俳優・要潤氏の映画体験を角田陽一郎氏(画面)がひもとく!

『さんまのスーパーからくりTV』『中居正広の金曜日のスマたちへ』など、数多くの人気番組を手がけてきたバラエティプロデューサー角田陽一郎氏が聞き手となり、著名人の映画体験をひもとく『週刊プレイボーイ』の連載『角田陽一郎のMoving Movies~その映画が人生を動かす~』。

先週に引き続き、4月からTBSラジオ『Be Style』でパーソナリティを務める俳優の要潤(かなめ・じゅん)さんにお話を伺いました。

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――ご自身が出演された作品で人生を動かしたモノってありますか?

 役者としての転機になったのは、『CASSHERN』(2004年)ですね。

――紀里谷和明監督の作品ですね。この映画の要さんってマジでカッコいいんですよね! 

 当時は23歳か24歳くらいだったんですけど、そこで初めて泣き芝居を経験したんです。それまでは演じる機会がなくて。紀里谷監督って役者との距離が近くて、この作品でもずっと近くにいてくれたんですね。だいたい監督って遠い所にいることが多いじゃないですか。

――ブースの前にいたりとか。

 でも、紀里谷監督は友達みたいな感じで、毎晩のように現場終わりでご飯を食べに行ったり。だから泣き芝居のときも、隣に座ってシーンの説明をしてくれたんです。佐田真由美さん演じるサグレーというキャラが死ぬのを見て泣く場面だったんですけど、監督に「手を握っておきな」と言われたんですね。

そうするうちに自然と涙が出始めて。芝居とはまた違う、なんとも言えない不思議な感覚に包まれて、「ああ、泣き芝居ってこういうふうにするんだ」って。演技で泣くとかではなく、自然と泣けたんです。今思うと、それが僕にとっての役者としてのターニングポイントだったと思います。

――要さんのお芝居を見ていて、いつも思うのは「この人、どこまで本気なのかな?」ってことなんです。いい人な役に思えても、いつか裏切られそうな感じがするといいますか。

 それはきっと、僕があんまり役に入り切らないタイプの役者であることが影響していると思います。常に俯瞰(ふかん)で演じている感覚があるんですよね。だからこそ、逆に憑依(ひょうい)型の役者さんがうらやましくもありますね。僕にはそれができないので。

――話を映画に戻しまして、最近見て影響を受けた作品はありますか? 

 基本的に洋画をよく見るんですが、例えばマシュー・マコノヒーの『インターステラー』(2014年)は5、6回見るほど好きですね。

――どのへんがお好きなんですか?

 まず話の構成が素晴らしいし、時空が混ざる独特の世界観もいいですよね。SFチックなのがもともと好きなんですよ。あとはマシュー・マコノヒーが好きっていうのもありますね。微妙な、あの温度が低い感じの芝居がいいんですよ。

――すごい映画に触れたとき、人によって「作ってみたい」と「出てみたい」の2パターンに反応が分かれると思っているんですが、要さんは出てみたいと思った人ですよね?

 そうですね。でも、最近は作ってみたいなと思うんですよ。

――じゃあ、これから監督になる可能性もありますね!

 監督というより脚本を書きたいんです。監督はちょっと難しすぎるんですけど(笑)、シナリオを書いたりはしてみたいなって思います。

――発注がきたらどんな作品を仕上げますか?

 SFチックなのをやりたいですね。未来の世界というか。

――『タイムスクープハンター』シリーズじゃないですか、それ。

 いえ、あれは過去に戻る話なので(笑)。時代劇よりも未来をやりたいんです。

●要潤(かなめ・じゅん)
1981年生まれ、香川県出身。『仮面ライダーアギト』でデビュー。YouTube『要 潤【Jun Kaname】』では意外な素顔も公開中

■アクティブオーガニック「Be」presents TBSラジオ『Be Style』毎週土曜5:30~6:00

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