Amazon Prime Videoの人気バラエティ番組『HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタル』(以下、ドキュメンタル)。そのシーズン8が配信され、出演したチョコレートプラネット・松尾駿が過酷な収録を回顧した。

『ドキュメンタル』は松本人志に選ばれた10人の芸人が、自分以外の参加者を笑わせるお笑いバトル。優勝者は各自が持ち寄った100万円を総取り。周囲は全員敵というサバイバル状態で、芸人同士の駆け引きが繰り広げられる。2016年から始まり、「Amazon Prime Video 2019 年間ランキング」Amazonオリジナル 日本制作番組部門、TV番組総合部門では1位を獲得した。

そんな人気番組に出演が決まった松尾は、「ヤバいなとうれしいが半々。日を増すごとに恐怖が襲ってきた」そう。さまざまな準備をしたものの「本当にいいものなのか不安になりながら準備した感じ。準備してきたもののほとんど使わず終わった」と後悔。

実は、今回のシーズン8の前に同番組に出演している松尾。しかし、Amazon側から「下品にもほどがある」とお叱りを受け、一度お蔵入りしている(現在は『HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタリー・オブ・ドキュメンタル アマゾン怒りのお蔵入り!幻のシーズン&誰が悪かったのか!?緊急討論会』にて公開)。実質2度目の出演となったが、それでも「作戦も立てましたけど、その時点で面白いか分からなくなっちゃって......」と不安が募っていたことを明かした。

番組のオープニング、おなじみのIKKOの恰好で登場した松尾は、その理由をこう振り返る。

「最近は普通の服で出るのが気持ち悪くて、IKKOさんの格好で出るのが楽なんですよね。本当の自分はもうIKKOさんに乗っ取られてるんじゃないかって思った方が楽になってて」。

実際、IKKOのモノマネで先に集まっていた千原ジュニアと藤本敏史を笑わせていた松尾は、「オープニングは楽しかったです」と明かしつつも、本番が始まると変化。「始まってから全く別物で、最初はオープニングの余韻でちょっと笑いそうになったんですけど、違うなって思ってから頭おかしくなりそうでした」と、シビアの戦い空気を肌で感じたそう。

これまで多くの大舞台に立ってきたが、『ドキュメンタル』の独特な緊張感をこう話す。

「『キングオブコント』とかは始まる前にちょっと緊張するけど、始まれば緊張しない。でもドキュメンタルは6時間という緊張の長さと度合いが全然違う。全部自分の責任。緊張しすぎて倒れ込むように楽屋戻りました。全部終わってから動けないくらい」

なぜ、そこまでプレッシャーを背負い込むのか。松尾はこの番組出演に並々ならぬ思いがあったそう。

「お客さんやテレビの前の方を笑わせるのは当たり前ですけど、芸人から面白いって思われたい。先輩も後輩も。それが無くなったらすっごくつまらなくなっちゃう気がして。『ドキュメンタル』ってのが僕個人の面白さを図るのに適してるというか、『あいつはおもしろい』というのがモロに出る」

番組冒頭では「IKKOさんが出る気持ちで行きたいです」とコメントしていた松尾。しかし、途中でIKKOを捨てて、笑いを仕掛けにいった結果、松本も「見応えあったね。パワー対パワー」と称賛する名場面を、庄司智春(品川庄司)とともに生んだ。

「(IKKOのモノマネで)楽しててもあんまり意味がないというか。イケるとこまでいこうと思ったんですけど、(芸人からの)リスペクトが欲しいから、素の自分で戦いたいってのもあって。モノマネ芸人みたいになってますけどコント師なのでそこで勝負したかったんです」

「あんまり仕事してて満足するタイプじゃない」とストイックな一面を見せる松尾だが、今回の放送についても「怖くてまだ見れてない」そう。しかし、一番印象に残っているのは、"地下芸人界のトップランナー"チャンス大城だ。「意味わかんないけど、面白い。自分ならやらないだろうなって思ったけど、何でもありなんだって気付かされた」と振り返る。

番組で松本から「ぐんぐん面白さが増してきてて期待している」と評された松尾。「松本さんはいまだにバリバリ面白い、神様みたいな人なのでうれしいんですけど、期待に応えないとって恐怖もある」と言いつつも、3度目の出演に対しては「オファーいただいたらまた出ます」と即答。今回得た経験を糧に、さらに磨きのかかった笑いを期待したい。

■『HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタル』シーズン8
Amazon Prime Videoにて全5話一挙独占配信中【http://www.amazon.co.jp/documental
出演: 松本人志(ダウンタウン)、千原せいじ(千原兄弟)、千原ジュニア(千原兄弟)、藤本敏史(FUJIWARA)、チャンス大城、ケンドーコバヤシ、くっきー!(野性爆弾)、河本準一(次長課長)、庄司智春(品川庄司)、藤田憲右(トータルテンボス)、松尾駿(チョコレートプラネット)