6月5日に行なわれた南海キャンディーズの山里亮太と蒼井 優の結婚会見。夫婦漫才を見ているようだという報道もあった 6月5日に行なわれた南海キャンディーズの山里亮太と蒼井 優の結婚会見。夫婦漫才を見ているようだという報道もあった

ブサイク芸人と美人女優の結婚に日本中が驚いた! しかし、それは「ツッコミ力」を発揮した当然の結果だったのだ。

多くの美女を落としてきたそのテクニックをツッコミ芸人が伝授する!

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■ツッコミは聞き上手で、フォローしてくれる存在

記者 結婚を決めた理由は?

蒼井 (首をひねっている)

山里 首ひねっちゃダメよ。

蒼井 冷蔵庫をちゃんとすぐ閉める。

山里 今の出し方で冷蔵庫だったら、もう、出切った感じだよ。

蒼井 あと、優しいです。

山里 ざっくり。

6月5日に行なわれた結婚会見で、蒼井 優さんに突っ込む南海キャンディーズの山ちゃん(山里亮太)の姿が印象的だった。

お笑い芸人と美女のカップルは、これまでにFUJIWARAの藤本敏史(としふみ)と木下優樹菜や、アンジャッシュの渡部 建と佐々木 希などが有名だが、山ちゃんも含めてみんなツッコミ担当だ。

ツッコミには美女を落とす何か特別なテクニックがあるとしか思えない。

FUJIWARAの藤本敏史と木下優樹菜は2010年に入籍。当時、美女と野獣の結婚と話題になった FUJIWARAの藤本敏史と木下優樹菜は2010年に入籍。当時、美女と野獣の結婚と話題になった

アンジャッシュの渡部 建と佐々木 希は2017年に結婚。渡部が『行列のできる法律相談所』(日本テレビ系)で結婚発表をした アンジャッシュの渡部 建と佐々木 希は2017年に結婚。渡部が『行列のできる法律相談所』(日本テレビ系)で結婚発表をした

「ツッコミの人は、ボケの人の話をちゃんと聞いて、いいタイミングで話しますよね。これは聞き上手ということです。女性は自分の話をきちんと聞いてもらえることがうれしい。だから、モテるのは当然です」

そう話すのは恋愛アナリストの坂田陽子氏だ。

「結婚会見で、結婚を決めた理由を聞かれた蒼井優さんがしばらく黙っていると、山里さんはフォローを入れました。自分をフォローしてくれる人には、安心感や頼りがいを感じます。女性が会社の先輩を好きになるのは、仕事などで自分をフォローしてくれるからです。

また、ツッコミの人は『それ違うよ!』みたいな指摘をしますよね。これも『私のことを考えてくれているんだ』という気持ちにさせます。

イケメンの人は何もしなくてもモテるので、そうしたテクニックを持っていることが少ない。だから女性は、自分のことをあまり考えてくれないイケメンよりも、いつもフォローしてくれるツッコミの人を選ぶことが多いと思います」

■状況を説明すれば、ツッコミになる

小峠英二(バイきんぐ) 1976年生まれ。相方は西村瑞樹(ボケ担当)。『陸海空 こんなところでヤバいバル』(テレビ朝日系、毎週月曜23時20分~)などに出演中 小峠英二(バイきんぐ) 1976年生まれ。相方は西村瑞樹(ボケ担当)。『陸海空 こんなところでヤバいバル』(テレビ朝日系、毎週月曜23時20分~)などに出演中

では、そのモテる「ツッコミ力」をどう身につければいいのか? 今年1月『ナカイの窓』(日本テレビ)の「最高のツッコミをする芸人ランキング」で1位になったバイきんぐの小峠英二氏にツッコミの基本を聞いた。

「基本は『なんでだよ!』『ウソだろ!』『そんなことあるわけねえだろ!』の3つです。

例えば、飲み会で乾杯した後に誰かがジョッキのビールを半分くらいまで一気に飲んだとします。そこで『なんでだよ! よく、一気にいくね』と言えばいいんです。

『なんでだよ!』と言った後に、状況説明をしたり、自分の気になっていることを言うだけ。

女のコがつけている指輪が光っていたら『なんでだよ! その指輪、めちゃめちゃ光ってんな』というふうにつけ加えるだけです。

実は今日、テレビ番組の収録があったんですが、楽屋がいつもの場所じゃなくて、奥のほうだった。だから『なんで、こんな奥まったとこに連れてくるんだよ!』って言いましたが、これもただ状況を説明しているだけですから」

