イベントに登壇した唐澤氏、森田先生、タカハシ氏(左から)
『ろくでなしBLUES』『ROOKIES』『べしゃり暮らし』などで知られる漫画家・森田まさのり先生が、自身の人生や漫画について初めて語った書籍『べしゃる漫画家』(小社刊)が絶賛発売中!!

9月21日(土)には刊行を記念したスペシャルトークイベント「漫画と笑いとM-1のウラ話」が新宿『おとなのジャンプ酒場』にて行なわれた。イベントの出演者は森田先生、書籍内の全写真を撮影した写真家・タカハシアキラ氏、インタビューや対談記事を担当したライター・唐澤和也氏の3名。そのイベントの一部をレポート!

■ファンも知らない裏話が満載! 『べしゃる漫画家』の読みどころは?

唐澤 今回の書籍で「ここを読んでほしい」というポイントは?

森田 中学生のときのエピソードで、「躍動」をテーマにクラス対抗で絵を描くコンテストがありました。僕と石橋くんという人がクラスの代表で絵を描いていたのですが、僕は石橋くんの描いた部分が気に食わず、彼の描いた所を消して、自分ひとりで描いてしまったんです。それで......優勝しました。そういうところを読んでほしいですね。

唐澤 そこですか(笑)。先生の謙虚ながらも負けず嫌いなエピソードは多く出てきますね。他にも先生が「神」と崇める伊集院光さんとの対談記事も掲載されています。

森田 「神」なので直接会うのはお断りしていたのですが、伊集院さんが「会いたい」と言ってくださったので......。僕がしゃべりで一番尊敬しているのは伊集院さんなんです。実は『べしゃり暮らし』の連載が始まってから初めて伊集院さんのラジオを聞いたのですが、もし先に彼のラジオを聞いていたら、『べしゃり暮らし』は漫才でなくラジオの漫画になっていたかもしれません。

タカハシ 対談終了後に森田先生から「タカハシくん、残ってて」と言われたから何かと思ったら、ふたりきりになった瞬間「は~~緊張した~~!」と。で「とりあえず話を聞いて」と1時間くらい感想を聞かされました(笑)。

森田 対談では緊張してほとんどしゃべれなかったので(笑)。

唐澤 本の中には、名作の誕生秘話など、他にも読みどころがたくさんありますね。『ろくでなしBLUES』の鬼塚が生まれた理由とか。

森田 あ~。なんで鬼塚の学校を渋谷にしたかというと、前田太尊たちがいる吉祥寺に井の頭線で乗り込むところが描きたかったからなんですよね。電車の扉から鬼塚軍団が出てくるあのシーンが描きたくて、井の頭線の逆の起点・渋谷を選びました。

唐澤 いや、先生。それ僕もいま初めて聞きましたよ! 本の中で紹介してる森田作品の100カットの中に、そのシーン入れたかったな......。

森田 言ってなかったっけ? ちなみに薬師寺は「吉祥寺、渋谷ときたから、もう少し下町がいいかな」という感じで浅草に決めました。

唐澤 という感じで、今回の書籍にはファンでも知らない秘話が多数詰まっています!

■M-1ベストアマチュア賞コンビ、サプライズで新ネタを披露!!

イベントの最後はサプライズゲストとして、お笑いコンビ「漫画家」の森田先生の相方であり『キッドアイラック!』などで知られる長田悠幸先生も登場。今年はM-1へのエントリーは見送られたとのことだが......なんと、新ネタを披露!

お笑いコンビ「漫画家」として長田先生(右)と新ネタを披露

森田先生の「妖怪って信じる?」というセリフから、「妖怪インクこぼし」など様々な"漫画家あるある"を展開。「妖怪作者取材のため」に関しては、「原稿遅れただけやろ!」「『ハンター×ハンター』の作者はいつまでどこで何を取材しとんねん!」などと漫才師としての森田節を繰り広げた。

会場では爆笑が起こり続け、イベントは盛況のうちに終了。

「しゃべるのが上手ければお笑い芸人になりなかった」と語った森田先生が「漫画」と「笑い」についてしゃべり尽くした『べしゃる漫画家』......イベントでは語り切れなかった秘話も盛りだくさんなので、ぜひご一読を! 

■『べしゃる漫画家』の詳しい情報はこちら【https://yomitai.jp/book/moritamasanori/