普段から自由過ぎる(!?)個性派女優・松本まりかが9月7日(月)発売の『週刊プレイボーイ38号』で初表紙&巻頭グラビアに登場! 

夏を追いかけて――さまざまなドラマが生まれた尾道ロケ。

「ずっと行きたかった」理由、撮影時のトンデモエピソードから自身の人生観......。松本さんを知るための60分ロケバスインタビュー!

■怪談さながら。撮影裏話

――まず、今回の撮影の感想を聞かせてください。

松本 前回の撮影(週刊プレイボーイ18号)の舞台が冬の北海道・函館で、それとは真逆の季節感あふれる写真を撮ろうということで、今回は広島県の尾道(おのみち)をロケ地に選んでいただきました。街がとてもノスタルジックで、場所の力とスタッフさんの力で東京の撮影では出せない雰囲気が出せたと思います。

実は、私が16年前に初めてアニメの声を担当させていただいて、なんと今でも続いている作品『蒼穹(そうきゅう)のファフナー』の舞台のモデルが尾道なんです。いつか行ってみたいなと思っていて、今回週プレさんに連れてきていただけて本当に感謝しています。カメラマンの三瓶(康友・さんぺいやすとも)さんも『ファフナー』の大ファンで、撮影中もずっと盛り上がっていました(笑)。

――『ファフナー』に登場した場所でも撮りましたが、一番印象に残っているのは?

松本 巻頭グラビアでも使っていただいたんですが、「古本屋 弐拾dB(ニジュウデシベル)」での撮影です。

――2日目の夕食後に松本さんが突然、「皆さんをお連れしたい場所があるんですけど」と言いだしたときは驚きました。

松本 初日の夜、ホテルに戻った後に、どうしても温泉に行きたくなって。それで商店街のほうまでひとりで行ったんです。

――その時点で何時です?

松本 10時半だったかな?

――撮影でお疲れのはずなのにアクティブすぎません?

松本 お風呂から出たのが0時半くらい。それで、人けのない商店街を歩いていたら、古本屋の看板が出ていて。真夜中にですよ? さすがの私も怖さもあって、だけど好奇心が勝ってしまい、行かなかったら後悔すると感じたんです。それで細い路地を進んでいったら壁の朽ちた古い建物があって。昔、診療所として使われていたそうなんですけど。

――完全にホラーです。

松本 診療所を改装した古本屋さんなんですけど、平日は夜の11時から翌3時までが営業時間らしくて。変わってますよね? 「ここで写真撮ったらステキだな」って思ったんです。お店の方に聞いたら、OKで。

――グラビアのロケで、現地入りしてから自分で撮影場所を探してくるタレントさんなんて聞いたことないですよ(笑)。

松本 本当にオリジナリティにあふれたお店で。古本屋に限らず、そういうものが好きなんです。唯一無二というか。作品も、人間も、ご飯も、その土地の歴史だとか独自のものが感じられるものって、大事だと思うので。

でも、私の感性で私がいいと思ったものをほかの皆さんもいいと思ってくれるかはまた別の話で。お連れして、三瓶さんが「いい! ここで撮りたい!」って言ってくださったからすごくうれしかった。2日目の夕食の場所がたまたまお店のすぐそばで、行きやすかったというのも偶然で。初日の夜に疲れていたけどせっかくだから温泉に行こうって私が決断したのも偶然。その温泉が商店街の近くにあったのも偶然。そういう偶然というか、分かれ道の決断によってもともとの予定とは違う未来が生まれたわけですから、そういうことを感じた旅でしたね。

――今回は旅のひとコマでしたけど、そういうことは普段から心がけていらっしゃる?

松本 はい。人間って、規則正しく生きたくなると思うんですよ。そのほうがラクだし、安心感があるから。けど、「本当は自分は何がしたいのか」ということは常に自問自答して、心がわくわくした瞬間を見逃さないようにしています。そういう瞬間が自分の人生にたくさんあったら、楽しいでしょう?

■松本さんは、モテないんですか?

――先ほど、唯一無二という言葉が出ましたが、それはご自身もそうありたいと思っている?

