いつ、どこから飛んでくるかまったく予想のつかない「クソリプ」。毎日炎上芸人・クロちゃんの対応術とは?
今や日本人の7割が利用しているSNS。見知らぬ人同士が交流できるメリットのある一方で、とんでもない角度から罵倒や見当違いのツッコミ(=クソリプ)が飛んできて心を痛めるケースも多い。
投稿するたび、驚くべき数の"クソリプ"が飛んでくるSNSヘビーユーザーの安田大サーカス・クロちゃんに対処法を聞いた。彼の鋼メンタルから学ぶことは?
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クロ もともとは好意的なコメントが多かったんです。それが変わったのは一昨年の5月ぐらいに放送された『水曜日のダウンタウン』(TBS系)。ツイッターに「歩いて帰ります」って書いたのに途中でタクシーに乗ったり、筋トレをしていないのに「筋トレしました」って載せたのが(番組で)バレて、罵詈(ばり)雑言が一気に増えました。
それ以降、「ウオーキング中」って投稿したら、「嘘つけ、タクシー乗ってるだろ!」とか。「ジムでトレーニング」に対しては「バーベルを1回持っただけだろ!」とか。ついには「時間がないので、タクシーで移動中です」と言ったら「嘘つけ! 歩いてるだろ」とか。
──めちゃくちゃですね(笑)。
クロ 朝も「おはよう」ってツイートをすると「また目が覚めやがった」とか「目が覚めなければよかったのに」とか、毎回100~200件のクソリプが来ます。
──やっぱり初めはショックでしたか?
クロ なんでこんなこと言われるのかと。言われっ放しだともっと過激になるだろうから、最初は攻撃してくるやつに「そんなこと言われると悲しいです」とか「心苦しいです」みたいなリプライを返したんです。
でもクソリプを言うやつはどんどん増えて、かばってくれる人にも攻撃が向かいだして。アイドルが「クロちゃんいい人でした」って書くと「わかってない!」って説教が始まったり。
──周りも巻き込まれた!?
クロ なので静観するようにしました。前はブロックもしたんですけど、新しいアカウントでまた送ってくるから気にしないほうがいいかなと。でも今はクソリプを楽しんでます。それをおかずに飯を食ったりしますから。「こんなこと言うか」と。
──どういうのを見ていると飯がおいしいですか?
クロ 丁寧に書いているけど、実は最後にひどいことを書いているとか。「いつもツイート見てます。楽しそうですね。でもあの写真は気持ち悪いんでやめてください」とか。そうきたかと。あとは毎回オリジナルのイラストを描いてきたり、画像を加工して送ってくる人とか、どれだけ手間をかけてるんだろうって。
──リプライが大喜利になってますよね。
クロ 瞬発力がすごいんですよ。僕も返すのは速いですけど、フォロワーもどんどん速くなってます。でもこの前、ファンから「クロちゃんのツイッターはフォロワーが面白くて毎回見ちゃいます」って言われちゃって......。
──本人よりフォロワー!
クロ はがき職人みたいな感じの人が多いんでしょうね。あとクソリプを送ってくるフォロワーが勝手にコミュニティをつくり始めたり。
──ある意味、クロちゃんのファンクラブですね。
クロ けどネタは1割ぐらいですかね。9割はゴリゴリの文句。でも文句を言いながら僕のことを好きな人がいたり。会ったときには「クロちゃん神対応ですね」と言ったのに、相変わらずクソリプを送ってきたり。ファンとの境界線がわからないんですよ。
あとフォロワーがいたずらしてくる。ちょっと前に「クロちゃん川柳」ってハッシュタグと共に、急にたくさんの川柳がタイムラインに流れてきて。「何かの番組(の企画)かな?」と思って。それなら反応しなきゃと自分も書いたんです。盛り上がるように暴露ネタも入れて。
でもいつになっても番組になる感じがなくて、調べたらフォロワーが勝手に始めた企画だったんです。「明日の夜10時に一斉にみんなで #クロちゃん川柳 で流そうぜ」って。それに賛同した人たちがやっていた。それがツイッターのトレンドに入って「やったー」みたいな。
──ただ素人に踊らされてたんですね(笑)。クソリプで悩んでる人にアドバイスはありますか?
クロ クソリプも当てはまることだったら気をつけようって思うけど、見当違いだったらクソだなと思えばいい。それにクソリプが来るのは相手が興味を持ってる証(あかし)。それだけ影響力があるんだって思えば、考え方も変わります。
──でもクロちゃんはメンタルが強いですよね。
クロ 僕の場合は炎が大きいか小さいかの違いで365日燃えていますから。本当に悪かったら謝ればいいと思いますけど。悪くないなら謝る必要ないし。あとはアンチがどうやったらファンになるか考えてますね。
──今の叩かれている状況をひっくり返そうと。
クロ ちょっと前に出川哲朗さんと仕事させてもらったんですけど、僕のツイッターが「昔の俺を見てるみたい」って言ってました。
──出川さんも以前はあらゆる方向からイジられて、でも今は人気者になりました。
クロ 僕も今はひっくり返っている途中だと思います。イベントも若い人や女性が増えていて。昔からやってるギャグで「ハグして挨拶」ってあるんです。前は「キャー!」って逃げられたのが、この間、途中で止めたら残念がる女のコがいて、時代が変わりつつあるのかなって思いましたね。
★続編⇒グラドル・倉持由香のクソリプ対応術「いくら相手にしてもクソリプは経験値ゼロ、戦わない」
●安田大サーカス・クロちゃん
1976年生まれ。安田大サーカスのボケ担当。『パシれ!メロス』(テレビ長崎)レギュラー。最近はゲスいキャラでブレイク中。ツイッターフォロワー約57万5000人