14日、4人組ガールズグループ「ゆるめるモ!」のあのが、東京・青山ブックセンター本店にて自身のファースト写真集『ANOther』にまつわるトークイベントを開催! 撮影を行なった写真家・川島小鳥氏&松岡一哲氏も登場し、3人で今作の制作裏話をくり広げた。

今作は、鹿児島県指宿(いぶすき)とカンボジアというふたつのロケ地で、それぞれ異なる写真家が撮影を行なう、異例の"ダブルAサイド形式"をとっている。トークはまず、川島氏が撮影した【指宿編】の話題に。

指宿での印象的な出来事について聞かれたあのは、先行カットにも使用された「海への飛び込み」を回答。そのシーンは川島氏の中でも衝撃的だったらしく、「(連射ができないという)フィルムカメラの特性上、一度の飛び込みで1、2枚しか撮影できないんです。『だからといって、何度も飛び込んでもらうのはたぶん違うな......』と思っていたら、あのさんが急に防波堤をダッシュして。本気度の強い、すごいジャンプ力を見せてくれました。撮影できていてよかったです」と語っていた。

会場・青山ブックセンター本店には、100人以上の『ANOther』ファンが集った 会場・青山ブックセンター本店には、100人以上の『ANOther』ファンが集った

また、この日、【指宿編】は「夏休みの最後の一日」というテーマで撮影が行なわれたことも明かされた。浴衣や手持ち花火など、数多く使用された夏らしいアイテムの中で、あのが最も気に入っていたのは、まさかの「そうめん」。ファンの間では"偏食"で知られる彼女だが、「あれから、そうめんのことばっかり考えてる。(指宿から帰ってきてから)『そうめん食べたい』と言うことが多くなった」と語り、来場者は「意外......」という表情を浮かべていた。

【指宿編】をまとめたメイキング映像の視聴をはさみ、話題は続いて、「地雷原があって、"生と死"を感じられる場所に行ってみたい」というあの本人の希望からロケ地に選ばれた【カンボジア編】へ。ここで彼女が最も楽しんでいたのは、夜に撮影を行なった"移動遊園地"だという。

あのが「久々に楽しいと思ったんですよ。日本の遊園地よりもずっと楽しくて。真っ暗だけど、キラキラしてた」と振り返ると、撮影を行なった松岡氏は、「(あのちゃんは)質素な場所にもかかわらず、ほかの観光地よりもずっとテンション高くはしゃいでいて。あのちゃんの『自分が好きなものは自分で選ぶ』という感覚が表れていた」と評していた。

今回の撮影を行なった川島氏&松岡氏の共演は、2010年に東京・テルメギャラリーで開催された写真展『未来ちゃん』以来、9年ぶりとのこと。MCが「お互いのベストショットを」と投げかけると、それぞれ「移動遊園地であのが白目がちな表情を浮かべている一枚」(川島)と「日光が反射する海岸であのが寝転んでいる一枚」(松岡)をセレクト。お互いのカットを「僕が撮れなかったあのちゃん」と称賛していた。

川島氏(左)が選んだ、松岡氏(右)撮影のベストショット 川島氏(左)が選んだ、松岡氏(右)撮影のベストショット
松岡氏が選んだ、川島氏撮影のベストショット 松岡氏が選んだ、川島氏撮影のベストショット

そして、トークはそんな写真家2名の写真を一冊にまとめ上げたデザイナー・町口景(ひかり)氏の話題に。

写真家のふたりが「カンボジアでの水辺の一枚と、指宿での水辺の一枚がシンクロして見えるようになっている」(川島)、「ふたつの世界が平等に展開する一冊に仕上げるのは、かなり難しかったはず」(松岡)と語ると、あのは「第一印象は『見づらい』だったけど、撮ってる人も違うし、場所も全然違うのに、なんか重なるっていうか。『違うところにいるけど、同じ地球だ』っていうふうに見えたり......いろんな解釈が生まれる写真集になった。すげーいいから、いろんな人に見せてください」と、来場者に呼びかけていた。

トークイベントの終盤では、開演前に行なっていた来場者アンケートによる質問コーナーを実施。その中で挙がった「次に写真集を出すとしたら、どんな一冊にしたい?」という問いに、あのは一度は「これを言ったら真似されるから......」と渋るも、その後「死ぬ系......遺影をいっぱい撮りたい。『いぇーい』ってタイトルにする」と回答。終始、真剣なトーンでトークが行なわれていた今イベントだったが、突然飛び出した冗談じみた回答に、この日一番の笑いが起きていた(あのはその後も「真似しないでください」と注意喚起)。

3月に開かれた発売記者会見&お渡し会や、週プレ酒場でのパネル展など、1ヵ月続いた写真集関連イベントは、今回でひと段落。

写真集関連イベントのフィナーレにコメントを求められたあのは、「昔から『はい、チーズ』みたいなのが苦手で。今回、『やっぱり自分はめんどくさい人間だな』っていうのをすごく実感しちゃった。でも、自分のそういう内面を汲み取ってくれて、自然に撮ってくれるふたりだったから、この写真集が作れたなって。途中でいっぱい悩んだり、『無理かも』って思ったけど、ひとりの力じゃできなかったっていうか......感謝してます」と、ふたりの写真家に感謝の意を表していた。

発売1ヵ月足らずで重版が決定したこの『ANOther』。今月12日からは、本誌には使われなかった完全未掲載カットで構成されたデジタル版も発売している。あの&川島小鳥氏&松岡一哲氏という3人のクリエイターが本気で手がけた今作を、まだ手にとっていない人はぜひチェックしてみよう。

【デジタル写真集概要】


・タイトル『ANOther【指宿編】』撮影:川島小鳥



・タイトル『ANOther【カンボジア編】』撮影:松岡一哲
各タイトルとも絶賛発売中 価格:2000円+税
週プレ グラジャパ!、Amazon、楽天koboなど各電子書籍ストアにて販売