日本テレビ『有吉反省会』などバラエティ番組で活躍するほか、グラビアアイドル、コラムニスト、自身で作詞作曲まで行い歌手としても活動するぱいぱいでか美。その強烈な芸名とマルチすぎる活動で「何者なの?」という疑問を持たれることも多い彼女が、今度は「8月8日は"ぱいぱいの日"」を合言葉に夏フェス『でか美祭2020』を開催するという。

ぱいぱいでか美とは一体、何者なのか? 「この名前に人生単位で救われた」というこれまでの活動や、彼女のブレイクに多大な貢献をした博多大吉(博多華丸・大吉)や川谷絵音(indigo la End/ゲスの極み乙女。など)とのエピソード、そして『でか美祭2020』の目的や見どころを語ってもらった。

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――でか美さんはアイドル? 歌手? 何者なんですか?

でか美 よく聞かれるんですけど、自分ではタレントと言っています。というのも、アイドルだとこれをしちゃダメとか、歌手はバラエティに出るなとか言う人もいるじゃないですか。タレントだったら何をしても許されると思ったんですよね。

――もともとはバンドをやっていたんですよね?

でか美 はい。バンドが解散してソロになったときに、シンガーソングライターという感じでもなかったし、アイドルの真似事みたいな感じで、オケを流して歌って踊っていたんです。でも、ハロプロが好きすぎて、アイドルという神聖なものは、生々しく生きてきた自分には名乗れないと思ったんです。

だから前は「アイドルですよね?」と言われることに違和感があったんですけど、今はまわりが言ってくれるぶんには、ありがたく受け止めています。時代が変わってきて、いろんなアイドルさんがいるし、私をアイドルとして扱ってくれることに感謝したいなと思ったので。

――いつからぱいぱいでか美を名乗っているんですか?

でか美 19歳からなので、もう10年くらい名乗っています。もともとは学生時代の音楽サークルの先輩につけられた"あだ名"で、それをバンドで芸名として使ったら、一発で覚えてもらえるようになったんです。こんなに素晴らしい名前はないなと思って使い続けています。

――当時から胸が大きいと言われていたんですか?

でか美 サークルの飲み会のノリで、「実はデカくない?」みたいなところから始まって。それまではコンプレックスだったんですよ。胸が大きくて得したこともなかったし、むしろ損することのほうが多かったので。

でも、"あだ名"をつけられたことで、コンプレックスがチャームポイントに裏返ったんですよね。私はこの名前に人生単位で救われたなと思っていて、その感謝もあって使い続けているところはあります。

――嫌になったことはないんですか?

でか美 名前のせいで決まりかけていた仕事が消えたことはありましたけど、「まだこの名前じゃできない仕事があるんだ」「もっとがんばらなきゃ」みたいな感じで、嫌になることはなかったです。

玉袋筋太郎さんも、名前のせいで損したことがたくさんあると思うんですけど、今はもう超越しているじゃないですか。私もそのくらいにならなきゃなと思っていますね。

でも、媒体によっては、大人の事情で「でか美」名義で出ることもあります。それに関しては、絶対にぱいぱいでか美じゃなきゃ嫌ですという感じではなくて。作詞作曲するときの名義も、アイドルのかたに提供することもあるので、相手に迷惑をかけないように「でか美」でやっています。

――逆に名前のおかげでできた仕事もあるんですか?

でか美 最初に出したCDは、「名前がおもしろいから出しましょうよ」と言われて出したんですよ。

――ある意味失礼な(笑)。

でか美 変わり者で有名な人が担当だったんですけど、「僕は君のライブを観たことないし、歌も聴いたことないけど、名前が本当におもしろいからCDを出しましょう」って(笑)。そういう感じで、名前が気になって声をかけてもらったことは多いかもしれないです。

――CDデビューが2014年で、紅白歌合戦にも出たと聞きました。

でか美 そうなんです! 2015年にゲスの極み乙女。のバックコーラスとして。もともと女性メンバーのふたりと知り合いで、ライブを観に行かせてもらっていたんですけど、川谷(絵音)さんが名前をおもしろがってくれて、オープニングアクトとかで呼んでもらえるようになったんです。

そのうちに、なぜかコーラスにいる、バックダンサーにいる、アルバムの特典映像に当たり前のように出ているとか、だんだんエスカレートして、最終的には紅白にまで連れていってくださいました(笑)。

――名前のおかげで紅白! 『有吉反省会』も名前がきっかけですよね?

でか美 そうですね。名前を反省しに来てくださいと言われて。でも、先に芸名を出すとネタバレになっちゃうから、初めての『有吉反省会』は本名の仲井優希(なかい・ゆき)で出たんです。

――今はレギュラーとして出演されてますけど、『有吉反省会』でのでか美さんの役割は?

でか美 ひな壇みたいな役割なんですけど、明確なものがあるわけではなくて。ゲストが盛り上がっていたら、ひな壇の人は誰もしゃべらずに終わる日もあるんです。

――ここでコメントしてくださいとか言われないんですか?

