秋元康氏とテレビ東京がタッグを組んだ人気番組『青春高校3年C組』。同番組から生まれたアイドル部が表題曲を歌う待望の2ndシングル『好きです』が、7月29日にリリースされた。
今回は、前作に続きセンターを務める頓知気さきな(とんちき・さきな)ちゃんに、サプライズで決行されたMV撮影の裏話や、愛してやまないグラビアについての「好きです」っぷりを直撃した!
――『好きです』は、片思いの気持ちを歌った切ない曲ですよね。最初に曲を聴いた感想は?
頓知気 初めて聴いたときは、すごく意外でした。いい意味で青春高校っぽくないなって。今までは、「青春!」っていうのが全面に出た、ドキドキワクワクするような爽やかで明るい曲調が多かったんですけど、『好きです』は、割と苦しい気持ちとかリアリティがある感情が描かれているんです。
でも、だからこそ新しい一面が見せられるなぁって。みんなで歌うのが楽しみだなって思いました。
――ただ、コロナの影響でメンバーとはなかなか会えない状況が続きましたよね。
頓知気 そうなんです。だから、ダンスの振りも動画を見ながら家でひとりで練習して、その様子をケータイで撮影して送ってました。
――そんな状況を逆手にとって、MVはメンバーとの再会をドッキリという形で撮影して話題になりました。
頓知気 MV撮影は、みんな個別に撮るって聞いてたんです。「スタッフさんがひとり来て、スマホでダンスシーンを撮る」って。
でも当日、撮影現場の学校に行ったら、なんかすごいガチなカメラがあって、スタッフさんもいっぱいいるし、「え? え? 何が始まるの!?」って思ってたら、「はい、回しま~す」って(笑)。
――状況がまったくつかめないまま、撮影が始まったんですね(笑)。
頓知気 本当に何にもわからないまま、「そこ、左に行こうか」とかって指示された通りに校舎の中を歩いて教室に入ったら、後ろのドアがガラガラって開いて......。振り向いたら兎遊ちゃん(うゆちゃん/アイドル部のメンバー)がいて、もうパニックですよ!
――いるはずのない人が目の前にいたらびっくりしますよね。再会したとき、涙を流してましたもんね。
頓知気 最初はびっくりしすぎて「あ、兎遊ちゃん」みたいな感じで冷静だったんですけど、「久しぶりだね」「元気だった?」ってしゃべってるうちにうれしくなってきて、泣いちゃいました。
そのあと、メンバー全員ともサプライズで再会してダンスシーンを撮影したんです。そこで初めてみんなで振りを合わせたんですけど、個人個人がビデオで覚えてたから間違ってるところも結構あって、ギリギリまで練習してなんとか撮りました。
――すべてがぶっつけ本番だったんですね。フォーメーション的には、デビューシングルから2作連続でセンターを任されていますが、センターには慣れましたか?
頓知気 慣れたかどうかはわからないんですけど......。なんか、センターって謎に「プレッシャーを感じろ」みたいな圧があるじゃないですか(笑)。本当は私、そういうのがまったくないタイプなんです。
なのに、前回のファーストシングルのときは、その風潮に飲まれすぎて、自分を追い込みすぎたなって。「センターなんだから頑張らなきゃ!」って切羽詰まってピリピリしてたというか。
――責任をひとりで背負ってたわけですね。
頓知気 でも、本当はどこのポジションでもちゃんとやらなきゃいけないのは一緒じゃないですか。だから、私がひとりで背負う必要はなかったのに、自分で自分を追い込んですごく緊張しちゃって。
私、もともと緊張しいで表舞台に立つのが苦手なんですけど、今まで緊張してるのがバレたことなかったんです。でも、ファーストシングルのお披露目の時は足が震えて顔もこわばってて。音楽番組では、出だしの振りのタイミングが遅れて失敗しちゃいました。
――うわ~、頭真っ白ですね。
頓知気 もう本当にパニック状態で。そのあとは、ずっと固まった笑顔のまま体にインプットされた振りをオートモードで踊ってました(笑)。見せ方とか注意点とかいろいろ考えたのに、何もできなくて、その日はかなり反省しましたね。
でも、何度か曲を披露していくうちに「自分だけが背負うのは違うな」って気がついて、そこからは楽しく踊れるようになりました。
――じゃあ、今回のセンターは余裕をもって臨めている感じですね。
頓知気 初披露の時はさすがに緊張しますけど、初心は忘れないようにしつつ、楽しむことを第一に考えようって思ってます。
――今回のシングルは、CDに同封されているセレクションチケットによる投票などでポイントが高かった上位10名が、『青春高校3年C組』の番組内で持ち込み企画を実現できるんですよね。頓知気さんは、我が週プレ編集長やカメラマンを招き「頓知気さきなのグラビア僕らの時代」をやりたいとか?
頓知気 そうなんです! とにかくグラビアが大好きなので。
あと、週プレ編集部に潜入して編集の仕事を一から見てみたいんです。私、もともと出版系の裏方業に興味があって、いつかグラビアのプロデュースというか、編集をしてみたいと思っているんです。でも、どういうことをするのかまったくわからないから、実際に週プレが出来上がる過程に密着してみたいなって。
誰を撮影するとか、カメラマンさん、スタイリストさん、ロケーションとかって、どこからどうやって決めていくんだろう。どうやって写真を選んでレイアウトを決めるんだろうって、全部気になります!
