モデル、ユーチューバー、コスメプロデューサー。ジャンルを横断し、いくつもの顔を持つカリスマアイドル・吉田朱里(よしだ・あかり)が11月21日(土)発売『週刊プレイボーイ49号』のグラビアに登場。
アイドルの枠にとらわれない自由かつ独自路線の活動で、人気を獲得し続けてきた彼女が今考えていることは?
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――10月の卒業コンサート、お疲れさまでした!
吉田 最高の一日でした! アイドルを10年続けてきて、すべてが報われた日だったなと感じました。やりたかったことが全部できたので(笑)。
――卒コンのテーマは?
吉田 "セルフプロデュース"です。私がやりたいことをすべて詰め込むのがコンセプトでした。私の活動のベースはアイドルですから、デビュー曲である『絶滅黒髪少女』はどうしても入れようと思っていました。
卒業生にも出てもらったので踊らなくてもいい演出にしていたのに、「いや、みんなで踊ろうよ。そのほうがカッコいいよ」とみんなが言ってくれて。それで踊ることになったんです。
――卒業生とはどんなやりとりがありましたか?
吉田 さや姉(山本 彩)とは最近会っていたので、「10年間お疲れさま」くらいでした。みるきー(渡辺美優紀)とは久しぶりに会いました。「リップちょうだい」って言ってきたのは、みるきーらしかったけど(笑)。
――10年間アイドルとして活動したことを、卒コンが終わった今どうとらえていますか?
吉田 10年続けてきたから大阪城ホールという素晴らしい会場で大々的にコンサートをさせていただけたと思います。あと当日、ステージの上で泣いてしまったんですよ。私には芽が出なかった時期もあるし、仕事に対して投げやりになってしまった時期もありました。でも、このままじゃダメだと心を入れ替えてYouTubeを始めたり。
卒コンではそんな自分の10年間のストーリーをファンの方と共有できたから泣けたし、ファンの方も「泣いたよ」と言ってくれたのもうれしかった。今まで頑張ってきたと胸を張れるからこそ涙につながったんだと思います。それに、あの日、私は10年間の活動で初めて満足できました。
――初めて......?
吉田 AKB48グループって頑張っても頑張っても、次の戦いのステージが待っている。総選挙で選抜に入ったとしても、その位置を守る戦いが待っているじゃないですか。そんな戦いの連続に、私はずっと満足できずにいました。
でも、最後の最後に初めて満足できたんです。「今までたくさんの経験をさせていただいてきたから今日の私があるんだな」って。
――そんなに満足できないものなんですね。
吉田 私が負けず嫌いだからだと思います。だからこそ10年続けられたのかもしれません。でもそんななかで卒業を決めたのは、卒業しないと吉田朱里という人間がズレてしまうと思い始めたから。
同世代のコと話していると、私は置いていかれているなと感じることがあって。アイドルって環境的に甘えさせてもらえるんです。新幹線や飛行機で移動するのも、チケットを手配するのはスタッフさんだし。そういった経験を一般の同世代のコたちはすでにしています。このままアイドルでいたら、等身大でいたいと思っている自分が等身大じゃいられなくなる気がして。
私のことをYouTubeで知ってくださった方は、私を等身大の存在だと思っているはずなのに、このままだとズレてしまいます。それが卒業を考えた、大きなきっかけでした。
――卒業後はどうしたい?
吉田 アイドルという環境から離れた私が、ひとりの人間として成長していく過程をYouTubeに残したいと考えています。例えば、すっごくオシャレな人のファッションは憧れだとは思います。でも、身近なオシャレのほうが取り入れたくなるんじゃないかな? そうやって同世代の人の身近な生活に刺さっていくようなことを見せていきたい。
料理だってそう。へたかもしれないけど、だんだん上手になっていく過程をYouTubeにそのままアップしたい。それを見て、「これなら私にもマネできそう」って思ってもらえる存在になりたいです。そのためには、私が私らしく生きていく。それがとっても大事なんです。
――今後の活動で必要なのは?
吉田 柔軟性かな。10年前の私は本当に頑固で(笑)。スタッフさんの意見を聞くことができませんでした。メイクを勝手に足したり、カラコンをつけてみたりして、大人を困らせていました。ただの世間知らずで、ダメな自分を認めないから成長しませんでした。
ダメな自分を受け入れること。それって柔軟性を持つということですよね。これからも柔らかい自分でいたい。
――吉田さんは女子力ユニット「Queentet(クインテット)」をNMB48内に結成し、多くの女性ファン獲得に成功するなど、グループに新しい風を起こしてきました。今、プロデュースしたいメンバーはいますか?
吉田 こじりん(小嶋花梨)ですね。キャプテンとして頑張ってくれているけど、個人としてもっと輝けるはずです。ショートカットにしてからあか抜けたから、女のコにもっと好かれると思います。"ボーイッシュかわいい"路線で売り出したい。
あと、Queentetみたいなユニットを若いコだけでやったら面白いと思います。将来の土台づくりを今のうちにしておくのもアリなんじゃないかな。
――NMB48は今後どうあってほしい?
吉田 変化することを恐れないでほしいですね。10年間つくり上げてきたものはあるけど、守るだけだと今以上の力を出すことはできません。過去のものは壊していって、新しいグループのあり方を見つけてほしいです。今のNMB48は顔がかわいいコたちが多いので(笑)、その見せ方は大事にしてほしいです。
――最後に、アイドルってどんな職業だと思いますか?
吉田 自分を変えるためには最高の場だと思います。特にAKB48グループは型にはまらなくてもいいので、新しい自分を見つけることができます。
私は女優さんが目標だったけど、いろんなお仕事を通じて、「これだ!」というものを見つけられました。失敗したっていいんです。将来、なんになるかの自分探しができたと思います。NMB48は本当にたくさんの大切なものを教えてくれました。
(スタイリング/髙山エリ ヘア&メイク/chim[CO.CO.RO.])
●吉田朱里(よしだ・あかり)
1996年8月16日生まれ 大阪府出身
身長165.5cm 血液型=AB型 nickname=アカリン
○YouTuber、ファッション誌『Ray』専属モデル。コスメブランド「B IDOL」、アパレルブランド「Amiuu wink」のプロデューサー。自身が初センターを務めた卒業シングル『恋なんかNo thank you!』が発売中。
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