アイドルグループSKE48が10月3日~5日、愛知県の「AICHI SKY EXPO」で劇場公演デビュー12周年記念イベント「SKE48 12th Anniversary Fes 2020~12公演一挙披露祭~」を開催した。

初日に続き2日目の公演も朝9時から、『僕の太陽』公演でスタート。大場美奈と山内鈴蘭にとってはAKB48時代から慣れ親しんだ演目だが、SKEではまた新たな姿を見せてくれた。

SKEの完全オリジナル公演である『手をつなぎながら』では、先日の卒業コンサートが延期となってしまった最後の1期生松井珠理奈が登場。デビュー直後にしていたフレッシュな髪型でファンを喜ばせた。

公演終了後、2期生でSKE48劇場支配人の斉藤真木子、SKE48に移籍して6年のチームKⅡリーダー大場、そして5期生の江籠裕奈がインタビューに答えた。

***

――昨日今日を通じての感想を聞かせてください。

大場 今までチームが違うメンバーと公演をすることがほとんどなくて。でも今回はミックスでやって、色んなメンバーとまんべんなく接して、先輩は後輩に教えられたし、後輩は普段は行きにくい先輩に教えてもらいに行けたり、いいきっかけになりました。先輩と後輩が仲良くなって絆が深まったなと思います。

大場美奈

斎藤 決められたメンバーで、何日までに公演をやってくださいって。そこに向かって一生懸命やる過程が自分たちのためになったなって。研究生でもなければ新たに公演を覚えたり、いくつものポジションを覚えるとかないし、初心に戻った気持ちです。

自粛期間あけで久しぶりにメンバーと会って、レッスン場で朝から夜までみんなとレッスンして、今日までの過程がSKEを強くしてくれました。公演って普段は何ヶ月もやって千秋楽を迎えるものだけど、今回みたいに今日が最初で最後っていうのは今までにない企画で、とんでもないことするなと思ったんですけど、だからこそ公演が終わって、寂しいって泣き出すメンバーがいたり、もっとやりたかったって言っていたり。振り返ってみれば、しみじみ余韻にひたれるし、ネットでも盛り上がってもらえてうれしかったなと。

江籠 16人でやる公演は久しぶりで、当たり前だったことが少しずつ戻ってきているのがうれしかったし、昔の公演を後輩とやるのが新鮮でしたね。

私は『会いたかった』公演を9期生や10期生とやったんですけど、後輩を育てるというか、気にかけることが、今回身につきました。それこそ昔は自分が付いていく立場だったけど、先輩になったんだなって感じたし、後輩たちがいつかまたリバイバル公演をする時に、あの時は楽しかったよねって、思い出になる公演になったなって。終わった後のみんなの達成感を見て感じました。


――2日目の公演の感想を聞かせていただきたいんですけど、大場さんは『RESET』公演で、フレッシュな10期研究生と一緒に前座で登場しました。

大場 本来は研究生の見せ場なんですけど、12周年ですし、インパクトとかを考えてスタッフさんが持ちかけた罠です(笑)。もともとやっていて思い入れがあるし、研究生のコと数人でステージに立つこともないし、やってみようと。

でも出てみたら罪悪感にさいなまれて......。10期生を応援するサイリウムの色が決まってないから、会場にいらっしゃるファンの方が私のカラーの水色にしてくれたんですよ。私は出落ちだから目立たないようにと思っていたのに、優しいファンの方が寄り添ってくれたのが辛くて......。何で出ちゃったんだろう、この枠は研究生にあげればよかったって。最後、逃げるように出ていったら、タイミングを間違えました(笑)。

10期生のコと仲良くなれたのはよかったんですけど、半分ごめん、半分ありがとうって感じでしたね。

斎藤 私も『RESET』公演に出たんですけど、前の日に『0start』公演があって、同じセットリストだけど、ダブルアンコールがあったり、違った魅力があるんですね。こっちはオリジナルでそういう演出はないけど、4日の公演の締めというのもあって、パフォーマンスに気持ちを乗せようねとか伝えました。

あと山内鈴蘭ちゃんがAKBにいた時にこの公演をやっていて、SKEとの振り付けの違いを教えてくれたんです。私たちの覚えていたことが、アップデートされたような感じがしましたね。それとフレッシュなメンバーが多くて、後ろから感じるパワーがすごかった。私、ラストの公演で疲労感がすごいのに、負けないように一番動きました。楽しかったです。

斉藤真木子

江籠 『RESET』は私が6年前にチームSに昇格して初めての公演だったんです。当時は中学生で、お姉さんたちとやっていた『明日のためにキスを』を久しぶりにやって、やっと似合う年齢になったなって。周りは若いコで時の流れとも思いながら(笑)。

あと真木子さんも言ったんですけど、後輩の頑張りを背中に感じながら、そして真木子さんとやるのも久しぶりなので、こんなにできるようになったということを見せられたかなって。

――普段、あまり接点のないコと絡んだエピソードはありますか?

