水着姿でライブを行なったり、男性誌でグラビアを披露するなど「今いちばん脱げるシンガーソングライター」として知られる藤田恵名(ふじた・えな)が、2年ぶりとなるアルバム『色者』をリリースした。

バラエティ番組『有田ジェネレーション』(TBS系)のエンディング曲にもなったリード曲『超DIE』をはじめ、日常の出来事や恋愛を題材に溢れ出る熱い感情を、激しいギターとリズムで叩きつけた野心作だ。彼女にアルバムに込められた思いを聞いた。

――2年ぶりのアルバムが発売されましたが、『色者』とはまた意味シンなタイトルですね。

藤田 ずっと前から使いたかったんです。私はずっとイロモノだと思われているし、一方で色っぽい系の活動というか、ビキニでライブやグラビアをしたり。どっちの意味にも合うし、いいかなと。

――今回、アルバムのコンセプトは?

藤田 あらかじめ何かを想定して作ったというより、作っていった曲をまとめて一枚にしたという感じです。だからってわけじゃないけど日々の不満とか怒りのこもった一枚になりました(笑)。甘いラブソングや応援ソングはゼロなんで、心して聞いてほしいです。

――リード曲の『超DIE』は、失恋をテーマにしたギターロック曲。歪(ひず)んだギターに乗って、「ムカつく」とか「引き金引いてくれ」とかドスの効いた声で歌う。迫力満点です。何よりタイトルから危ない匂いがしますね(笑)。

藤田 最初はそんな攻めた曲にする気はなかったんですけどね。タイトルも飼ってる犬がおもちゃを「ちょうだい、ちょうだい」ってせびるので使ってみただけで。でもいつの間にか、それが「超DIE」になり(笑)、どんどん激しさを増していきました。

――特に思い入れがある曲は?

藤田 やっぱり、先にシングルにもなった『月が食べてしまった』ですね。あれは夜にいろんな辛い思いが襲ってきても、寝ている間だけは忘れられるってことを書きました。まぁ、目が覚めたら決して何かが解決されるわけじゃないから、ハッピーな曲ではないんだけど。あとは『新宿』も好きかな。

――生きることの苦悩を新宿の街に喩えた曲ですね。

藤田 東京の場所を歌う曲って、共感が得られないだろうと思って避けてたんです。私自身、地方に住んでた頃、そういう曲には興味を持てなかったし。でもいまは共感なんてどうでもいいと思ってるから感じたことを素直に歌いました。新宿は路上ライブやってたこともあるし、思い入れのある街なんで、曲も気に入ってます。

――自分自身、2年間でミュージシャンとしての変化を感じます?

藤田 感じます。以前に比べ、あたりさわりがない曲に対しどんどんイライラするようになりました。どんどん尖ってきているというか。いまでは、それこそ色者上等!って気分です。

――なるほど。ただ最近はビキニを着てはライブすることはなくなってるんですよね。それはなぜ?

藤田 前から考えてたんです。これまでお客さんが来ない時期から水着に助けられ、感謝の気持ちがある一方、歌で勝負できない自分を水着でごまかしてるのかなとも思って。でもデビューから時間も経ったし、そろそろ歌そのもので評価を受けたくなったんです。

――ある意味、音楽表現に対して貪欲になったと。

藤田 あとビキニを着ることは体型維持もそうだけど、食い込みがとかそういうことを気にかけなきゃいけないのがイヤで、それもありますね。とはいえ、現時点では集客を考えると、やっぱり水着のほうがいいのかなーなんて悩む部分はあるんですけど。

――他媒体は聞かないだろうからあえて聞きますが、もしや胸が大きくなったのでは? 今回の脱衣盤のジャケットを見て思いました。こちらはまた大胆に見せてくれてますけど......(笑)。

藤田 あっ、分かりました? ジャケット撮影前にバストアップのエステに結構、通ったんです。そうしたら見事、FカップからGカップになって! ただ今まで「藤田のFカップ」と言ってたのが言えなくなったので、それは残念だけど(笑)。

――あははは。ところで前の取材の時、恋愛のお話を聞いたら「好きって言われたら意外と好きになっちゃうタイプかも。チョロいかも」なんて言ってましたね。それはいまも......?

藤田 あははは。特に変わらないです。でも、いまは恋愛に関しては何もないですね。そもそもうまくいかない。大体、失恋するか自分から逃げるかなので、幸せに成就することはないです。

――では今までで特に印象に残ってる恋愛は?

藤田 夜逃げしたことです(笑)。彼氏と暮らしてたんですけど、自分の荷物を持って出て行きました。

――夜逃げ! それはまた一体なぜ?

藤田 向こうが働かなくなって、毎日家でゴロゴロするようになったので。最初は「これも人生かな〜」なんて思って暖かく見守ってたんだけど、だんだん「おやおや?」って思えてきちゃって。

――「おやおや」って(笑)。それはやはりダメでしょ。

藤田 だから家を出たんだけどね。今となっては曲作りのネタになったなと思っていますけどね(笑)。

――ちなみに好きな男性のタイプはあるんですか?

藤田 ないです。好きになったらなんでもよく見えちゃう。ただ付き合い出した後もちゃんと自分を大事にしてくれる人がいいけど。

――イケメンは?

藤田 興味ないです(即答)。イケメンって、常に女に困ってない印象がしてイヤなんです。イージーモードで人生をくぐってきたというか。そういう人を見ると、「おい、もっと痛い目にあってみろ!」とか思っちゃってます(笑)。

――いや、そんな怒らなくても。それにしても藤田さんの歌を聴くと不器用な恋をしたり、生きるのが辛い人たちに元気を与えるというか。ある意味、弱い人たちの味方みたいなところがありますね。

藤田 あー、そういう意識は正直、あります。私自身もあらゆる勝負にずっと負けてばかりで、落ちこぼれ的なところがあるので。いくらうまい話でも長いものには絶対まかれたくないって気持ちです。それに曲作りは自分が幸せだとできないんですよね(笑)。

――あははは。ちなみに今後のビジョンは?

藤田 いい歌を作り続けていきたいというのはもちろん、歌に関するいろんなことをやりたいですね。たとえば映像に興味があるので自分のミュージックビデオを監督するとか。それと雑誌のグラビアっていつも何か文章が書いてあるじゃないですか。

――いわゆる「グラビアポエム」ですね。賛否ありますが、週プレのグラビアでは伝統になっています。

藤田 そう。それを書いてみたいです。自分もグラビアやるので、雑誌を見て思うけど、「何それ?」みたいなことが書いてあっることもあって。私、普段、作詞もするので、誰かのグラビアに文章を書いてみたいです。

――なるほど、それは面白そうですね。ちなみにライブでは水着を封印してますけど、グラビアの方は?

藤田 できれば続けていきたいです。まだまだ「今いちばん脱げるシンガーソングライター」でいられればとは思っているので(笑)。

藤田恵名(FUJITA ENA)
1990年7月7日生まれ 福岡県出身
身長160cm B90 W60 H90
◯"いま一番脱げるシンガーソングライター""シンガーソングラドル"としてライブやグラビアで活躍中。最新アルバム『色者』をリリースしたばかり。7月7日には新宿Renyにて、ワンマンライブ「BIKINI RIOT」を行なう。
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