『キン肉マン』40周年、及び同作のアプリゲーム『キン肉マン マッスルショット』5周年を記念してのトーク配信ライブが3月22日(日)夜、都内スタジオにて開催。ニコニコ生放送とSHOWROOMにて約2時間にわたりその模様が生配信された。
こちら本来は同日に観客を集めてのトークイベントとして開催予定されていたものだったが、昨今のコロナウイルス関連の社会状況を鑑みて急きょ、無観客でのスタジオ生配信という形に変更されたものだ。
漫才コンビ・なすなかにし(那須晃行・中西茂樹)による司会進行のもと、ゲストとして紹介されたのはまず作者ゆでたまごの原作担当・嶋田隆司先生、そしてキン肉スグルの声を担当してきた声優・神谷明、さらに長年アニメの主題歌を歌い続けてきた歌手・串田アキラ、という『キン肉マン』界隈ではまさに超大物レジェンド3名がそろい踏み!
そして、同作初期から40年近くにわたって追い続けている大ファンのお笑い芸人よゐこ・濱口優が紹介され、この日の出演者計6名が収録カメラの前に姿を現した。
最後に紹介された濱口が「それぞれの方と個別にお会いさせていただくことはありますけど、このお三方といっぺんに会えるのは初めてなんで、これはものすごい貴重な機会!」と興奮気味に語るところから待望のトークセッションは始まるが、その流れの中、司会進行役であるはずのなすなかにしのふたり......特に中西の方、実は濱口に負けないほどの知識と愛を抱えた重度の"肉"オタであることが、開始早々から続々と漏れだして判明。
集まったレジェンドたちにファン代表として濱口がコアな質問を投げかけていくのがこの日の主な流れかと思われていたが、気がつけばいつの間にか"レジェンド3名VSマニア3名"という、超人血盟軍も驚愕の6人タッグマッチのような様相に事態は変貌していた。そんな熱量高いマニア陣営から矢継ぎ早に繰り出される質問の山に対して、次々と回答していくレジェンドたち。
・「へのつっぱはいらんですよ」というのは自分が最初に考えていたセリフを中井くん(ゆでたまご作画担当・中井義則先生)が違う形でフキダシに書いたところから始まった」(嶋田)
・「『キン肉マン』のキン肉スグルも『北斗の拳』のケンシロウも、ビジュアルを見ずに当日のセリフ台本だけで自分の中のキャライメージを作ってオーディションに臨んだ」(神谷)
・「美声を維持する秘訣は僕の場合とりあえずひたすら鍛える。のどを大事にしすぎるとかえって声が出なくなる気がするのでギリギリまで発声練習してあえて自分を追い込む」(串田)
......などなど、ファン垂涎(すいぜん)のエピソードも交えた三者三様の回答をこれでもかと連発! まさにこの日ここに集まるべくして集まった猛者たちによる、いい話あり、笑いあり、さらに今だから言える暴露話もありと、春満開の桜に負けない濃密すぎる"肉"トークに花を咲かせまくった!
そんな大盛り上がりを見せた生配信終了後、興奮も冷めやらぬなか「週プレNEWS」の独自取材としてよゐこ濱口、そしてなすなかにしの那須、中西の3名にその場に残っていただき、改めてこの日のトークセッションの感想を聞いてみた。
――濱口さんは今日のレジェンドたちにはそれぞれ何度もお会いされてるかと思いますが、なすなかにしさんは...?