大場 9期生の4人ですかね。まだ劇場公演がメインで、あまり接することがなかったんですけど、きっとフリとかで困ってるだろうなと、レッスン場で話しかけました。それでコミュニケーションがとれるようになって、公演が終わった後も、楽しかったですーって、めっちゃ言ってくれたり。彼女たちの思いも知れるようになって、うれしかったです。

斎藤 私は10期研究生ですね。今年の2月にお披露目されてから、コロナで活動がほとんどできなくて。でもそのブランクがいい意味で彼女たちを追い込んだかなって。みんなが言ってたのが、「将来、やってよかったなと思いたい」、「ファンの皆さんと会えないから、できるところを見せたい」って。それを一緒に叶えられるように頑張ろうって思いましたね。連絡先を交換したわけでも、一緒に写真を撮ったわけでもないけど、距離が縮まったなって思います。

江籠 私も研究生のコたちですかね。今まで通りの公演ができない状況で、一緒にステージに立つ機会がなくて。でも今回、最初のレッスンからちゃんと向き合うことができたのが、すごく大きかったなって。ふたりが言ってたように心の距離が縮まって、すごい話しかけてくれるようになってうれしかったし、レッスン中に「先生」って間違えて言われたり(笑)、見ていると親目線になっちゃうことがあったり。でもそれぐらいの仲になれたことがうれしかったです。

江籠裕奈


――今回のイベントでメンバーが「今のSKEを見てほしい」と言ってたけど、今のSKEの面白いところって何だと思いますか?

大場 何でもチャレンジするところ。アイドルだからこういうイメージじゃなきゃとか、ないのがSKEの取り柄ですかね。清楚なアイドルってわけじゃないし、ただただ元気なアイドルってわけでもない。全ジャンルに挑戦していこうというか、取れるものは何でも取っていこうよと。須田亜香里ちゃんが何でもやってるみたいに。あれはハイレベルですけど、それに続くぐらい、物怖じせず何でも果敢に挑戦して、それができたら、やったねって喜べるグループだと思います。

そういう意味では今回のライブも、公演を覚えられるかなとか不安はあったけど、メンバーみんなで支え合いながら本番を迎えたら、素晴らしいスタッフさんの技術やファンのみなさんがSNSで盛り上げてくれて。だからもっともっと頑張ろうと思って。常に高みを目指していくところも魅力かなって思います。

江籠 今を楽しんでるところかなって思います。自分たちの今をSKEに捧げている。アイドルをしているみんながステージでキラキラ輝いているなって思います。

斎藤 これを言ったら、ムムッて思う人がいるかもしれないけど、今が一番パフォーマンスレベル高いと思います。

昔は実力がなくても、気持ちだったり伝わってくる圧がSKEの魅力だったりしたんです。この機会に昔のパフォーマンスを見返したんですけど、今のほうがいい意味でも悪い意味でも激しい。テクニックもあるように感じるんです。みんな一個一個武器を持って、SKEダンスがめちゃめちゃうまいんですよ。

色んな人の背中を見て蓄えたものがあって、それにもっと歴史を感じて気持ちが乗ってくれば、絶対に過去を越えられると思うし、それが今のニーズに合ってるか正直わからないけど、SKEは確実に進化してるって胸を張って言えます!

――13年目以降こうありたいって考えていますか?

大場 うーん、なるようにしかならないんじゃないかって考える人間なんで......。コロナというのもあって、これだけ大人数のグループが今の世の中で生き残ってることがすごい。どれぐらいの方がまだ応援してくれているのか、最近はファンの方となかなか会えないからわからないけど、私としては13年目もSKEがあり続けてくれれば感謝です。

江籠 大きな目標も必要かもしれないけど、目の前のことをのびのびやってるSKEが素敵で幸せだなと思って。とりあえず明日終わってから考えたいです。

斎藤 いつSKEが解散って言われてもいいように、毎日一生懸命生きる。

大場 解散しちゃうの!?

斎藤 違う! いかなる時でも後悔しないようにキラキラ輝けたらいいなって思います。

※明日21日(水)は、「SKE48 12th Anniversary Fes 2020~12公演一挙披露祭~」3日目のインタビューをお届けします