――インターンより本格的ですね(笑)。最終的には、実際に誌面を作りたい?
頓知気 絶対、放送時間が足りないと思うんですけど、最終的にはアイドル部12人のグラビアを作るっていう企画を考えてます!(笑)。アイドル部のメンバーを近くで見てきた私だからこそ、作れるものがあるんじゃないかなって。
――壮大な企画!
頓知気 全員のグラビアはすでに考えてあるんです。具体的なことはまだ言えませんけど、「このコはこんな衣装が絶対似合うな」「あえて色気を狙わない方がこのコはいいな」って。ひとりで考えるのが楽しすぎて、気づいたら夜を明かしてました(笑)。
――実現するのを楽しみにしています! すでにこの熱量からも、頓知気さんのグラビア愛はビシバシ伝わってきているんですけど、そもそもグラビアを好きになったのはいつ頃からなんですか?
頓知気 これ、最近初めて言ったことなんですけど......。実は、小学生の頃からおじいちゃんが読んでたスポーツ新聞の巻末あたりにあるヌード写真を集めてたんですよ。おじいちゃんには「こんなの読んじゃいけません!」って言いながら、ページを奪い取ってコレクションしてました(笑)。
――えー! なんというおませな小学生! それは、どういう心境で? エロを理解してたってこと!?
頓知気 多分、もともと普通に女の人の体が好きだったんだと思います。感覚的に「好き!」みたいな。まぁ、おじいちゃんには変だと思われてたと思うんですけど(笑)。それがそもそもの始まりで、水着グラビアとかアイドルグラビアを見始めたのは、中学生くらいからですね。
――でも、男兄弟がいるわけじゃないし、グラビアを見る機会ってなくないですか?
頓知気 ネットで検索したり、本屋さんで雑誌を見たりしてました。写真集は単価が高いので、さすがに中学生では手が出せなくて。月のお小遣いが全部ふっとんじゃうし、なんなら貯めないと買えないから、本屋さんで写真集の表紙だけを見てました。
――中学生の頃にピンときた人っていたんですか?
頓知気 その頃はまだ「この人!」っていうのはなかったですね。ただ当時、AKB48がめっちゃ好きだったんですよ。とも~みさん(河西智美)とか、まゆゆさん(渡辺麻友)とか。だから、AKB48のグラビアは見てました。
――初めて買った写真集は覚えてます?
頓知気 なんだったかなぁ。でも、多分アイドル系だと思います。お姉ちゃん(戦慄かなの)もアイドルオタクで、AKB48の写真集はおうちにあったんですよ。だから、自分で買ったのは坂道系だった気がします。
でも、何か雷に打たれたようなきっかけがあってグラビアにハマったわけじゃなくて、本当にもともと女のコの体が好きなんですよね。だから、そのまま自然な流れでグラビアも好きになったって感じです。
私、絵画とか写真も好きでもともと美大を目指していたんですよ。だからもう、写真も好き、女のコの体も好き。これが合体したグラビア、「大好き!」みたいな(笑)。
――なるほど~。グラビアには、頓知気さんの好きなものが集約されていたわけですね。
頓知気 そうですね。あの、男を必要としない女の世界が好きです。グラビアのなかでも男ありきの媚びたグラビアも多いじゃないですか。そういうのじゃなくて、そのコだけで完結するグラビアが好きなんですよね。
――まさに「femme fatale(ファムファタール)」(姉の戦慄かなのと共に活動しているアイドルユニット)の世界観そのものですね。
頓知気 そうです、そうです。ファムファタールっていう名前は私が考えたんですよ。フランス語で、運命の女とか魔性の女的な意味があるんですよね。私にとっては、女性ってファムファタールとか、ミューズとか、そんなイメージなんです。
私、基本的に「男と女=恋愛」みたいな、あの感じがあんまり得意じゃなくて。グラビアもアイドルも、男のためのものだっていう感じはちょっと違うと思うんです。
――ちょっと違う。
頓知気 私は、アイドルは夢とか希望を与える仕事だと思ってるし、グラビアは"作品"だと思って見ているので、男性向けコンテンツではないっていうか。だから、男性にしか刺さらないようなカレカノ目線が強いと「ん?」って思っちゃいます。
――なるほど。男性的な視点も女性的な視点も、どちらもあるのが"頓知気流"なんですね。ちなみに、最近は、ご自身もグラビアに出演する機会が増えていると思いますが、これはどんな感覚なんですか? 好きな世界の中に入れてうれしい?
頓知気 アイドルもそうなんですけど、グラビアも、今でも出るより見ているのが一番好きです。自分が撮影していただいているときは、「私を撮ってください」っていう感覚はなくて、「いい作品を作りましょう」って感じですね。私的には「一緒に作品を作るぞ!」という気持ちでやっています。
――グラビアを見るときも、やっぱり制作サイドの視点で見ちゃうんですか?