松本 そうあられればいいですね。たとえいびつでも、唯一無二なものが大好きだし、美しいと思う。個性を出すことって、ともすると社会から外れて悪目立ちすることもあるじゃないですか。だから、無意識に社会に溶け込むような自分になろうとしちゃうんだけど、どうやったらそうならないでいられるかというのは、努力のしどころかなって。

――役者として誰かを演じるときも、例えば自分の個性を出そう、というのは考えますか?

松本 それはあまり考えないですね。私自身、自分の個性なんてわからないので。自分の感性を大事に表現した結果が面白ければそれでいい。それを、見た人に受け入れてもらえたらすごくうれしい。

――以前のインタビューでも感じましたが、松本さんは「評価は周りが決めることだよね」と達観されている印象があります。

松本 そうですね。例えば、最近「怪演」って言われることがあるけれど、私自身は怪演しているつもりはさらさらなくて。でもそういう言葉をつけてくれて、面白がってくれるのは、私は楽しいです。

――「あざとかわいい演技がうまい」とか「腹に一物ある役をやらせるとすごい」などという声も聞きます。

松本 それも不思議です。実際の自分は、そういうものと遠いところにいると思っているので。

――セクシーとか、女性らしいとか、異性にモテそう、という声もあります。

松本 わからないですね。

――では松本さんはモテないんですか?

松本 うーん、そもそもモテるとかモテないとか考えたことないです。だからモテそうとか思われるのは意外すぎる。自分の意図していないところで皆さんに評価していただいているというのは感じます。

――それはいやではないですか? 「もっと自分はこうなのに」とかは思わない?

松本 面白がってくださるなら、なんでもいい。「つまんないよね」と言われるのが一番よくないと思うので。常に面白がっていただける存在でありたいです。

■松本まりか、FF(ファイナルファンタジー)のリュックを語る

――松本さんといえば声が特徴的ですが、コンプレックスってありました?

松本 コンプレックスしかなかったです。アニメ声で、ぶりっコだとか、男にこびてるとか、そういうふうに言われちゃう。お芝居の現場でも浮いちゃうとか、使えないとか言われて、すごくつらかったですね。

――それは10代の頃?

松本 つい最近まで。今でもときどきありますよ。ああ、この声邪魔だな、もうちょっと低い普通の声だったら、と思うことはあります。

――そこにはどう向き合っているんですか?

松本 それは、この声でも例えば犯罪者の役でも怖い女の役でも、(世間の)皆さんが受け入れてくれたというのが大きいです。かわいらしい役だけじゃなくて、怖い役もこの声でできるならなんだってできるじゃないですか。

――週プレの読者世代だと、松本さんといえば『ファイナルファンタジーⅩ』のリュックの声の印象が強い人も多いと思うんですよ。声優を目指そうと思ったことはないんですか?

松本 私はその技術がなかったので。当時から「この人たちの隣には立てない」と思っていました。でも今になって、そういう技術が俳優としてもすごく大事だなと感じていて、声のトレーニングを始めたんですよ。

――『FF』は先日Ⅶがリメイクされましたけど、「松本さんに誰かのキャラをやってほしい」という声も多いようですよ。

松本 本当に難しいお仕事なので軽々しくは言えませんけど、もし呼んでいただけるならいつでも、ぜひ!

■松本まりか(MATSUMOTO MARIKA)
1984年9月12日生まれ 東京都出身
血液型=B型  身長160cm 
○ドラマ『竜の道 二つの顔の復讐者』(カンテレ/フジテレビ系、毎週火曜21:00~)にレギュラー出演中。土曜ナイトドラマ『妖怪シェアハウス』(テレビ朝日系、毎週土曜23:15~)にレギュラー出演中。『中居大輔と本田翼と夜な夜なラブ子さん』(TBS系、毎週木曜23:56~)にナレーション出演中。公式Twitter【@marika_2000】 公式Instagram【@marika_matsumoto】

★松本まりかデジタル写真集 『夏の魔物』
『週プレ グラジャパ!』ほか、 主要電子書店にて7日(月)~配信!
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