女優の清原果耶(きよはら・かや)が3日、都内で行なわれた映画『宇宙でいちばんあかるい屋根』の完成披露試写会舞台挨拶に登壇。ロサンゼルスからリモート登壇した桃井かおりに、その実力を認められ喜んだ。
今作は14歳の少女・つばめ(清原)が、偶然出会った派手で怪しい老女・星ばあ(桃井)との交流を描く物語。作家・野中ともその同名小説が原作で、『新聞記者』で一躍話題となった藤井道人が監督を務める。清原といえば、2016年の朝ドラ『あさが来た』以来、注目を浴びる若手女優だが、映画初主演。さらにCoccoが書き下ろした主題歌『今とあの頃の僕ら』も歌っている。
清原は完成した作品を観た感想を聞かれると、「正直、放心状態でした」とポツリ。そして「初主演作というのもありますし、エンドロールでも自分の歌が流れて......。なかなか客観視できず、終わった後に安心感に似た喪失感がありました」と打ち明けた。
一方で桃井は、「今まで出た映画のなかで、一番自分が出ていることが気にならなかった映画」と意外な感想。その意味は、「映画として観られて。監督が言ってたんだけど、これは彼女(つばめ)の世界を描いてるみたいなことを言ってたんですね。出来上がりを観てすごいよくわかった」とのことで、彼女自身も納得の出来栄えだったようだ。
そんなベテラン女優である桃井に対し清原は、「必死にあとをついていきたくなるような印象」と共演した感想を明かすも、桃井は「ものすごい孤独な女優さんだなっていう印象」と断言したあとに、
「すごい真面目で本気で映画を観れているし、自分が何をやるのかがきちんと見えているので、私としては絶対邪魔をしちゃいけないなという気分に初めてなった」
と独特の表現で清原を絶賛。そして過去の自分自身の経験を重ね合わせて、
「彼女がやろうとしている、そのストイックに考えてることは、私も1回そういう時期があったのですごくよく分かるんだけど、彼女の表現しようとしているものが見えなくて、本当に冗談抜きに私がついていったんですよね。それで映画を観て、ああよかった、彼女がすごいよかった」
と、ひとりの女優としてその実力を認めていた。
「何て答えたらいいのか分からないです......」と感無量の清原だが、桃井の賞賛はそれだけでなく、自身がキックボードで怪我をしそうになった際の清原のエピソードも暴露。
「私もこれはやったな(怪我した)というときに、つばめだけが遠くのほうで小動物のように私を見ていたんですよ。でも、そのときのつばめがかわいくて。素直な、調子よく寄ってきたりしない。ホントにリアクションが実に正直なの」
とにかく桃井からべた褒めされていた清原だが、Twitterで寄せられた「印象に残っている星ばあの言葉」という質問に「しぶとく生きろ」という言葉を即答。
「つばめとしても自分自身としても、時間が経った今、深く染み込んできています。今やっていることを丁寧に、しぶとくずぶとくやっていきたいなと思っています」と役を超え、桃井の言葉に感激していた。
映画『宇宙でいちばんあかるい屋根』は9月4日(金)より全国公開。