那須 ありがたいことに皆さん初対面です。でも僕らからしたら子供の頃からずっと見たことある、声を聞いたことある、というすごい方たちばかりだったので、こういうのもなんですが......やりにくかったですね~~~(笑)。
濱口 ああ、それわかるわ(笑)。
那須 でもお会いしてうれしかったのは、皆さん『キン肉マン』の話されてる時はすごくイイ笑顔で話されるんですよ、作った笑顔じゃなくて自然な。それは皆さん昔も今も本当に愛情持って取り組んでこられたんやなって。嶋田先生も話の中でおっしゃってましたけど、ずっといいチームでやってらっしゃったのがよくわかって。そこにご一緒させてもらったのは光栄でしたね。
中西 僕らも今日は仕事ですけどホンマ楽しみにしてまして、実は昨日も親に電話したんです。「明日な、子供の頃から好きやった『キン肉マン』のゆでたまご先生に会うねん」って。そしたらオカンが「よかったな、じゃあええもん送ったるわ」って。それで今朝LINEが来てなんやと思て見たら、僕が6歳の時に描いたラーメンマンの絵が送られてきたんですよ。
――めちゃめちゃいい話じゃないですか。
那須 お前......それをなんで本番で言わへんねん!(笑)
濱口 ホンマやな(笑)。
中西 いやいや、あの人たち前にしたら緊張してそれどころやないですよ(笑)。でもそれくらい大好きだったんですよ、本当に! 僕と那須くんはいとこ同士で僕の方が3つ上なんですけど子供の頃、那須くん寝かしつけるのにバッファローマンのキャラソンを子守唄にしてたくらいですから。
那須 えらいことしてくれてたな。
濱口 でも僕らの世代の男子はそれくらいみんなハマったよなぁ。むしろ知らんヤツのほうが珍しいくらいやったし。
――濱口さんは今日お三方にお会いされて、改めてどんな印象を持たれましたか?
濱口 これは、初対面の時からずっと思ってることなんですけど共通して言えるのは、とにかくパワーがすごいんですよ。大御所さんの圧力とかそういうことではなくて、生き方とか、出てくる言葉ひとつひとつにすごいパワーがこもってるんです。だからあの方たちと話すといつもね、なんか元気になりますよ(笑)。
――まさに超人ですね!
濱口 自分もそろそろ50歳が見えてきて、歳やしな~と思うこともたまにありますけど、あのお三方に会うとまだまだ!(笑) 歳とかいってられないし、むしろ歳取るのが楽しみになってきますからね。
――今日のイベントで特にそういうパワーを感じた言葉をひとつ挙げるなら?
濱口 いろいろありましたけど、僕が個人的に一番ヒットしたのは串田さんに声を保つ方法を聞いた時に即答で「鍛える!」って(笑)。もしこれを今の若いミュージシャンに聞いたら、のどのケアの詳しい方法とか教えてくれそうなもんじゃないですか?
でも串田さんの場合は、ド直球でただ「鍛える!」これですよ!(笑)。まさにキン肉マンの魂といいますか、必殺技の特訓と一緒ですよね。この昭和感がたまらない。僕らからするとまさにこういう言葉が聞きたくて、それを言ってもらえた感じがしましたね。これは気持ちいい!(笑)
――今日のトークライブは『キン肉マン』40周年記念ということでもありましたが、40年という数字についてはどう思われますか?
那須 僕が今39歳なんで......いうたら僕より年上ですからね(笑)。そんな長い期間、売れ続けられる秘訣を芸人として教わりたいですね!
濱口 それは僕もめちゃくちゃそう思いますね。やり続けるって本当に大変なんですよ。途中で飽きてしまうこともあるでしょうし、同じことばかりしてると逆に飽きられてしまうこともありますし。でも僕らが想像もつかないところでそういうのを何度も乗り越えてこられたのが40周年ということだと思うんです。
そういうのを見させてもらうと、作品の中身ももちろんそうなんですけど、それを40年も続けてこられたゆでたまご先生の生き方自体も何か大きなメッセージになってるような気がしますよね。僕らもヤメたらあかんなって。「濱口ヤメたらあかんぞ」って言われてる気がして。
那須 子供の時も面白かったけど、大人になって読み返してもまた面白いんですよ。ソルジャーに「イバラの道を歩め!」って言われたら「ああ、やっぱり"楽"したらあかんな」って昔と違う意味で今は思いますし(笑)。
中西 主役のキン肉マンがカッコ良すぎないところがいいと思うんです、みんなにそうやって説教されて(笑)。それって、僕らも一緒じゃないですか。人間って弱いところもいっぱいあって。だからキン肉マンが頑張ると僕らも元気出るし、キン肉マンだけじゃなくてどの超人もみんなどこか不完全で、でもそれぞれの気持ちで乗り越えていくのがね。
那須 好きな超人も人によってみんな違うもんね。自分はこのタイプやなって、あてはめながら見てるところはファンなら誰しもあるんちゃいますかね?
――今の連載も読んでいただいてるんですよね?