でか美 収録はオープニングトークにおおまかな台本があるくらいで、あとは有吉(弘行)さんとゲストのかたが盛り上がっていった方向に進むから、そんなに決まっていることがないんですよね。それに私は台本自体ももらっていなくて、ここで振られるかもというのは、なんとなく打ち合わせで聞いた流れから予想するしかないんです。

――ある意味、レベルの高い現場ですね。

でか美 でも、みんな優しいんですよ。俺が一番おもしろくしなきゃとか、爪痕を残さなきゃみたいなピリピリした空気はなくて。本当にチーム戦をやっている感じです。おもしろくないことを言っちゃっても、誰かがおもしろくしてくれるし、すべっても咎(とが)められない。優しい現場だなと思います。

――特に博多大吉さんはでか美さんに優しいですよね。

でか美 大吉さんには本当にお世話になっていて。私が呼ばれていなかった時期も、放送されていないところで「ぱいぱいでか美さんって、どこ行っちゃったんですか?」と言ってくださったり、ご自身のラジオに呼んでくださったり、私が出した本でも対談していただいたり。番組内のネタですけど、公式愛人と呼ばれています。連絡先すら知らないですけど(笑)。

――そうなんですね(笑)。8月8日に『でか美祭2020』を開催するそうですが、どんなイベントなんですか?

でか美 ニコニコ生放送で生配信するフェスなんですけど、出演者はすべて私が好きな人、私と交友関係がある人だけなんです。ものすごく豪華な方々が集まりました!

――なぜフェスを開催することになったんですか?

でか美 8月8日を『ぱいぱいの日』に制定したくて、そのためには実績を作ったほうがいいなと思ったんです。それで2017年から毎年8月8日にライブハウスでイベントを始めて、ファンの間では定着してきたんですけど、今回「フェスをやりませんか?」と声をかけていただいて、一気に規模が大きくなっちゃいました!

――出演者には自分でオファーしているんですか?

でか美 そうです。大人のやり取りはマネージャー同士でやってもらいますけど、最初の「『でか美祭』というイベントをやるので出てほしいです」っていうやり取りは、私から直接LINEとかで連絡しました。

――『でか美祭2020』の見どころは?

でか美 普通のフェスって、ロック系とかアイドル系とか、何かしら色があると思うんですけど、『でか美祭2020』は私が好きな人しか出ないので、意外な組み合わせになっていると思うんです。

アイドルも出るし、バンドも出るし、お笑い芸人も出るし、色がないというか、色だらけというか、もはやカオスな感じになっています(笑)。アイドルを卒業した子たちが、久しぶりにステージで歌う「アイドルOG歌合戦」も見どころですね!

――酒井 瞳さん(元アイドリング!!!)、高見奈央さん(元ベイビーレイズJAPAN)、森 詩織さん(元PASSPO☆)などが出るそうですね。

でか美 そうなんです! やっぱり卒業すると歌わなくなっちゃう人も多いじゃないですか。私もひとりのアイドルファンとして、たまにでもいいから歌ってくれたらいいのにとずっと思っていて。そういう人は他にもたくさんいると思うんですよね。

発表したときも「久々に〇〇ちゃんの歌が聞けるんだ!」っていう反応がたくさんあって。私自身、すごい楽しみなんです。5人もOKをもらえるとは思っていなかったし、来年以降も続けていきたいですね。

――でか美さんはソロ、バンド、グループなど、5つの名義で出演されますけど、ミュージシャンとして見てほしいところはありますか?

でか美 正直、こう見てほしいっていうのが、あんまりないんですよね。だから自由に受け取めてもらっていいんですけど、活動形態によって役割が違うんです。作詞作曲もしているので、歌は好きじゃないけど曲はいいなとか、どれかひとつでも好きになってくれたらいいなと思います。フィナーレのために新曲も作ったので!

――ちなみに『ぱいぱいの日』は、何をする日なんですか?

でか美 何の日というか、私の日ですよね(笑)。私が大好きなハロプロだと、『9月10日は℃-uteの日』になっていて、日本記念日評議会にも認定されているんですよ。℃-uteは毎年9月10日にイベントをやっていて、自分もファンとして楽しかったし、単純に予定が立てやすいというメリットもあって(笑)。

それに、『9月10日は℃-uteの日』と言われただけで、なんでもなかったはずの9月10日が、すごく特別な1日になったんです。ただ自分が言い出しただけのことが、他の誰かにとっての特別になるって、めっちゃ素敵じゃないですか。

だから正式に認定されなかったとしても、『ぱいぱいの日』はずっと続けていきたいなと思っているんです。今年は『でか美祭2020』で、自分とファンとの宝物のような1日にしたいですね!

●ぱいぱいでか美 
1991年5月3日生まれ 三重県出身 
一度聞いたら二度と忘れられない名前と、「言うほどでかくないがそこそこでかい」おっぱいを武器に、場所を選ばず活躍。日本テレビ『有吉反省会』レギュラー出演の他、自身の楽曲の作詞作曲やライブ活動、楽曲提供、グラビア、コラム執筆なども行っている。 
公式Twitter&公式Instagram【@paipaidekami】

■『でか美祭2020~8月8日はぱいぱいの日~』 
ぱいぱいでか美が主催し、ニコニコ生放送で無料生配信(一部プレミアム会員限定コンテンツあり)されるフェス。アイドル、バンド、シンガーソングライターなどによるライブのほか、アイドルOG歌合戦やトークコーナー、さらにはお笑い芸人のネタ見せまで、8月8日14時から約8時間に渡って配信される。詳細は『でか美祭2020~8月8日はぱいぱいの日~』オフィシャルH.Pより