『週プレNEWS』連載中(毎週月曜更新)の漫画『キン肉マン』(ゆでたまご作)のジャンプコミックス(以下、JC)各巻の中から、ゆでたまご先生ご自身にお気に入りの原画を選んでご紹介いただくシリーズ企画"ゆで原画"第14回。
スーパー・フェニックスら、かつてキン肉マンとキン肉星の王位を争った"運命の王子"連合軍と、新たなる刺客"オメガ・ケンタウリの六鎗客(ろくそうかく)"との全面抗争が続く現在連載中シリーズ、その最新JC66巻がまもなく3月4日(月)発売に!
その最新刊を読む前に......おさらいを兼ねて今回もその前巻となるJC65巻から、作者・ゆでたまごの両先生に思い入れの深い漫画原稿一枚をそれぞれ理由も添えて選んでもらった。
まずは作画担当・中井義則先生に選んでいただいたのがこの一枚(JC65巻/84ページより)。
マリポーサの勝利に続き、動き出したのは中国・紫禁城のビッグボディvsギヤマスター戦。かつての闘いではロクな見せ場もないまま散ったことをギヤマスターに指摘されたビッグボディはしかし、今回はひるまない。その堂々とした肉体美を対戦相手のギヤマスターに見せつけて、この闘いの必勝を誓う!
――中井義則先生(ゆでたまご・作画担当)コメント
「この巻はマリポーサの活躍も良かったですけど、やはりビッグボディの主役感が強いですよね。昔はあっさり退場させたものの、実は読者の間で意外と人気があったらしい、という話をその後たびたび聞きまして......僕らは全く気づかなかったんですけど(苦笑)。
それで再登場を楽しみにしてくれている人も多かったようなので、それなら当時のお詫びも兼ねて、カッコいいビッグボディの姿を描いてみようかと。
とはいえ当時の技術では、それはやろうと思ってもできなかったかもしれません。でも今ならそれができそうな思いもあって、満を持して出してみた。その最初の挨拶代わりの一枚みたいなつもりで描いたのが、このページです。
筋肉のしっかりしたキャラクターって、大変ではあるんですけど実は僕も描いてて楽しいんですよ。そう思うようになったのは、CCPさんから発売されたフィギュアを見た影響も大きいと思いますね。ペンタゴンの時もそうでしたけど、こんな表現があるのかって、僕以外の人のアプローチを見た時に触発されることは本当によくあるんです。
特に僕らが描いてるのは二次元のイラストで、それを三次元に起こすとなると、僕らが想像もしなかったようなことまで考えてもらわないとできないはずなんです。その解釈を見せてもらうことで、それならさらに二次元でこういう描き方ができる、という思いがまた僕の中で膨(ふく)らんでくる。『キン肉マン』のフィギュアメーカーさんはクオリティの高いものを作ってくださるところばかりなので、今の新しいシリーズに入ってからは、ますますそういう思いが募(つの)っていく一方です。読者に驚いてもらいたいですからね!」
そしてもう一枚、原作シナリオ担当・嶋田隆司先生に選んでいただいたシーンがこちら(JC65巻/160ページより)。
そのビッグボディvsギヤマスターのいよいよ最終局面、ビッグボディが繰り出したのは、かつての王位争奪戦では出したくとも出せなかった幻の必殺技"メイプルリーフクラッチ"! その技を掛けながらビッグボディが口にしたのは、かつて自分を慕(した)ってくれたビッグボディ・チームの仲間たちへの想いだった!
――嶋田隆司先生(ゆでたまご・原作担当)コメント
「中井君の考えと同じように、当時の僕らはビッグボディという超人は完全に捨てキャラとして作ったものなんです。自分たちの完全オリジナルで読者採用の超人でもないし、言ってしまえば......まぁ適当に。でもその後、大人になった当時の読者からよく愛のあるクレーム(?)をもらったんですが、その中でも特に多かったのがビッグボディの扱いに対してのものでした。『あの容姿は絶対強いと僕は思ってたのに、なんだったんですかアレは!?』って(笑)。
でもそうやって色んな人から何度も言われ続けて見直したら、不思議なものでだんだん僕も『あれ? もしかしてコレちゃんと闘わせたらいい試合できるんとちゃうの?』って気になってきて。『もしかしたら最初に出してマンモスマンと闘ってたら、勝てたかどうかはわからないまでも、いい試合はできたんと違うやろか!?』とか妄想が膨らんできて......。言ってしまえば今のオメガ・ケンタウリの六鎗客のシリーズを始めるにあたって、絶対にやりたかったことのひとつが実はこのビッグボディの試合をちゃんと描くということだったくらい(笑)。
しかも悩んだのはビッグボディって、本人だけじゃなくてチームメイトも妙にコアな人気があるじゃないですか。レオパルドンとか、人気投票すると毎回なぜかけっこうな上位に来るし。だから彼のチームメイトの試合も、本当は描いてみたかったんですよ。でもそれをやり始めると話が進まなくなるので。だけど何も触れないのも僕自身寂しくて、その落としどころとして作ったのがこのページです。中井君もしっかりみんな存在感が出るように描いてくれて。ビッグボディのキャラも出せたし、いい絵ですよね」
かくしてマリポーサ、ビッグボディが連続勝利を収め、この後はいよいよ、かつてキン肉マンを苦しめた強豪・キン肉マン ゼブラの新たな闘いが描かれる! カレクックを破ったオメガ・ケンタウリの六鎗客内でも屈指の技巧派・マリキータマン相手に新生ゼブラはどんな闘いを魅せてくれるのか!?
今回ゆでたまご先生におさらいしてもらったJC65巻から流れで続く、最新JC『キン肉マン』66巻はまもなく3月4日(月)発売! 乞うご期待!
★次回"ゆで原画"第15回はJC『キン肉マン』67巻(2019年5月2日発売予定)の発売直前、4月末頃にお届けいたします。お楽しみに!
詳細はこちらまで!→(一部試し読みあり)