今夏、公開が予定されている『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』(村瀬修功監督)のイベント「GUNDAM FAN GATHERING -『閃光のハサウェイ』 Heirs to GUNDAM-」が24日に都内で行なわれ、声優の古谷徹、池田秀一、そして『閃光のハサウェイ』で主要キャラクターの声優を務める小野賢章(けんしょう)、上田麗奈、諏訪部順一が登壇。アニメ評論家の藤津亮太、プロデューサーの小形尚弘らとガンダムトークを展開した。
『閃光のハサウェイ』はガンダムシリーズの生みの親・富野由悠季(とみの・よしゆき)が1989年に発表した同名小説が原作。前年に公開された『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』から続く物語で、『シャアの理想とアムロの情熱 2人の意志を継ぐ者』ハサウェイ・ノアを主人公にその12年後を描いた作品。公開されているメインビジュアルでもハサウェイの両脇には、アムロ・レイとシャア・アズナブルの振り向く姿が描かれている。
イベントではまず、アムロを演じた古谷とシャアを演じた池田が、『逆襲のシャア』の思い出をトーク。
池田は「富野さんのセリフって日本語として正しいの?っていうのがある。ブライト(・ノア)のセリフでも、『何やってんの!?』って急に近所のおっさんみたいな。唐突なんですけど、でも流れをみるとそれが生きているんですよね」と富野のセリフ回しに言及。
そして「でもいいんですよね、喋ってみると。ただミスプリントかと思って勝手に直すと怒られます」と明かすと、古谷も「けっこう語尾とか特徴ありますよね。変にやさしくなったり、バッて強くなったり、普通じゃない感じ」とその特徴に同意。
すると池田は「『アムロ、行きまーす!』もおかしいですよね、考えたら。勝手に行けよって」とアムロの代名詞ともいえるセリフにダメ出し。古谷は笑いながらも「あれは戦場で命がけで行くから、大きな声を出さないと。よく夜道を歩くときに怖いじゃないですか、声出して歩くのと一緒なんですよ」とその心境を解説した。
「だから、そういう発想というか。なにこのセリフ!?と思いましたよね」と弁明する池田は、さらに「カミーユ(・ビダン)も(のちに)『行きます』って言うんだけど大変みたい」と他の声優(飛田展男)の苦悩も暴露。あまりに『アムロ、行きまーす!』が有名になってしまったため「アムロがやっちゃったから。アムロの真似はしたくない。なにか変化がほしいけど、あれはなかなかなもんらしいですよ」とその気持ちを代弁した。
アムロとシャアが素手で取っ組み合いをするシーンなど、さまざまな話題があがったが、トークは「閃光のハサウェイ」へ。
古谷は「(ラストシーンの)過酷な環境のなかでは、さすがに生きてないと。(富野に)『死んだんですよね?』って聞いたら『いや......』って誤魔化された。でもまさかその後の作品があると思ってなかった」と、続編があったことに驚愕。
池田も「僕はこれで決着がついたから『この10年くらいありがとうございました』といったら古谷さんと同じように、(富野が)ニヤッと笑ったのは覚えてます。監督の原作で新たな時代を迎えるのは、趣深いな」としみじみ語った。
またイベントでは『閃光のハサウェイ』でハサウェイ・ノアを小野が、謎の少女ギギ・アンダルシアを上田麗奈が、地球連邦軍大佐であるケネス・スレッグを諏訪部が務めると発表。
古谷は「これで食いっぱぐれることはない。古谷家の家計はこの40年ガンダムに支えられていますから」と笑いを交えつつも、小野に対し「いろんなプレッシャーがあるとは思うんだけど、自分のニュータイプぶり、ニュータイプであることを信じて、その感性に任せて、思いっきり演じればいい」とアドバイス。
池田はヒロインを演じる上田へ「殺伐とした作品なので、そのなかで華一輪というか。頑張ってください、『いい女になるのだな』というのは人のセリフ(シャアがセイラ・マスへ遺した言葉)ですけど」とエールを送った。
イベントでは、他にも富野が『閃光のハサウェイ』で監督を務める村瀬にアドバイスのメモを渡したエピソードなども。ガンダム公式YouTubeチャンネル「ガンダムチャンネル」ではその様子を配信。また、『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』は7月23日(木・祝)より全国公開予定。