セカンド写真集『里帆採取』の発売を直前に控えた吉岡里帆が、11月2日(月)発売『週刊プレイボーイ46号』の表紙&巻頭グラビアに登場!

彼女の映画への思いと、女優としてひた走る現在の心境を直撃した。

■監督の秋田への思いを映した内容に胸を打たれました

――吉岡さんが出演された映画『泣く子はいねぇが』(11月20日から全国ロードショー)が封切られます。これはある失態で妻と娘のいる秋田から逃げ出した男・たすく(仲野太賀)が、自分の成長とともに再び家族を取り戻そうとする物語です。

吉岡 佐藤快磨(たくま)監督は31歳、たすく役の太賀くんは同い年。同世代のおふたりの作品に参加できるという何か運命的なものを感じて、お話をいただいたとき、これは無理してでも出たいと思いました。脚本も監督ご自身の地元秋田への深い思いが映し出された内容で、胸を打たれました。

――吉岡さんはたすくの妻・ことね役。たすくに愛想を尽かし、再会後もよりを戻そうとするどころか笑顔ひとつ向けません。

吉岡 最初に台本を読んだとき、私の中でことねは優しく包容力のあるイメージだったんです。でも監督からはたすくに甘くしないでいい、後悔の念を抱かせてほしいと言われ「決別するぞ!」と強い気持ちで演じました。ただ監督は相手を赦(ゆる)すことだけが愛情ではなく、突き放すこともそうなんだとも言っていて。憎くてそう振る舞うのでなく、「その先にある人生はうまくいってほしい」って気持ちも併せ持っていました。

――吉岡さんは徹底した役作りに定評があります。今回はどんなことを?

吉岡 憔悴(しょうすい)した感じを出すため、食事制限をしました。あと今回、初めて子供のいる役柄なんですよ。だから、子供を持つ友達に話を聞いたり、育児漫画やブログを読んで子育ての日常へのイメージを膨らませました。そのうち「小さい子がいるのに、なぜあなたは子供のままなの?」ということねの苛立(いらだ)ちが、自分の中ですごくよく理解できるようになりました。

――耳が痛い話ですが(笑)、確かに大人になりきれない男性っていますよね。吉岡さん自身はそういう人をどう思います?

吉岡 大人って、我慢が大事だと思うんです。自分の意思を持ちつつも想像力豊かに周りを気遣う、というか。

――実際、もし友達にことねみたいな人がいたら、なんてアドバイスします? やっぱり「別れちゃいな」って?

吉岡 いや~。気軽にアドバイスはできないです。相手がどんな男性なのかや、ふたりのストーリーにもよるので。ただ、別れるにせよ、よりを戻すにせよ、悩んで出した答えだと思うので、否定はしたくないですね。どちらにしても間違っていない理由を一緒に見つけ、背中を押すと思います。

――男性、女性、いろいろな立場で作品の見方が変わりそうです。

吉岡 特に、たすくのように恋愛や結婚、仕事でうまくいっていないなぁと焦っている人は見てほしいです。見ていてつらいかもしれないけど、心の痛みがわかる分、なんとか向き合おうとしている姿に励まされて「自分もやらなきゃ」って勇気をもらえると思います。踏ん張っている人にぜひ見てほしいです。

■今はプラスのエネルギーの詰まった作品に出たい

――さて、そろそろ一年を振り返る時期が近づいてきました。吉岡さんにとって2020年はどんな年でした?

吉岡 やりたかった仕事が実現できた年です。特に、舞台を2本もやれたのはうれしかったです。以前から、映像の仕事と舞台を両立させたいと思っていたので、思いが通じたというか。

――以前から舞台にはこだわってましたものね。

吉岡 やっぱり、お客さんに直接思いを届けられる幸せは何物にも代え難いです。あと舞台だと、準備期間をしっかりいただけるうれしさもあります。舞台に立てるというのは本当に幸せです。

――今年はコロナ禍で自粛期間がありました。普段、多忙なだけに自分自身を見直すいい機会になったのでは。

吉岡 そうですね。本を読んだり、映画を見たりして、久々にいろいろなものをインプットできました。そんななかでお仕事をさせていただけることのありがたさをあらためて実感しましたし、自分がどんな作品に出ていきたいのかもわかってきて。それに向かってのエネルギーがすごく湧いてきましたね。

――どんな作品に出たいと思ったんですか?

吉岡 最近、ケラリーノ・サンドロヴィッチさんの舞台に出演させていただいたことも大きいんですけど、明るいエンターテインメントですね。今、すごく必要とされているのかなと思うんです。私、これまでいろんな作品に出させていただきましたけど、特に今はその方向を目指していけたらと思っています。誰かの笑いを誘ったり、心を温めたり。そんなプラスなエネルギーの詰まった作品に出られたらうれしいです。

――あと、もうひとつ。仕事とは別に、自分が変わったと思うことはありますか?

吉岡 笑っている時間が去年に比べてすごく増えたかな。

――おーっ、笑う時間が!? 

吉岡 バラエティ番組を見ていると自分でもびっくりするくらいひとりで笑っているし、ご飯に行ってもずっと笑っているんですよ。なんだか「笑いのツボ」がずいぶん広がったみたいです(笑)。

――何かあったんでしょうか?

吉岡 自分でもわからないけど、やっぱり自粛が明けて、誰かと会ったり、話したり、あと一緒にご飯を食べたり......そういうなんでもないことをよりいっそう楽しいと思えるようになったからかもしれません。なんだか"幸せ感度"が上がった気がします。本当にちょっとしたことがうれしいんですよね。

――それこそ、お仕事の上でもいい意味で影響しそうですね。

吉岡 そうかもしれないです。今、作品を通して、見た人にハッピーな気持ちになってもらいたいというエネルギーがすごく湧いてきているので、来年はよりよい自分を見せていきたいですね。

■吉岡里帆(Riho YOSHIOKA)
1993年1月15日生まれ 京都府出身
○出演映画『泣く子はいねぇが』が11月20日(金)より全国公開予定。吉岡里帆2021年カレンダーが好評発売中。吉岡里帆写真集『里帆採取 by Asami Kiyokawa』が11月5日(木)に発売。公式Instagram【@riho_yoshioka】

★吉岡里帆写真集『里帆採取 by Asami Kiyokawa』予約受付中!
発売日/11月5日(木)
プロデュース・クリエイティブディレクション/清川あさみ
撮影/熊谷 貫 三瓶康友 定価:本体2300円+税
B5判変型・ソフトカバー・144ページ