AKB48グループの歌姫を決める戦い『第2回AKB48グループ歌唱力No.1決定戦』が10月31日(木)にTBS赤坂ACTシアターで行なわれ、先日グループからの卒業を発表し、ファンに衝撃を与えたAKB48のスーパールーキー矢作萌夏(やはぎ・もえか)が優勝を決めた。

この日は135人が参加した予選を勝ち抜いた19人が4つのブロックに分かれ、生バンドをバックに歌を披露。各ブロックの熱戦の模様を振り返っていこう。

【予選】

第1組 立仙愛理(AKB48)、峯吉愛梨沙(STU48)、山内鈴蘭(SKE48)、山崎亜美瑠(NMB48)

まずはAKB48チーム8のパフォーマー立仙が『決戦は金曜日』で会場を一気に温める。今大会最年少の峯吉はジュディマリの『そばかす』。ステージを駆け回る元気なパフォーマンス。この大会のために好きな酒を止めたという山内は『どこまで~How Far I'll Go~』を表情でも魅せる。予選2位の山崎、「緊張で吐きそうになった」と言いながらも、MISIAの『Everything』を抜群の安定感で歌い上げた。
→決勝進出=峯吉愛梨沙、山崎亜美瑠

峯吉愛梨沙(STU48)山崎亜美瑠(NMB48)

第2組 坂本愛玲菜(HKT48)、神志那結衣(HKT48)、高柳明音(SKE48)、小田えりな(AKB48)、秋吉優花(HKT48)

事前予想でもっとも激戦と言われたブロック。ソロでフジテレビの音楽番組に出演経験のある坂本は奥華子の『初恋』。声量は大きく、感情の入り込みも抜群だ。神志那は肩出しの着物風衣装で山口百恵の『絶体絶命』を歌った。11年目の高柳はKの『Only Human』をしっとりと、感情たっぷりに歌い上げる。小田えりなは清竜人の『痛いよ』。マイクを両手でつかみ体全体で声を響かせる。ラストは予選4位の秋吉。「今まで一番心をこめられた」と振り返ったように『友達の詩』をまったくブレのない圧倒的な歌唱力で魅せた。
→決勝進出=高柳明音、秋吉優花

高柳明音(SKE48)秋吉優花(HKT48)
第3組 浅井七海(AKB48)、横山結衣(AKB48)、明石奈津子(NMB48)、三村妃乃(NGT48)、岡田奈々(AKB48/STU48)

「去年はテレビの前で見ていた」と話した浅井は『何度でも』を安定感のある声で歌う。48グループのトップダンサー横山は体を揺らしながらUAの『情熱』を歌う。ソロシンガーが夢という明石はゆったりと歌声を響かせる。今回一番驚いたのがNGT48の研究生三村。ミュージカル『レ・ミゼラブル』の『オン・マイ・オウン』を世界観ばっちりに歌い上げ、観客の心を一気につかんだ。ラスト予選1位の岡田は加藤ミリヤの『WHY』、ステージ経験豊富なだけあって、力強い声で音程もばっちり、さすが優勝候補だ。
→決勝進出=三村妃乃、岡田奈々

三村妃乃(NGT48)岡田奈々(AKB48/STU48)

第4組 峯岸みなみ(AKB48)、門脇実優菜(STU48)、白井友紀乃(SKE48)、豊永阿紀(HKT48)、矢作萌夏(AKB48)

前回大会に心を動かされ参加を決めたAKB48のレジェンド1期生の峯岸が歌うのはback numberの『幸せ』。歌については昔から定評があっただけあって相変わらず上手い。今大会で一番の衝撃を与えたのが門脇、まさかのアニソンをチョイス! アイドルマスターシンデレラガールズによる『メルヘンデビュー!』。「私という人を知ってもらえるんじゃないか」と振り返ったように大きな足跡を残した。白井は小柳ゆきの『愛情』。会場のファンに拍手を求めて会場を盛り上げる。豊永は歌唱希望曲が峯岸とカブるも、じゃんけんに勝利。Doughnuts Hole『おとなの掟』をテンポよく歌いあげた。ラストは予選3位の矢作。普段はアイドルキャラの彼女だが、上白石萌音の『なんでもないや』を情感たっぷりに歌唱した。
→決勝進出=豊永阿紀、矢作萌夏

豊永阿紀(HKT48)矢作萌夏(AKB48)

決勝戦

1番手の峯吉が選んだのは小泉今日子の『夜明けのMEW』。中学生ながら安定感抜群で音程をまったく外さない。岡田は「失恋したすべての皆様へ」と小柳ゆきの『あなたのキスを数えましょう』。伸びやかな声で会場に美声を響かせた。緊張した表情で決勝に臨んだ矢作はChe'Nelleの『Believe』を歌い、応援に駆け付けたファンに魂を届けた。初戦で話題を集めた三村は高橋洋子の『魂のルフラン』。ミュージカル調の伸びのある声で完璧に歌いあげる。挑戦的な曲と宣言して秋吉が選んだのはホイットニー・ヒューストンの『I will always love you』。象徴的なサビの部分もブレることなく、見事にぶちかました。1位を狙う山崎はREINA starring YUNA ITOの『ENDLESS STORY』。普段はほんわかした雰囲気だが、歌い始めると一気に世界が変わる。「ACTシアターに似合う曲を選んだ」と話す豊永は荒井由実の『翳りゆく部屋』。ベテランシンガーのような雰囲気で会場を魅了。ラストの高柳は今井美樹の『PIECE OF MY WISH』。「練習で感情移入して泣きそうになった」と話したように、これまでの彼女が詰まった歌唱で感情を大いに動かされた。

誰が勝ってもおかしくない決勝戦、3位は三村。「ドッキリじゃないですか!」と驚きながらも「昨年は予選落ちだったけど、1年頑張り続けてよかったと心の底から思いました」とコメント。審査員の加藤いづみは「伸びしろを感じて、応援したいと思ったのが得点につながった」と話した。

2位となったのは山崎。「1位がよかったです」と悔しそうな表情。審査員の佐藤嘉風は「まだ研究生ということで、これからも楽しみにしています」とエールを送った。

そして1位に輝いたのは矢作。審査員のゴスペラーズ黒澤薫は「ただ上手い人が歌っているだけじゃなくて、上手い人が努力してたどり着いた結果。誇りをもってほしい」と賞賛。矢作は涙を流しながら「自慢の推しメンと思ってもらえる結果が出て本当に良かったです!」と話した。

AKB48グループメンバーによる歌のガチンコ勝負、総選挙やじゃんけん大会に並ぶコンテンツに成長していってほしい。今回の模様は11月28日(木)深夜にTBSテレビ。舞台裏映像を追加した完全版は11月30日(土)にCS放送TBSチャンネル1で放送予定。