"ホリエモン"こと堀江貴文氏と元「2ちゃんねる」管理人のひろゆき氏による『週刊プレイボーイ』の対談コラム「帰ってきた! なんかヘンだよね」。
今回のテーマは、新型コロナウイルスの影響でリモート出演が増えるテレビ業界の今後について。前編では、ひろゆき氏が「こういった形での番組制作が当たり前になると、世の中はちょっと進むと思う」と語ると、堀江氏は「アホなMCとかB級コメンテーターぞろいのニュース番組より、俺のひとり語りユーチューブのほうがウケる」と応じた。
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ひろ まあ、ギャラで考えるとネット番組よりユーチューブのほうがコスパがいいですからね。
ホリ 金銭的メリットは明らかにユーチューブだよね。スーパーチャット(生放送中に利用できる投げ銭機能)をやったけど20分で10万円近く集まった。
ネット番組のギャラなんかスズメの涙。テレビはまだ視聴率が取れる番組なら意見を広く伝えたり知名度を上げたりする効果があるけど、今はそれも微妙になりつつある。
みんながスマホを当たり前に持って、通信回線が4Gになってからはユーチューブがストレスなく見られるようになったじゃん。だから、これからはテレビに残っていたメリットがなくなっていくよね。
ひろ あと、日本にいない人でも番組に出られるようになるとエンタメの幅が広がると思うんですよ。ニュースを扱うにしても、スタジオに来ることができる専門家を呼びがちですけど、現場のちゃんとした人を呼ぶことが当たり前になったほうがいいですから。
ホリ どっちにしろ、テレビ的なニュース番組は面白くなくなっていくよ。
ひろ あと、リモート出演になると自宅から映像をつないで出演するお笑い芸人さんは大変かもです。笑いってテンポが重要なので、落語家みたいに面白い話をするとかの方向じゃないと笑いを取るのが難しいですから。
ホリ なんにせよ、これだけ通信が快適になるとZoomとかがあればもう十分になるよね。Zoomはセキュリティがどうだとか言われているけど、セキュリティが問題ならZoom以外のアプリを使えばいいわけだし。
ひろ Zoomは暗号化が不十分だったりする部分はありますけど、無料で使えるのでセキュリティ面とはトレードオフな気がします。堀江さんがラジオに出たときは特に問題はなかったんすか?
ホリ うん。まったく問題なし。Zoomと言わなければわからないんじゃないかと思うくらい。そのラジオをユーチューブでサイマル放送(同時放送)しようとしたら、放送権がどーのとか言いだしてかたくなに拒否されたんだよね。
秋元康さんプロデュースで頼まれたから、夜中に時間を取って普段出ないラジオに出たのにさ。ユーチューブで投げ銭機能とか使ったら、収益出るのになんでやらないんだろう。
ひろ ラジオにはまだ余裕があるのかもですね。経営が立ち行かなくなると、新しいからとかルールがとかで断ることもできなくなるんじゃないですか。
ホリ あぜんとしたよ。つーか、今回のコロナ騒動で番組へのオンライン出演が増えているけど、ネット配信でできることをわざわざ放送電波を使ってやる意味がないことが露呈されてると思う。高機能なスマホをみんなが持ってて、ネット回線も速い。そっちの方向にこれからは大きく変化していくよ。
ひろ そうですね。
●堀江貴文(ほりえ・たかふみ)
1972年10月29日生まれ、福岡県出身。SNS株式会社オーナー兼従業員。近著に『理不尽に逆らえ。真の自由を手に入れる生き方』(ポプラ新書)
●西村博之(にしむら・ひろゆき)
1976年11月16日生まれ、神奈川県出身。元『2ちゃんねる』管理人。最新刊は『1%の努力』(ダイヤモンド社)