漫画家・北条 司先生(左)と冴羽獠役の声優・神谷 明氏(右)

■『シティーハンター』のツートップ対談!

裏社会のスイーパー(始末屋)、冴羽獠(さえば・りょう)の活躍を描く『シティーハンター』が、完全新作の劇場版でよみがえる!

1985年、『週刊少年ジャンプ』にて北条 司先生が連載をスタートさせ、1987年に声優の神谷 明さんが獠役を務め、テレビアニメ化。このアニメシリーズは1999年放送のテレビスペシャル版まで長きにわたって続き、2月8日から公開の劇場版『劇場版シティーハンター<新宿プライベート・アイズ>』にて20年の時を経て復活する。

この記念すべきタイミングで、87年のテレビアニメ化以来、懇意にしており、気心の知れた仲だという北条先生と神谷さんの対談が実現した!

■獠だけじゃない! オリキャス勢ぞろい

――『シティーハンター』完全新作劇場版の公開、おめでとうございます! おふたりがこの新作映画の第一報を受けたときのご感想は?

北条 一昨年の12月ぐらいに話が来たんですが、感想としては「やっとかよ(笑)」かな。というのも、実は僕らふたりで、「『シティーハンター』のアニメ化30周年作品を2017年にやりましょうよ」って、ずっとお願いしてたんですよ。

神谷 でも実現しなさそうだったから、もう半分諦めてたんです。そしたら突然連絡が来て、「ウソ!?」って感じでした。

北条 しかも、また『金曜ロードSHOW!』枠とかのテレビスペシャル版をやってもらえたらなと思ってたから、テレビじゃなくて映画でやってくれるということで、二重に驚きだったね。

神谷 確かに。ただ僕の場合、驚きと同時にプレッシャーをすごく感じたんですよ。最後のアニメから20年以上たってるから、「大丈夫かな、(昔のように冴羽獠としての)テンポがよくて、自由自在に変化する芝居ができるかな」と。だから即答ができず、じっくり考えて、OKのお返事をするまで1週間ぐらいいただいたかな。

北条 だけど、ちゃんと変わらぬ"冴羽獠"だったよ。

神谷 よかった(笑)。いざスタジオで収録に入ると、レギュラーの皆さんの声も雰囲気もそのままで、すっと獠になれました。ハードボイルドな場面はもちろんですが、ギャグのシーンは特に楽しかったですね。遊ばせてもらっている感じで。とにかく今できる精いっぱいの獠を演じられたと思います。また、収録も順調で、想像していたより早く終わってしまって。スタミナ切れにならずよかったです。

――獠役の神谷さんはもちろんのこと、槇村香(まきむら・かおり)役の伊倉一恵さん、海坊主役の玄田哲章(げんだ・てつしょう)さん、野上冴子役の一龍斎春水(はるみ)さん(旧名・麻上洋子)、美樹役の小山茉美さんと、主要キャラがみんなオリキャス(オリジナルキャスト)で実現というのも、ファンからすると胸熱です!

北条 キャストを代えてしまったら、何よりファンが絶対怒るだろうなと。今回の新作でもちろん新しいファンが増えてくれればとも思いますけど、やっぱり第一は、昔からのファンのためっていうのが強くあるからね。

神谷 うんうん、昔からのファンが期待するのは同じキャスティングですものね。僕自身もそれがうれしかったなぁ。海坊主役の玄田さんとは、昔から麻雀やったりバカやったりしてる仲なんですよ。でも、今回海坊主がおいしいところをみーんな持ってっちゃって、ちょっぴり嫉妬しましたね。香役の伊倉一恵さんとは久しぶりの共演だったんですが、ブランクはまったく感じなかったなぁ。ふたりでマイクの前に立ったら、ちゃんと"獠と香"になってるんですよ。

■『劇場版シティーハンター〈新宿プライベート・アイズ〉』 
2月8日(金)より、全国ロードショー公開予定。新宿の凄腕スイーパー(始末屋)の活躍を描く『シティーハンター』が20年ぶりにアニメ化! しかも本作は北条先生作品『キャッツ・アイ』とコラボ。あの三姉妹がゲスト出演し、獠たちと共闘するぞ! (C)北条司/NSP・「2019 劇場版シティーハンター」製作委員会

●北条 司(ほうじょう・つかさ) 
美人三姉妹の怪盗を描いた『キャッツ・アイ』、新宿のスイーパーが活躍する『シティーハンター』と大ヒット作を連発した漫画家。『シティーハンター』のパラレルワールドを舞台にした『エンジェル・ハート』シリーズを2017年に完結させた

●神谷 明(かみや・あきら) 
『キン肉マン』キン肉マン役、『北斗の拳』ケンシロウ役など、『週刊少年ジャンプ』作品の主人公キャラを代表作に持つ大御所声優。『シティーハンター』の冴羽獠役について、「自分が今まで演じたなかで一番好きなキャラクター」と公言

➡神谷 明にとって冴羽 獠という役は、声優人生の集大成だった……他、この対談の完全版は『週刊プレイボーイ7号』に掲載。