そういえば結婚会見で、結婚を決めた理由を聞かれたとき、蒼井 優さんは首をひねっていた。すると山ちゃんは「首ひねっちゃダメよ」と突っ込んだ。確かにこれもただ状況を説明しただけといえる。

「それから、女のコと食事をしていて、嫌いなものを残していたら、『それ嫌いなの?』だけだとツッコミにならないので、『ほかにも嫌いなものある?』と聞いて、女のコが『これとこれとこれ』と言ったら、『いや、多いな!』と突っ込むとか。

無理して一度で決めようとしないほうがいいですね。突っ込めるワードが出てくるまで待つのも大切です。

それから、これはちょっと上級編なんですが、僕はあまり人が使わないような言葉を使って突っ込むことが多いんです。食事をしながら女のコの話を聞いてるときに『その話、面白いね』じゃなくて『その話、かわいすぎるね』と言う。

誰かがバカなことを言ったら『おまえ、バカかよ!』じゃなくて『おまえ、クレイジーかよ!』と突っ込む。

すると、その場に多少のお笑いの空気が生まれますね。って今日の俺はマジメかよ!」

■ツッコミは愛情。どれだけ観察するか

井口浩之(ウエストランド) 1983年生まれ。相方は河本 太(ボケ担当)。『ウチのガヤがすみません!』(日本テレビ・火曜23時59分~)に不定期出演中 井口浩之(ウエストランド) 1983年生まれ。相方は河本 太(ボケ担当)。『ウチのガヤがすみません!』(日本テレビ・火曜23時59分~)に不定期出演中

そして、もうひとり。とにかく長すぎるツッコミで注目されているのが、ウエストランドの井口浩之氏だ。

「僕は子供の頃すごくマジメで、ふざけている友達を注意していたんです。『ダメだよ、そんなことしちゃ』『なんでそんなことするんだよ』って。

僕のツッコミは、その注意の延長なんです。だから、マジメな人でもツッコミはできますし、ツッコミは『お客さんの気持ちの代弁』なので、逆に常識がわかっている人じゃないと突っ込めないかもしれません。

それから、僕のツッコミの基本はオウム返しなんですよ。『おまえ、ネズミみたいだな』って言われたら『いや、ネズミじゃないですよ!』って言い返す。とりあえず、それで簡単なツッコミは成立します。で、そこにプラスするなら『ドブ走っているの見たことありますか?』とか、理由や説明を言うんです。

奇をてらったツッコミを意識すると、おもしろくなくなっちゃうので普通でいいんです」

小峠氏の「なんでだよ!」も井口氏のオウム返しも、基本はとにかく簡単。その後に、どんな理由や説明を加えるかが、ツッコミの腕の見せどころなのだ。

さらに、それが彼女をフォローする内容だったりすれば一気にモテ度が上がる。

「ちょっとしたミスを笑いに変えられると、相手との関係や距離感も縮まりますよね。例えば、イベントで司会者がかんだら『リハーサルのときはちゃんとできてたのに、本番だとめちゃくちゃかんでんじゃねえか』と突っ込めば、ミスが少し薄まります。

居酒屋さんで女のコが注文をして『それ、うちにはないんですよ』と店員さんから言われたら、何も言わないんじゃなくて『メニューにないもん頼むなんて、どんだけそれが好きなんだよ』とフォローすれば、女のコも恥ずかしくなくなります」

確かに結婚会見で感じられた蒼井 優さんの山ちゃんに対する信頼度はかなりのものだった。

ツッコミは、とにかく愛情なんです。どれだけ相手のことを観察しているか。どれだけ気が利くか。くだらないことでも無視しない。ちゃんと拾ってあげる。おやじギャグだってちゃんと返してあげる。とにかく、何か言ってあげることが大切なんです。

一般の社会では、ボケる人は多くても、突っ込む人はそれほど多くないでしょう。だからこそ、貴重な存在になれるかもしれません。

今回の結婚は、本当にツッコミの僕に夢を与えてくれました。僕も後に続きます。僕は吉岡里帆さんがタイプなんです。あとは出会うだけです。皆さん、2ヵ月後を楽しみに待っていてください」

待ってねえよ!