吉岡里帆が、12月23日(月)発売の『週刊プレイボーイ1・2合併号』で表紙&巻頭グラビアに登場した。約1年4ヶ月ぶりとなるグラビアは、アーティスト・清川あさみさんがプロデュースした「吉岡里帆×猫」のキュート&セクシーなファンタジー世界。
2019年も映画、ドラマ、CMと大活躍。2020年も早々に世界的劇作家の舞台に出演するなど、その勢いはとどまるところを知らない彼女は、どこへ向かおうとしているのか――?
■初めから変わらないグラビアにおける目標
――今回のテーマは「吉岡さんが猫の世界に迷い込んだ......」ということで、これまでになく楽しいグラビアですね。
吉岡 今回はアーティストの清川あさみさんにプロデュースしてもらいました。あさみさんとはプライベートでも仲良しなんですけど、私のことを「猫っぽい」と言ってくださっていて、そこで全編、猫絡みの撮影をしてみようということになりました。
――特に印象的なカットは?
吉岡 ヒゲのアイデアは意外性があって面白かったです。(日清の)「どん兵衛」のCMでキツネの耳をつけて撮影していますが、「猫のヒゲを顔に描く」という発想は出てこなかった(笑)。あと"ガリバー"のシリーズも遊び心があって楽しかったです。
――今回はなぜオファーを受けてくれたんですか?
吉岡 久しぶりに週プレさんからお声がけいただいたのもうれしかったですし、あさみさんほか大好きなスタッフの方々と一緒に面白い誌面を作れたらなと思って!
――吉岡さんにとってグラビアの面白さとはなんですか?
吉岡 自分の姿や気持ちは変化していくもので、その一瞬を写真に収めてもらえることだと思います。良くも悪くもそのときの自分がそこにいるというか。その時々で変わっていく内面まで映し出されるところが面白いなと思います。
でも一方で、初めて撮影していただいたときからずっと変わらないものもありますよ。それは読者の方々が、いつまでも手元に残しておきたいと思えるグラビアを目指すこと。これは最初から編集さんともマネジャーさんとも話し合ってきた私の目標です。今回ももちろんそのつもりで撮影に臨みました。とにもかくにも、読者の皆さんが、ほっこり楽しんでくださったらうれしいです。
■一番楽しいのは稽古。一番つらいのは本番
――ところで2020年の1月からは吉岡さんにとって約3年ぶりとなる舞台公演『FORTUNE(フォーチュン)』が始まりますね(2020年1月13日〈月・祝〉~3月1日〈日〉、東京芸術劇場プレイハウスほか、長野、大阪、北九州でも公演予定)。これはイギリスを代表する劇作家、サイモン・スティーヴンスの新作だとか。
吉岡 はい。私はもともと小劇場の出身ということもあり、ずっと舞台をやりたくて。世界的に活躍する方の作品に出演できるというのは光栄なことですし、本当にうれしいです。
――本作は『ファウスト伝説』を現代のロンドンの映画業界に舞台を置き換えて書かれています。映画監督として活躍する主人公・フォーチュンが悪魔と契約し、欲望を叶(かな)えるため奔走します。吉岡さんはフォーチュンが思いを寄せる映画プロデューサー、マギーを演じますが、どんな女性ですか?
吉岡 ひと言で言うと知的で自信に満ちている、強い精神を持つ女性。信心深く、目に見えない「愛」の存在を心から信じているんです。
――吉岡さんはどちらかというと可憐(かれん)な役を演じることが多かったので、想像がつかないです(笑)。
吉岡 今までやってこなかったタイプだと思います。役柄はとても難しいですが、映画プロデューサーである彼女とは仕事は違っても身を置く業界は同じだと思うので、「いい作品を作りたい、そしてたくさんの人を驚かせたい」という姿勢には共感します。そこを足がかりにしたいです。
――舞台って、出演オファーに始まり延々と稽古して、何度も本番をやってようやく千秋楽......と、期間が実に長いですけど、吉岡さんが一番好きなのはどの部分ですか?
