左から原作者・辻村深月、生駒里奈、溝口琢矢、演出・成井豊

元乃木坂46で女優の生駒里奈が主演を務める舞台『かがみの孤城』が、8月28日より東京・サンシャイン劇場でスタート。初日の公演前に取材に応じた生駒は、制服姿の中学生役への意気込みを明かした。

この舞台の原作は、第15回本屋大賞にも選ばれた辻村深月の同名小説。中学校で孤立していた少女・こころが、鏡の中の異世界に引き込まれてしまうという物語だ。生駒は「私も小中学校ではいじめられっコだったので似ている」と主人公に共感。相手役リオンを演じる溝口琢矢も「人間関係に悩んでヒリつく感じがわかる」と理解を示した。

今回の舞台は新型コロナウイルスの感染拡大防止のために徹底した対策が取られ、稽古中はずっとマスクを着用。前日の通し稽古で初めてフェイスガードを着用したそうで、生駒は「マスクを外すとこんな顔してるんだって驚いた。それまで目線しかわからないし、黒いマスクだと顔もわからないので、やっと人間を見たって感じ」と感想を語った。演出の成井豊は「マウスシールドになって演技もよくなったし、変わった」と話していた。

中学生の役を演じるということで、24歳の生駒も制服を着用。それについて聞かれると、「その質問は来ると思って3日前から用意していた」と笑いつつ、「現役時代と比べるとすごく恥ずかしいので、なるべく着たくないと思っていたんですが、役だからこそ着れるのもあるので、見てくださる方はそこも含めて楽しんで欲しい」と答えた。

注目ポイントについて溝口は、「色んな傷を抱えているコたちが、かがみの狐城でどうやって近づいていくか。そして今までマスクで稽古をしていたので、目しか見えず、本番はどんな表情で来るのか?」と話した。

一方の生駒はしばらく悩みながら、「今まではこういうシーンを見て下さいとすぐ言えたけど、出てこないのはずっとマスクをしていたから」とコロナの意外な影響に困惑。

しかし、「昨日の場当たりでやっと全体のシーンが見えた」と話すと「鏡を通り抜けて不思議なお城に行く瞬間はわくわくすると思います。そして、お芝居もそうですし、言葉もダンスもたくさん表現する場があるので、楽しみに観てもらいたいなって思います」と明るく語った。

舞台『かがみの孤城』は8月28日(金)から9月6日(日)まで東京・サンシャイン劇場、9月18日(金)から20日(日)まで大阪・サンケイホールブリーゼ、9月22日(火)は愛知・刈谷市総合文化センター大ホールにて上演。また6日はライブ配信も行なわれる。