毎年、何百と生まれるインディーズ映画。昨年は『カメラを止めるな!』が大ヒットし、ヒロインの秋山ゆずきら出演者たちは、今も注目の的だ。6月10日(月)発売の『週刊プレイボーイ25号』では、そんな自主映画界に眠る原石を探すべく、『カメ止め』を発掘した池袋シネマ・ロサがオススメする"次にくる"新鋭女優10人を紹介している。
さらに、池袋シネマ・ロサによる、若手俳優にスポットを当てた上映企画『the face』で話題となった女優・根矢涼香(ねや・りょうか)にもインタビュー! PARCOプロデュース、本広克行演出の舞台『転校生』への出演も決まった彼女に、『the face』選出に至るまでの女優人生やインディーズ映画について聞いた。
――演技を始めたきっかけは?
根矢 小学6年生でミュージカルを見たときに初めて自分から「演技をやりたい!」と親に訴えました。
高校までは地元の劇団で、進学を機に東京でも2年ほど舞台に出ていたんですけど、踊りがへたなのと、どうしても嘘っぽくなってしまう自分に気がついて......。できないことよりできることを探そうと自主映画に出るようになりました。
――インディーズ映画出演は役者としての方向転換だったと。
根矢 いわゆる"女優さん"イメージから脱したくて金髪にしていたんですけど、そしたら内田英治監督から「顔がやさぐれてるのでオファーします」って来たんです。それからは背伸びせず開き直って、無気力、やさぐれ、不器用を自分の柱にしてしまおうと(笑)。内田監督には自分を曲げない勇気をもらいました。
――インディーズ映画はとにかく大変というイメージですが、実際のところは?
根矢 大変じゃないところはないと思いますよ。お金、時間、人手、全部ないので。『ウルフなシッシー』(大野大輔監督)なんて、監督とふたりきりで37時間お酒を飲みながら愚痴を言い合う撮影をしてました。でもそれが「第18回TAMA NEW WAVE」でグランプリ、ベスト男優賞、ベスト女優賞を獲(と)ったんです。
――それはすごい。
根矢 でもお蔵入りになったり、「データが飛んだ」って監督が音信不通になることもあるので、完成してお客さんに見てもらうことが一番報われます。インディーズ映画は監督やスタッフと一緒に作り上げる醍醐味(だいごみ)があるので。
――「the face」も周囲のおかげだと。
根矢 ホントにそうです! これが決まる直前、役者として、このまま続けるか悩んでたんですよ。年齢的に周りは結婚や就職で。でも私にはこれしかないし、今回応援してくれる人や仲間たちの顔を見て、自分の信じた道を続ける覚悟が固まりました。
でもキャッチフレーズの"インディーズ界のミューズ"より目指すのは土臭くてやさぐれた"くすんだミューズ"です(笑)。
――でも今度は舞台も決まりましたね。
根矢 そう! 「the face」の熱を背負って上映期間中に受けたオーディションでした。「the face」に選んでいただいたからには、今後につなげて活躍しないと。これからも頑張ります!
■根矢涼香(Neya Ryoka)
1994年9月5日生まれ、茨城県東茨城郡茨城町出身。8月17日(土)から27日(火)には舞台『転校生』に出演。詳しくは本人のTwitter【@ryokaneya】やHP【http://www.neyaryoka.net/】をチェック
■the face
いつか映画の"顔"になるように......そんな思いから銘打たれた特集上映シリーズ。池袋シネマ・ロサで5月に行なわれた「the face vol.2根矢涼香特集上映」は6月22日(土)~28日(金)に名古屋・シネマスコーレで、7月6日(土)、7日(日)は神戸・元町映画館で、7月6日~12日(金)は大阪・シアターセブンにて順次開催。また、今冬には池袋シネマ・ロサで「the face vol.3手島実優特集上映」が開催される