吉岡 稽古期間が特に好きです。共演者さん、スタッフさん、演出家さんら全員とダイレクトに意見を交わしながら積み上げていく。それが楽しいし、しかも日々、少しずつ良くなっていくのを実感できるんです。そうして完成したものをお客さまに直接届けられることが、舞台の醍醐味(だいごみ)だと私は感じます。
――逆に、一番つらいのは?
吉岡 本番です。映像と違ってやり直しが一切利かないですから。今回も、楽しみでもありますが毎日ものすごいプレッシャーと闘って演じることになると思います......。
――今まで失敗したことってあるんですか?
吉岡 実はあります(苦笑)。『ナイスガイ in ニューヨーク』(2016年12月公演。福田雄一が演出を手がけた喜劇作品)に出演したときのことです。酔っぱらうシーンがあったんですけど、不安だったので出番前に舞台裏でずっと酔っぱらう演技をして準備していたんです。それで、舞台に出る扉にちょっとだけ寄りかかったら、そのまま「バーン!」と開いてしまって。
――えっ! そ、それで、どうなったんですか!?
吉岡 舞台上にいた共演の井上芳雄さんと間宮祥太朗さんがこちらを見て固まっているのを感じました。でもその後おふたりがアドリブでしのいでくださって、助けられました......。演出の福田さんは笑ってくださいましたけど、終演後、全員に全力で謝りました。今でもあのときのことを思い出すと冷や汗が出ます(苦笑)。
――吉岡さんでもそんな失敗、するんですね(笑)。あと、今回の舞台で海外の劇作家や演出家などとお仕事をされたわけですけど、世界進出というか......今後、映画など海外の作品に出たいと思うことはありますか?
吉岡 海外の作品に出演できることがあればとても光栄なことですが、それ以上にこの間、アニメの声優に挑戦したとき(映画『空の青さを知る人よ』、2019年10月公開)、スペインの映画祭に行って、日本の作品を現地の人が楽しんでくださるのがものすごくうれしかったんです。だから今は、自分が海外に行くよりも、海外の人も喜んでくれるような日本の作品を日本人として作りたいという思いが強いです。
■2020年は原点を振り返る年に
――では吉岡さんにとって、2019年はどんな年でしたか?
吉岡 『FORTUNE(フォーチュン)』もそうですけど、ずっとやりたかった仕事をいくつもできた年です。
――その分、何か普段以上に努力を重ねたんですか?
吉岡 「舞台に出たい」とは常に言っていましたけど、とにかく目の前にある仕事を全力でやり続けることは意識していました。周りから「堅い」といわれても気にしません(笑)。もともとひとつひとつ真剣に取り組んだ先に自分のやりたいものが待っていてくれると思っているので、それが少しだけ形になったのかなと思います。
――周りからそんなに堅いって思われてるんですか?
吉岡 はい(笑)。いつも「もっと肩の力抜いたら?」と言っていただくんですが、なかなか......。なんでもさらっと余裕を持ってやれる人に憧れたりもするのですが、だめなんですよね~。暑苦しいスポ根体質からは、当分抜けられそうもないです(笑)。
――では最後に、2020年の目標を教えてください。
吉岡 ここ数年、ずっと慌ただしく過ごしてきていたのですが、最近、自分の中でちょっとだけ振り返る時間ができた気がします。だから、今までやってきた原点をもう一度見つめ直して、良かったことを丁寧にすくいとるような年にしたいです。そしてその分、またひと回り成長したいと思っています。
■吉岡里帆(YOSHIOKA RIHO)
1993年1月15日生まれ 京都府出身
無類の猫好きとして知られる。
○出演舞台PARCO PRODUCE2020『FORTUNE(フォーチュン)』は2020年1月14日(火)~2月2日(日)まで東京芸術劇場プレイハウスにて上演予定。その後、地方公演も。代表作は、ドラマでは連続テレビ小説『あさが来た』(NHK)、『ゆとりですがなにか』(日本テレビ)、『カルテット』(TBS)、『君が心に棲みついた』(TBS)、『健康で文化的な最低限度の生活』(関西テレビ)など、映画では『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ?』『パラレルワールド・ラブストーリー』『ホットギミック ガールミーツボーイ』『見えない目撃者』など