(左から)浅沼監督、上田監督、中泉監督、井桁、石川、紅甘、佐伯、斉藤

13日、「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2019」(7月21日まで開催)のオープニング上映で、映画『イソップの思うツボ』(8月16日[金]より全国公開)の舞台挨拶が行なわれ、共同監督である浅沼直也上田慎一郎中泉裕矢、そして主演を務めた石川瑠華井桁弘恵(いげた・ひろえ)、紅甘(ぐあま)の3人と斉藤陽一郎佐伯日菜子が登壇し、撮影の舞台裏を明かした。

同作は、昨年ブームとなった『カメラを止めるな!』の上田監督、そしてその『カメ止め』に関わった浅沼、中泉の3人が監督に、さらに、井桁など若手女優として注目を集める3人がトリプル主演とあって、制作段階から話題の一作だ。

(キャプ)9日間しか撮影日数がなく「監督同士で揉める暇もなかった」と話す上田監督

家族ぐるみで仲は良いが、それぞれ境遇の異なる少女3人が奇想天外な出来事に巻き込まれていく様を描いた今作。「騙し合いバトルロワイヤル」と銘打ち、3家族それぞれの正体に迫っていくストーリーとなっている。

イベント冒頭では、監督3人の出会いが話題に。3人は2012年の同映画祭が初対面で、浅沼監督は「3人がこの映画祭で出会って、まさかこういう日が来るとは思ってなかった。(作品に対して)僕もすごくワクワクしています」とコメント。

「3人の熱量が加わるとこっちも圧迫されているなかで、すごい経験をしたなって今、振り返っても思います」と3監督の印象を明かす石川

しかし、浅沼、上田両監督は、出会った当時の中泉監督に対して、「とっつきにくかった」そう。その後、「マブダチになった」(浅沼監督)と話すと、それを聞いた上田監督は「ある取材で(浅沼監督が)マブダチって言った後に『マブダチじゃないわ』っていうやりとりをしたら、ウケが良くて何回も使っているだけなんです」とすかさず解説。

また今作のきっかけについて誰が言い始めたか聞かれると、「3人で同時に言ったことにしようって。手柄を取りにいくのはやめて」(中泉監督)など、いろいろな内幕を明かし、会場からは笑いが起こっていた。

「よくわからなかったですね(笑)。監督が3人いるんですけど、もはやひとりもいない」と話す紅甘

ステージ上ではばっちりな掛け合いを見せた3人だったが、現場では監督が3人もいたため、出演者は困惑することもあったそう。

ヒロインのひとりである井桁は、「シーンごとに監督が違うので、まず、どなたに相談したら良いかを相談する、みたいに2段階の相談をしていました。ですがその分、いろいろなアイディアが出たり、いろいろな議論をさせてもらったりと本当に楽しく、充実した映画となりました」と上手くフォローしながら、3人監督がいる大変さを語っていた。

「シーンごとに監督が違う」ため戸惑っていたと明かす井桁

そんな井桁の印象について、浅沼監督は「井桁さんは太陽。それくらい明るくて、役に合っていて素晴らしかった」と称賛。この日も3監督や共演者たちの話に大きなリアクションをとっていた井桁は、「そんなことないです」と照れながら全力で否定していた。

井桁、石川、紅甘の3人の次世代ヒロインが活躍を見せる内容となっている同作品。この日の最後に中泉監督は「3人のヒロインをとても魅力的に撮っている映画。注目して観てほしいです」と話し、舞台挨拶を締めくくった。

3人のヒロインにも注目!