これまで土屋太鳳や武田玲奈などがヒロインを務め、若手女優の登竜門としても知られる人気シリーズの最新作『人狼ゲーム デスゲームの運営人』が11月13日より劇場公開された。

本作でヒロインの夏目柚月(ゆずき)役を務めたのは、映画やCMなどで活躍する注目の若手女優・桃果さん。

今年8月に20歳を迎えた節目で大役に選ばれ、女優として飛躍の時を迎えている彼女は、「人狼ゲームで死を迎えると、実際に殺されてしまう」という精神的極限状態をどのように演じたのか。

インタビュー前編となる今回は、ヒロインに抜擢された心境や映画の見どころについて語ってもらった。

――『人狼ゲーム』シリーズは若手女優の登竜門としても知られていますけど、ヒロインに選ばれたときの心境はいかがでした?

桃果 『人狼ゲーム』のオーディションは何回も受けていたんですけど、ずっと落ち続けていて。それもあって、ヒロインはきっと無理だろうから、誰かメンバーの一人になれればいいと思っていたんです。

でも、今回のオーディションを受けて、まさかのヒロインに選んでいただいて、「私がヒロインでいいの?」という思いと、めちゃくちゃうれしい思いが混ざって、とにかくビックリしました。

――そんな思い入れのある作品でヒロインに抜擢! それはうれしいですよね。

桃果 そうなんですよ。でも、実はこのときのオーディションは大失敗していたんです。「控室がないので5分前に来てください」と言われて、その通りに行ったんですけど、その日は寒かったから、オーディションが始まっても顎(あご)が全然動かなくて。

自分の準備不足が悪いんですけど、セリフをめちゃくちゃ噛んで、こんなの初めてというくらいダメだったんです。絶対に落ちたと思ったし、それ以前に女優として失格だなって、本当に落ち込んだんですよ。だからこそ受かったときにビックリして。

――なんで受かったのか理由は聞きましたか?

桃果 監督からは「セリフの言い方が柚月っぽかった」と言われました。桃果のスケジュールがダメだったら、企画をナシにしようかと思ったとまで言ってくださって。本当にうれしくて、いままでがんばってきてよかったなと思いました。

――ヒロインに抜擢されて、プレッシャーはありました?

桃果 ありました。いままではよかったのに、今回はダメだったと言われたら嫌だし、とにかくがんばらなきゃいけないって撮影前から思ってました。まだ公開するまでドキドキなんですけど、試写で見てくださった方々が、みんなおもしろいと言ってくださったので、とりあえずひと安心してます。

――僕も見させてもらいましたけど、最初から最後まで一瞬も目が離せず、めちゃくちゃおもしろかったです! 桃果さんが演じた柚月は、どういうふうに演じてほしいと言われていたんですか?

桃果 柚月は拉致されて、強制的にゲームに参加させられているんです。だから絶対に怖いはずなんですけど、監督からは、「みんなが怖いなか、明るくさせてあげるキャラクターであってほしい」と言われて。

いままでのシリーズのヒロインは、強い女のコとか、最初は弱かったけど強くなっていくコとかだったんです。だけど今回は、応援したいと思わせるキャラクターにしてほしいと言われました。そこはとても難しかったです。こんな怖い状況のなか、どういう明るさでみんなを励ませばいいんだろうって。

――自分も死ぬかもしれないのに、明るくするなんて難しいですよね。

桃果 だから撮影初日はすごく悩んで、監督ともたくさん話し合いました。柚月は優しいからこそ、みんなの辛い気持ちを軽くしてあげたいというか。萌々香(山之内すずが演じたゲーム参加者の一人)が弱気になっていたから、支えてあげようっていう気持ちになったと思うんです。自分で演じた役ですけど、柚月はすごいなと思いました。

――自分が柚月と同じ状況に置かれたら、どうなっていると思いますか?

桃果 うーん、自分だったら本当に怖いし、(処刑者を決める)討論でも何もしゃべれなくなるだろうし......。でも、そこから出られないとわかったら、少しは明るくいようとするかもしれないです。どうせ死ぬかもしれないなら、この時間をちょっと楽しもうみたいな。

ただ、柚月みたいに頭良くしゃべるのはできないですね。私はすぐボロが出ちゃうタイプなので(笑)。

――冷静さが必要なゲームですよね。プライベートで人狼ゲームをやったことはあったんですか?

桃果 高校生のときにやりました。そのときは、ひたすら「私は村人です!」って訴えただけでしたけど(笑)。今回の撮影に入る前にも、キャストのみなさんとやったんですよ。1回目は何もしゃべれず黙っていたんですけど、黙っているから怪しいって言われて、すぐ処刑されて(笑)。それで2回戦目はしゃべったんですけど、今度は急にしゃべりだしたから怪しいって言われて処刑されました(笑)。

――ウソをつくのは苦手なタイプなんですか?

桃果 苦手です。すぐ顔に出ちゃうんですよ。だから本当に嘘をつかなきゃいけないときは、とにかく顔を隠します。

――逆に顔を隠したらウソをついてる証拠に(笑)。

桃果 確かに(笑)。でも、そもそもウソをつくことがないので。ウソをつくと罪悪感がすごいんですよ。特にお母さんの前ではなんでも言っちゃいます。

――家族仲がいいんですね。映画では同世代のキャストが多かったと思うんですけど、仲良くなれました?

桃果 物語のなかではバチバチしてるんですけど、みんな本当に仲良くて。撮影が終わった人から帰っていくんですけど、みんな「帰りたくない!」って言ってましたね。すずなんて泣いてましたし(笑)。

あと、(処刑する人を決める)投票のシーンは、ここは集中したいから静かにしようとか、キャスト同士でも話し合ったりして、みんなで作りあげた感じがすごく楽しかったです。

――投票のシーンは緊張感もすごくて、映画の大きな見どころですよね。

桃果 そうなんです。誰が殺されるのかは台本を見てわかってるんですけど、指を差されたり、誰かに見られりすると、ものすごい緊張感が走って。「本当にここで殺されるかもしれない」っていう気持ちになりました。もう視線を受けるだけで怖いんですよ。「え、見ないで!」みたいな。そういうドキドキする感じも伝わったらうれしいです。

――めちゃくちゃ伝わってきましたよ! 桃果さん的な映画のいちばんの見どころは?

桃果 いっぱいあるんですけど、今回は人狼ゲームの参加者側だけじゃなくて、運営側の人たちも描かれていて、一人ひとりに注目して見ていただくと、最後に「こういうことだったの!?」って、すべてがつながるんじゃないかなと思います。


●桃果(ももか)
2000年8月25日生まれ 神奈川県出身 身長160cm 血液型=O型
趣味:料理、TV鑑賞 特技:水泳、ピアノ
〇「dアニメストア」や「KOSEラチェスカ」など多くのCMに出演中。また、昨年には『週プレグラジャパ!』より、デジタル写真集『微熱少女 vol.003 桃果』発売した。
公式Twitter【@momoka_adesso】
公式Instagram【@momoka_825_】

■映画『人狼ゲーム デスゲームの運営人』は2020年11月13日(金)より公開中
出演:小越勇輝、中島健、ウチクリ内倉、坂ノ上茜、桃果、山之内すず、福崎那由他 ほか
原作・脚本・監督:川上亮
公式サイト:jinro-game-episode8.com
c 2020「人狼ゲーム デスゲームの運営人」製作委員会

※20歳の素顔や目標について語ったインタビュー後編は、明日15日(日)に配信します。