下ネタソングでおなじみ、どぶろっくの森 慎太郎(左)と江口直人(右) 下ネタソングでおなじみ、どぶろっくの森 慎太郎(左)と江口直人(右)

5歳からの幼なじみコンビ・どぶろっく、森 慎太郎(もり・しんたろう)と江口直人(えぐち・なおと)が『キングオブコント2019』王者に輝いた。

どぶろっくといえば、「もしかしてだけど~」や「〇〇な女」などの下ネタソングでおなじみだが、今大会では新境地となる"下ネタミュージカル風コント"を披露。

お笑いジャーナリストのインタビューマン山下が彼らに現在の心境を聞いた!

* * *

■ケンコバが低い声で「ほかの大きな大会でやったほうが......」

――『キングオブコント2019』(TBS系)優勝おめでとうございます! 祝福のLINEがすごかったんじゃないですか?

 優勝直後、楽屋に戻ったら270通くらい来てました。事務所の先輩のずん・飯尾(いいお)さんからは「お見事」とひと言いただきました(笑)。すごくうれしかったですね。

江口 すぐ両親に電話しましたが、泣いて喜んでました。

――今回8年ぶりにキングオブコントに参加。エントリーを決めたのはなぜですか?

 キングオブコントで1本目にやったネタを、昨年の12月に『シモネタGP2018シモ半期』(AbemaTV)でやって優勝させてもらったんです。その番組終わりでケンドーコバヤシさんに挨拶したんですが、「あのネタ、もっと大きな大会でやったほうがええんちゃうか?」って言ってくださって......。

コバヤシさんがMCの番組なのに「こんな大会でやらんでいいで」って、いつも以上に低い声で言われました(笑)。

江口 窓ガラスが揺れるぐらい低かったです(笑)。

――ウーハーばりの低さで(笑)。コバヤシさんにそう言わせるほど、完成度が高かった。

 コバヤシさんからそういった助言もあったんで、「このネタをキングオブコント決勝で見せられれば、僕らにとっていいきっかけになるんじゃないか」と相方に話しました。

――それを聞いて江口さんはどう思ったんですか?

江口 いや、こいつは何を言いだしてるんだと(笑)。「コントの大会だぞ」と思って。

――江口さんにはコバヤシさんのウーハーがまったく響いてないじゃないですか。

江口 いや、響いたんですけど......。俺らはずっと歌ネタをやってきたんで、コントの世界にそう簡単に足を踏み入れていいものかと悩みまして。

 相方はコントに対して思い入れがあったから、自分たちのネタはコントじゃないんじゃないか、と自問自答を繰り返したんだと思います。

――エロいネタばっかり考えている割に、めちゃくちゃまじめじゃないですか(笑)。

江口 お恥ずかしい(笑)。

■"イチモツ"は文化的な薫りがする

――デビュー当時から下ネタキャラだったんですか?

江口 最初はコントとか漫才をやっていましたけど、最初から下ネタが多かったですね。

 当時やっていたのは「相撲の新弟子検査にAV男優がやって来る」ってネタとか。

――面白そうですね(笑)。

江口 あとは「ラーメン屋の店内にあるテレビでずっとAVが流れている」ってネタとか。

 だから面白がってることはコンビを組んだ当初から全然変わってないんです。

――そこからずっと下ネタを貫き、芸歴16年目にしてのキングオブコント優勝です。

 ファイナリストの中で僕らが唯一の40代でした。

江口 でも40代がやるネタじゃないですもんね。精神年齢は中2ですから(笑)。

――今回、"イチモツ"というワードを連呼するネタでした。それに対して、「子供にどう説明するんだ」という意見も出てますが、いかがでしょう?

江口 僕らはこれまでにだいたい300くらい、チ〇コを別のモノにたとえてきたんですよ。

――たとえましたね(笑)。

江口 ペットボトルとか棒状のものはだいたいたとえてきました。街中を歩いていても、棒状のものを見ると「あれはたとえられるかな?」みたいな(笑)。そのなかで"イチモツ"という表現はどこか文化的な薫りがするなと思っていまして。

――今回は番組がゴールデンタイムということも想定して、"イチモツ"をチョイスしたんですね。でも朝の生放送番組で「賞金で後輩にラブドールを買ってあげたい」と発言されてましたよね。あれはどうなんですか?(笑)

江口 深夜番組ばっかり出てたんで、ボーダーラインがわからなくなってるんです(笑)。

 相方として止めなきゃいけないんですけど、僕もまんざら間違いでもないんじゃないかと思っちゃって。

――森さんもGOサインを出したんですね(笑)。

 もうセンサーがバカになってますね(笑)。

■「我慢汁」発言への嫁の反応は?

――優勝が決まった瞬間に江口さんは涙を流していましたが、それをMCのダウンタウン浜田さんに指摘され、「涙じゃなくて我慢汁です」と言って笑いを取ってましたね。

江口 あれは奥さんに怒られました。「ただ泣いてればよかったのに」って(笑)。

――やっぱり奥さんや身内は下ネタをイヤがるんですか?

 いや、ウチは嫁から「我慢汁がよかったね」って(笑)。

――対照的ですね(笑)。

 嫁の口から我慢汁という言葉を初めて聞いたので妙に興奮しました(笑)。

――(笑)。両親は下ネタに対してどう思ってるんですか?

江口 僕は親に「見て」とも言わないし、親もそういう仕事とわかっているので「やめて」とも言われないですね。だからといって、家族みんなでネタを見ることもないですけど。

――江口さんの話を聞いてると、なんだかAV男優の方にインタビューしてるように思えてきました(笑)。

江口 マジで同じなんですよ!(笑)。男優さんの気持ちはすごくわかります。

 ウチも親父がものすごく厳格なんで、ネタの感想はいつも絶対に言わないんですよ。でも今回は思いきって、「俺らの下ネタをどう思ったの?」って聞いたら、「ふたりが歌うとなんか聴けちゃうんだよね」って言うんです。「あれ? 親父って意外とエロが好きなの?」と思いました(笑)。

――エロ好きはまさかの遺伝ですか?(笑)。では最後に、今後の抱負をお願いします。

江口 今までと変わらず、これからもいろんな下ネタソングを作ってみたいなというのはあります。それで『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)に出たいですね。

 あの階段を降りてみたいです(笑)。

●どぶろっく 
浅井企画所属。2004年にコンビを結成し、「もしかしてだけど~」などの下ネタソングでブレイク。コンビ名の由来は「どぶのような男(森)」と「ろくでもない男(江口)」