濱口 そりゃそうですよ! あのカレクックやベンキマンまで頑張ってんねんで? たまらんやん?(笑)
中西 それもみんな昔のザコいままじゃなくて、努力して強化してきてるのがいいですよね。ステカセキングがゼブラのカセット用意してきたのなんて見たら「キターッ!」って、もうそれだけで感動ですやん(笑)。あれはアツかった!
濱口 カナディアンマンもよかったしなぁ......あとティーパックマンて!(笑)。ティーパックマンが活躍してんねんで? 涙出そうになるよな(笑)。
中西 そんなん僕が昔キンケシで一番たくさん引いた超人ですよ!(笑)
濱口 そういうところくすぐってくんのもうまいんよなぁ。僕も現場で初めて一緒になる芸人さんがいた時、いつも何から話しようかな~と思うんですけど、同じ世代の人やったら結構『キン肉マン』の話から始めること多いんです。
「今の連載のやつ読んでます? カレクックとかすごいことなってますよ」って。そしたら「ええ!?」ってやっぱりだいたいみんな食いついてきてますもん。それですぐ打ち解けられる(笑)。
中西 僕も前にホリさんと一緒になった時、それまでほとんど喋ったことなかったんですけど、『キン肉マン』つながりでその日にLINE交換までさせてもらいました。
濱口 そうそう、そうなるねん(笑)。ホンマすごい作品やと思うわ。
――では最後の質問になりますが、『キン肉マン』40周年ということで作品とゆでたまご先生にそれぞれメッセージをお願いします。
中西 40周年ってすごいですけど多分、この先もどんどん続いていくと思うんです。だから、僕らはもちろん読み続けますけど若い世代もどんどん新たに引きこんでもらって、今の子供たちに愛される作品を描き続けてもらえればと思います!
那須 間違いなく僕の人生に勇気を与えてくれた作品で、しんどい時は今も読み返すくらいですけど、これを描き続けられるゆでたまご先生はもっとめちゃくちゃしんどいと思うんです。でもファンとしてはキャラクターとしてのキン肉マンだけじゃなくて、先生自身の火事場のクソ力で描き続けてもらえたらと思ってます。これからもまだまた楽しませてください!
濱口 続けていくことの見えない大変さはめちゃくちゃあると思う...って話はさっきもしましたけど、それを小学生の時に出会った嶋田先生と中井先生のふたりで、そこすら変わらず続けてくれてるのがまた本当にすごい。それ考えたら毎回コミックスの新刊を買って読むたびに、拝むようなつもりでページ開いてます。
子供の時から読んでた作品が今も変わらずあって、新しい話を楽しみにして読めるってのは生きる希望になってますから。そういう気持ちをまとめたら「いつまでも少年の気持ちでいさせてくれてありがとうございます!」と僕からはお伝えしたいです。
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なおこの日の生配信はニコニコ生放送とSHOWROOM併せて約3万人が視聴したとの集計結果も届けられた。その情報を受けて後日、ゆでたまご嶋田先生からもファンに向けてのコメントをいただけたので、最後にご紹介しておこう。
「本来はもっと大きな会場でお客さんを集めてやる予定だったのが、コロナ騒動の影響でスタジオ収録という形になってしまって......。最初にそれを聞いた時は仕方ないと思いつつも、やっぱり少しガッカリしました。でも日曜日の夜の貴重な時間にこれだけたくさんの人が注目してリアルタイムで視聴してくれたっていうのは『キン肉マン』好きな人がまだまだたくさんいてくれてるんやなって。本当に励みになりました。
これをお返しするのは、神谷さんや串田さん、濱口くんたちも言ってくれたように今も「現役で描き続ける」っていうことしかないと思うので。中井くんともしっかりチームワークを作り上げて、身体を大事にして。今のシリーズも佳境に入ってきて新しいシリーズも考えてます。みんなに本当に面白いと思ってもらえるような話をこれからも出していきたいので、40周年以降も引き続き『キン肉マン』とゆでたまごを皆さんよろしくお願いします!」(ゆでたまご・嶋田先生)
"新しいシリーズ"という思わぬ単語も嶋田先生の口から飛び出したことで、ますます今後の展開が楽しみな『キン肉マン』。
まもなく5月には40周年を超えて41周年へと突入していく現役漫画家の底力...いや"火事場のクソ力"に、今後も引き続き注目していきたい!
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