いま、日本全国で「トラガール」がアツい!
「トラガール」とは「女性のトラックドライバー」のこと。ネット通販の急増や、若者のクルマ離れなどでトラックドライバーの人材不足が深刻化する中、業界と国が尽力し、トラガールが増えているのだ。
今回、紹介する松浦千聡(26)さんは、愛媛県で働く"長距離"のトラガール。何日にもわたって、日本中を走り回り、荷物を運んでいる。
ーーもともとどんな経緯でトラックドライバーに?
松浦 5年前に運送会社でバイトをしてたら、社員にならないかって誘われたんです。でも事務はイヤなんで、免許を取ってドライバーとして働くようになりました。
ーーなぜ事務はイヤだったんですか?
松浦 やっぱり女性がトラックに乗るのってかっこいいじゃないですか(笑)。友達にも自慢できるし。あと自分のお父さんがトラック運転手をやってたんで、その影響もありますね。
ーーいまのお仕事は?
松浦 4トントラックに乗って、"長距離"をやってます。会社は愛媛にあるんですけど、そこから資材、食品......なんでも全国に届けます。
ーー長距離トラックの仕事って、かなりハードなのでは?
松浦 そうですね。何日も帰れないことも多いし。早朝に荷物を下ろして、昼に荷物を積んで、また別の場所まで夜通し行く、みたいな。先週は大阪まで行って、さらに山梨、群馬へ行ってきました。来週は東北まで行く予定です。
ーーなかなか帰宅できないと、彼氏にも会えないから辛いんじゃないですか?
松浦 彼氏は理解してくれているんで大丈夫です(笑)。辛いといえば、それよりもシャワーですね。普段はパーキングエリアを利用するんですけど、24時間稼働してないところもあるから、入りたい時に入れないこともあって。最近は各地の温泉とかを探して、先に入ってから高速に乗りますね。
ーーお化粧はちゃんとするんですか?
松浦 それはやっぱり女性の身だしなみですから(笑)。こういう仕事だからこそ、そのあたりはちゃんとしておかないと。
ーー女性でよかったなと思うことなんてあります?
松浦 やっぱり現場に行くと気遣ってくれますね。他のドライバーさんから怖いって聞いていたお客さんが、すごく丁寧にしてくれたり。どこに行っても大体、優しいですよ。でもきついことを言われれることもありますけどね。「なんで女が来るんだ!」みたいな。そんなの、自分に言われてもって感じですけど(苦笑)。
ーー仕事のやりがいは?
松浦 なんといっても達成感があることですね。荷物の積み込みから自分でやるんで。以前、段ボール6000枚を時間をかけて積み込んだことがあって。
ーー段ボール6000枚! それ、相当きついでしょ!?
松浦 めちゃくちゃ大変でした(笑)。でも届けた時はものすごい充実感があって。この仕事をやってなければ、きっとそんな気持ちにはならなかったと思いますね。あとはやっぱり毎日のように日本中のいろんな景色を見られることですね。
ーー日本中を走るんですもんね。
松浦 いつもクルマの中でいろんな音楽を聴くんですけど、ドリカムとか倖田來未などの大好きな曲と富士山の景色と重なった時なんて本当に最高です。「この仕事やってたよかったなー」って心から思います。もっともっと日本中を走り回りたいですね。
●松浦千聡(まつうら・ちさと)
愛媛県出身。21歳でトラックドライバーに。現在は40人ほどの運送会社の中で唯一の女性長距離ドライバー。気分転換は友人と楽しく飲むこと。ビール10本は余裕だとか。
★『週刊プレイボーイ32号』(7月29日発売)のカラー特集「GO! GO! トラガール」では、松浦さんのほか、魅力溢れる6名のトラガールを紹介!