそこでかなり苦労しまして、初日の最後に50駅ほど回った時点でスマホの万歩計見たら3万歩、距離にして約20キロくらい歩いてたんですよ。
――20キロ!? ウォーキングにしてもすごい距離ですね。
西 それ見てスタンプラリーはスポーツだと思いましたね。これはナメてかかっちゃいけないぞと。50駅ほど回った時点でやっと気づきました。
平田 だからそこの短縮のためにも、知ってる人と回るとすごく楽ですね。僕の場合は「NOモーション。」の星ノこてつさんという先輩芸人さんとほぼ一緒に回ってたんですけど、その先輩がスタンプラリー慣れしてる人で、各駅のスタンプ台の位置をかなりの確率で把握してらっしゃったんですよ。
だから比較的、徒歩のロスが少なくて。ほぼ1日で回れたのはそのこてつさんのおかげが実はかなり大きかったですね。
西 体力なくなってくると、だんだん何も考えなくなってくるんですね。それで電車に乗って降りてを繰り返してるとだんだん、スタンプ押した後に電車が来たのが見えたらすぐ乗らないといけない気になってきて......それで何も考えずに機械的に電車に乗ったら逆方向だったなんてこともありましたから。冷静な判断力を保ち続けるためにも、体力の配分はかなり大事だと思いますね。
――ちなみに全駅回られた中で特に記憶に残ってる駅はありますか?
平田 駅員さんの展示に気合が入ってる駅はやっぱり記憶に残りますよね。たとえば西荻窪のベンキマンなんてスタンプ台の横にダンボールで作られたコスプレ用のベンキボディが備えられてて、撮影用にご自由にお使いくださいみたいな感じなんですよね。
西 ここはたまたま平田と一緒になったんで、唯一、コンビふたりで撮影したんですよ。
平田 恐怖のベンキ流しごっこが堂々とできる場所はなかなかないですからね。これは貴重でしたね。
――西さんは、どうですか?
西 松戸駅もすごかったですね。ビッグ・ザ・武道の身長290センチの等身大の高さにくりぬいたダンボールがスタンプ台の横に貼られてたんですけど、あのデカさを目の当たりにすると、やっぱり超人ってとんでもないヤツらだなと。
平田 そうそう。こんなんと闘えるか!?って思いますよね(笑)。
西 あれと対決してマッスル・ドッキング決めたキン肉マンとテリーマンはすごいですよね。改めて彼らのレジェンドぶりを実感できました。
ーーいろいろ出てきますね!
平田 これは皆さんに見てもらいたいと僕が密かに思ってるのが、田町駅。バッファローマンのスタンプ台があって、そのすぐ脇に悪魔超人時代の凶悪そうなバッファローマンのフィギュアも飾られてるんですよ。でもそのめちゃくちゃ凶悪そうなバッファローマンの下に......これは意図的なのかどうか僕には判別がつかなかったんですけど「暴力のないまち三田」っていう貼り紙が貼られてまして。
――それは絶対、狙ってるでしょ(笑)?
平田 もうその上と下を交互に見比べて「ええ!?」ってなって。その対比がめちゃくちゃツボに入って面白かったのは記憶に残ってますね。
西 そういうのをひとつひとつ思いだしていくとそれだけで楽しくて。僕は最後に取手まで行ったので、帰ってくるのにけっこう長い時間、電車に乗ってましたけど、その間、全部押したスタンプ帳見返してあれこれ思い出してると意外と退屈しませんでした。
ちょっと気持ち悪かったかもしれませんけど、電車に揺られながらずっとひとりでニヤニヤしてましたね。
――では最後になりますが、これからスタンプラリーの全駅制覇をめざす人に向けて、達成して一番良かったと思うことをそれぞれお話いただけますか?
平田 やって本当によかったと思うのは、もちろん僕が『キン肉マン』が好きだから単純に楽しかったというのもありますけど、意外なところで言えば思った以上に人との触れ合いが多かったんですよね。
たとえば駅でスタンプ台の位置がなかなか見つからない時に、普段だとスマホを使ってひとりで探して解決するんですけど、それよりも同じようにスタンプ帳持ってる人に聞いてみるのが実は一番早かったり。
他にも普段、駅員さんにあえて話しかけることってあまりないと思うんですけど、探してると結構親切に声をかけて教えてくれたり。そういう人との繋がりの温かさを再確認できたのが、僕は全く予想してなかったけどすごくよかったです。さすが友情パワーの作品だと思いましたね。
――いい締めの言葉です! では西さんのほうは?
西 僕はすべて集め終わったという実感が未だにないんですよ。今も電車から駅を降りるたびに「あれ、スタンプ押さなくていいのか?」って毎回、自問自答するくらい。
――完全に染みついてしまってますね。
西 そうなんですよ。むしろ押したいんですよね。でも2冊目をもらうのはルール違反とのことなので、じゃあ普通のノートで自作のスタンプ帳を作って、そこに押して回るんだったらルール違反にならないかなぁとか考えてるくらいで......。
――大丈夫ですか? スタンプラリーに心が支配されてしまってますよ?
西 でもそれくらいの魔力がありますよね。ここまで真剣にスタンプラリーに参加したのは今回が初めてなんですが、これはちょっと極めてみたくなりますよね。どこまでやれるか、僕のスタンプラリーが終わるまではまだもうちょっとかかるかもしれません。
――わかりました。そこまでおっしゃるなら誰も止めないと思いますので応援させていただきます。今日は貴重な体験談をありがとうございました!
ふたりをそこまで虜にしてしまうこのJR東日本「キン肉マンスタンプラリー めざせ全駅制覇!編」は2月27日まで開催。今回お伺いしたお話を参考にすれば、今からでも全駅制覇にはまだまだ十分間に合う!
未達成のあなたもこの冬、ぜひ記憶に残るチャレンジを体験してみませんか!?
●2月27日まで開催! 『キン肉マン』40周年記念「JR東日本「キン肉マンスタンプラリー めざせ全駅制覇!編」
●ビッグボンバーズ
西淳之介と平田寛弥による、2016年結成のお笑いコンビ。平田は、2016年に行なわれた「キン肉マン検定」で総合5位、偏差値70を記録。表彰の際に、ゆでたまご・嶋田先生から「ビッグボンバーズ」というコンビ名を授かった。「ビッグボンバーズ」といえば、カナディアンマンとスペシャルマンのタッグ名だが、彼らのようにはいかない今後のさらなる活躍に期待! キン肉マン情報もつぶやいてくれている、西淳之介(@nishi24j )平田寛弥(@wafflehirata )のTwitterもチェック!