頓知気 制作側というよりも、「このモデルさんはこんな性格なんだろうな」ってことを考えたりしますね。あとは、ずっと見続けたくなる写真は、リズムがあるなって思います。なんか、背景とのコントラストとか、肌の色味とか、そういうバランスがめちゃくちゃキレイだったりしますよね。絵画を眺めて「わぁ、すごい!」って感動するみたいな感覚で見てるんだと思います。「この写真すごい! ドキドキ」みたいな。
――その「わぁ、すごい!」をちゃんと言語化して、分析できるのが頓知気さんのすごいところですよね。
頓知気 好きな写真は、割と単純に「すごい!」って感覚的に思ってるんですけど、嫌いな写真を見たときの方が、「なんで嫌なのか」を追求してるかもしれないですね。「なんで私は、この写真が嫌なんだろう。あ、胸の谷間に焦点を当ててるからだ」「上から撮ることに集中しすぎて、周りとのバランスが悪いからだ」「レフが強すぎるからだ」「色が生っぽいな」って。割と厄介オタなんで(笑)。
――視点が玄人すぎる!(笑)。では最後に、頓知気さんにとってグラビアとは?
頓知気 え~、難しいなぁ。私、グラビアに限らず平面作品がとにかく好きなんですよ。アニメ、漫画、イラスト、絵画、写真......。その流れで、私はグラビアは芸術品として見ています。だから、私にとってグラビアとは芸術作品です!
■頓知気さきなが選ぶ!「好きです」写真集ベスト3
数多くの写真集をコレクションしているという頓知気さんに、選りすぐりのお気に入り3冊を持参してもらいました!
●佐々木希『かくしごと』 撮影/川島小鳥
「お気に入りの写真を1枚選ぶなら、ほかにもいっぱいあるんですけど、写真集でいったらこれが一番好きです。めちゃくちゃすごい写真集で、映画を一本見たような感覚になります。カレカノ感はあるけど、とにかく佐々木希さんがナチュラルなんですよ! 下着の写真もあるんですけど、メイクをしている瞬間だったり、日常の延長なんですよね。下着姿でカメラ目線でニコッていうのはあんまり好きじゃないんですけど、これはすごくいいんです。この写真集の中で、下着のカットが一番いいかもっていうレベルです! あと、小鳥さんは、モデルだけを写すんじゃなくて、割と風景もメインで撮るんですけど、モデルが負けてないんですよね。川島小鳥さんと佐々木希さんだからできた写真集だと思います。全部のバランスがすごくいい!」
●近代映画増刊『河合奈保子フォトメッセージ』
「河合奈保子さんは、単純に顔がすごく好みです。あと、水着にのってるお腹のお肉。これがすごく好きなんですよ! あと、二の腕のダルダル感! 鍛えてないナチュラルボーン感がすごくいいんですよね。歩き方もちょっと鈍臭そうじゃないですか。そういうところが、ただただ可愛い。八重歯も可愛くて、もう、この歯並びは奇跡ですよ! あと、この時代のグラビアに多いんですけど、無理やり胸を寄せないところも好きですね。ガッチリ寄せて固めると、寝ても立っても胸の形が変わらないから、胸がかたく見えちゃうんですよ。でも、これはポージングと共に胸の形がちゃんと変わるんです。この重力にあらがわない感じがいい!」
●高橋由美子『pure mint』 撮影/木村 晴
「この写真集は、めちゃくちゃエモいんですよ。なんか、ずっと夢なんです(笑)。フィルターがかかったみたいな写真で、とにかくずっと可愛い。水着も、『これでいいんですか!?』っていうレベルで、ちょっとずつしか変わらないんです。形もずっとワンピース水着で、赤から黄色、黄緑、オレンジ、みたいな。しかも、ほとんど無地! それなのに、全然飽きずに見れるんです。このドール感とエモさと夢みたいな世界観がすごく好きです」
〈番外編〉
●広末涼子写真集『H』『R』
「私は、今の女優の広末さんしか知らなかったので、この写真集は本当に衝撃でした。カメラの前でこんなに自分を出せるってすごいなって。ここまできたらもう、彼氏目線でも夫目線でもない。もう、生まれたときからずっと見てる親レベルですよ! 家族に見せるような顔をカメラの前で見せられるって本当にすごいと思います。あと、どんな表情でも全部可愛い! 歯磨きしてる顔なんて、普通なら事故りますよ! しかもこれ、ちゃんと歯磨き粉をつけてアワアワまで見えてるじゃないですか。歯ブラシをくわえて口を閉じてる写真はよく見ますけど、ここまでちゃんと見えてるのに可愛いなんて。こんなに可愛いことってありますか? もう、この写真集は奇跡です!」
■頓知気さきな(とんちき・さきな)
2000年3月6日生まれ、大阪府出身。身長160cm
◯『青春高校3年C組』(テレビ東京)に出演中。週プレ表紙争奪グラビア投票企画では、日比野芽奈、持田優奈とともに見事勝ち抜き、表紙を飾った。7月19日リリースの2ndシングル「好きです」では、センターを務めている。